Send your message to lettertoyuko@gmail.com


Friday, January 16, 2009

心のコップ

優子、おはよう。
睡眠は、やはり10:00-2:30。久しぶりのチャリ通勤で身体はクタクタ。不眠も何もなく、吸い込まれるように眠れたよ。

すごく寒かったけど、気持ち良かった。12月30日に優子と品川まで軽くサイクリングした時以来だよ。あの時も、優子は自転車漕いでも全然平気だったものなあ。その4日後にあんなことが起きるなんて、今でも信じられないよ。
大森海岸から品川港南口までの、あの道も通ったよ。第一京浜に沿った旧東海道の道。あれ、沿線の商店街がレトロな雰囲気で気持ちいいよね。これから、あの道を優子ロードと呼ぶことにしよう。そうしたら都心へ向かうときは、いつも優子を通れるからね。
自転車は、常に風を感じて走っているんだ。風向き、強さ、軽さ、においとか。もう少しして、春先になると、風の匂いが微妙に春めいてくるんだよ。これから僕が走る時は、優子も一緒に来てよ。そうすれば風の中に優子を感じながら伴走できるから。こりゃ、楽しいわ。
でも、頼むから、正面から絡み付かないでくれる!?走りにくくてしょうがないんだ。
後から軽く押すように吹いてくれると嬉しいんだけど。

昨日は、復帰以来初めてのクリニックで、どうなるか心配だった。だって、いつも講演なんかでは、自分の心のコップがいっぱいのときは、人の心の水を受け取ることはできない、なんて言ってるわけで、今の僕の心は悲しみでいっぱい、いっぱいのはずだもの。
でも、案外、うまくいったよ。新患はなく、みんな何度も来ている顔なじみの患者さんたちだったし。それに、いっぱいながらも、ここや、いろんなところで必死に水をかき出しているから、まあどうにか受け取ることができた。そのあたりはプロだからまかしてくれ。

むしろ、大学での仕事よりも楽だったかもしれない。クリニックでは、仕事モードながらも、共感モードをたくさん使うからね。なんか、患者さんたちの話をずっと聞き入っていたよ。ここのところ、自分の乱高下する感情にとことん向き合ってきたから、相手の感情も、普段よりも、なんとなくすっと入ってきたみたい。
いつも、来るたびによく泣く患者さんがいるんだよね。今までは、わりと客観的に、ああ、ここがポイントなのね、くらいにしか思っていなかったけど、今日は、その気持ちがよく伝わってきた。やはり祐麻が言ったように、こういう自己体験は、精神科医にとって大切な肥やしになるのかもしれない。辛いけど。

祐麻は、がんばって優子からのメッセージを書いていたよ。よく書けているよなあ。
でも、さすがに辛かったみたいで、しばらくしてから、悲しそうに泣いていたよ。祐麻の涙もお葬式以来だな。ちょっと可哀そうだったけど、まあ良かったんじゃないかな。

さあ、今日も天気は良さそうだから、がんばってチャリで行こう!

No comments:

Post a Comment