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Saturday, January 31, 2009

元カノ

子どもたち

そんな感じで、ママはすごく可愛かったし、性格も良かったし、お付き合いを深めていったんだ。
付き合い始めて結婚するまで2年くらいあったと思うんだけど、その間、パパは毎晩欠かさずママに電話して、1時間くらいおしゃべりしていたんだ。今から考えると不思議だよ。よくそんなにしゃべることがあったなあって。当時はケイタイなんかなかったから、おうちの電話でしゃべるわけ。居間にあるから、パパはおじいちゃん・おばあちゃんに頼んで、電話線をすごく長いのに変えてもらったんだ。その頃は、コードレスなんかなくて、電線で壁に繋がっていたんだよ。話しているところ聞かれたくないじゃん。電話機だけ自分の部屋に持ち込んで、しゃべっていた。りょうこおばちゃんは呆れていたよ。

でもね。
そんな良いことばかりじゃないんだよ、ふたりが付き合うって。結構、危機もあったりしてね(笑)。
ママはすごく可愛いし、頭も良かったんだけど、内面は結構悩んでいたというか、いまいち暗いところもあったんだよ。なんとなくわかるでしょ?
ママとママのお兄さんはとても仲良くて、小さい頃は、いつもお兄さんの後にくっついてお兄さんの友だちと一緒に遊んでいたんだって。で、お兄さんはチョー秀才でさ。そんなに勉強しなくても東大に現役で合格しちゃうくらいだったんだ。ママも、世間の常識からすればとっても頭がいいのだけど、自分じゃあそう思っていないんだ。お兄さんほどじゃあなかったからね。お兄さんが行ったような偏差値の高い高校受けたけど落ち、東大も落ち、就職するときも、第一志望の会社は落ちて、第二志望だった会社に就職したんだ。それも、身体検査で心臓にちょっと問題アリということで落ちたんだけどね。だから、ママはぜんぜんそんなことないのに、何か私ダメなのみたいに自分のことを思っていたみたい。
それに、ママのお母さんとの関係にも悩んでいたみたい。ゆんたもママと時々派手に喧嘩してたじゃない。母親と娘の関係って、どこでも結構むずかしいものなんだよね。普段、ママとお母さんはとても仲が良いんだ。だけど、仲が良すぎて、お互いに依存して、期待しすぎてケンカになっちゃうというか。だから、ママも、20歳を過ぎて、母親から精神的にも自立したかったのだけど、いまひとつ自信も持てないもんだから、自立できず、ママに当たっちゃっていたみたい。ゆんたもそうだったの?

そんなこんなで、結構悩んでいたから、エンカウンターグループという心理学の合宿みたいなのに行きなよってパパが勧めたんだ。それは、10人くらいの人たちが一緒に2泊か3泊かして、深く話し合いながら集中的に自分たちのことを見つめるグループ・カウンセリングみたいなものなんだ。以前、パパも友だちと一緒に参加して、とても良かったから、ママも行ってごらんよって説得して、車でその会場まで送って行ったんだ。そしたら、そこで、パパの元カノと偶然にばったり出会っちゃったんだ。その人とは、はじめはうまくいっていたんだけど、結局、パパが勝手に振ったみたいに気まずく別れちゃったんだ。パパとママが一緒にいるところに、突然その人が現れて、とってもびっくりしたけど、平静を装って、ママのことを友だちですって紹介したんだ。でも、女の勘は鋭いから、すべてわかっちゃったみたい。

そんなわけど、ママは、パパの元カノといっしょに合宿することになっちゃったんだ。もう、自分を見つめるどころじゃないよね。ママも、元カノも、どちらかというと引っ込み思案タイプだから、お互いに一言もしゃべらなかったけど、とても苦しかったって。帰ってきてからワンワン泣かれたよ。ママは真剣にパパと別れようかとも思ったって。パパは一生懸命ママの話を聞いて、ゴメンって謝って、結局は別れずに、付き合っていきましょうということにしたんだ。いくらラブラブでも、付き合っていけば、お互いにイヤな面も見えてくるし、ヨコから妨害も入ってくるし、辛いものなんだよね。でも、そんな危機を乗り越えていく中で、パパとママは、お互いの信頼関係を深めていったんだよ。一度、そういうことを経験しておけば、また同じようなことがあっても乗り越えられるかなって思えるからね。

だからさー、ちょっと話は違うんだけど、今、パパと子どもたちは、ママが突然死んじゃって、人生でありえないような最大級に悲しく辛い経験をしているじゃない。今はまだとてもダメだけど、これからどうにかして、パパと子どもたちが、この辛さを乗り越えて、また元気になることができたらさ、、、、将来、どんな辛いことがあっても、乗り越えられるって思わない?だって、ママが突然死んでいなくなっちゃうことほど辛いことは、この世の中にありえないもの。

1 comment:

  1. >今、パパと子どもたちは、ママが突然死んじゃって、人生でありえないような最大級に悲しく辛い経験をしているじゃない。今はまだとてもダメだけど、これからどうにかして、パパと子どもたちが、この辛さを乗り越えて、また元気になることができたらさ、、、、将来、どんな辛いことがあっても、乗り越えられるって思わない?だって、ママが突然死んでいなくなっちゃうことほど辛いことは、この世の中にありえないもの。

    ・・・というところがすべてかな、という気がしながら読みました。

    もちろん、『忘れられない贈り物』の本のように、忘れられない思い出を語って、そして本質的な意味で慰められていく・・・というプロセスも大事なのだと思います。

    私自身、妻との婚約に至るには、(当時の私の彼女=今の妻が、優子さんよりも遙かに若かったこともあって)2年ほどの年月を経て、いろいろと大変なアップダウンがありました。・・・そんなことを思い出しつつ読ませていただきました。

    私もちょうど、妻と知り合った頃に、前々別のグループでエンカウンターグループの一週間の合宿に行ったことがあります。非常に有意義でした。

    TIKIさんも、優子さんとご一緒になるにはアップダウンがあったのですね。

    そんなこんなが、お子さま三人と、今回のことを乗り切る原動力になることを切に祈っています♪

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