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Wednesday, January 3, 2018

9年目

じん、お墓参りに行ってくれてありがとう。
パパは9年経っても、ぜんぜん変わってないよ。また、スキー場に来ている。
元日に札幌に飛行機で来て、2日はちゅけと氏家さんと一緒にニセコまでバスでやってきて。
氏家さんは仕事があるから日帰りで。
ちゅけも修論の追い込みだから一泊だけして、もう帰って。
明日から3日間は一人残ってバックカントリーだよ。
結局、残っているのは僕だけなんだ。
祐馬はオーストラリア、ちゅけとパパは北海道。あちこちから、ママを悼もう!
結局、東京にいるのはじんだけだし。
じんが自分から俺お墓参りに行くと言ったのは嬉しかったぞ。バイクで行ったんだろ?高速じゃなくて下の道を通って。行った証拠に写真も送ってくれたから、パパは安心だ。

優子を失い、両親も失って、愛着対象の重要性に気づいたよ。
空気のような存在だから、それがある時は、その存在の重要性に気づかない。
ちゅけが札幌を、祐馬がオーストラリアを選んだのも、氏家夫妻とRichardson夫妻という安全基地があったからなのだ。
二組とも子どもたちが生まれるずっと前から優子と僕が親しかったことを、子どもたちは良く知っている。
優子がいなくなっても、子どもたちの基地は失われなかった。
そのこと自体が僕の安心でもある。

子どもたちは良く自立してくれたよ。
北海道とオーストラリアと東京で、三者三様に頑張っている。
自立出来ないとどうなるか、仕事柄良く知ってるから。

もう優子のことをどうこう言う必要はない。
要は、残された僕らがどう生きるかということなんだ。