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Sunday, July 23, 2017

ばあちゃんと祐馬

祐馬が半年ぶりに帰国した。
ほんの2週間だけどね。

おばあちゃんと、ともみ君に会いたくて。

そうだね。
まあ、ばあちゃんは、まだすぐには死なないから大丈夫だけど。

祐馬が訪ねると、ばあちゃんは満面の笑み。
良い顔してるねぇ!
ばあちゃんは、トイレのしかたも、今朝なに食べたかも覚えてないけど、久しぶりの孫の事はちゃんと覚えているよ。というか、いつも家族のことしか気にしていないし。

僕は、ほぼ毎朝、ばあちゃんのところに顔を出している。家からチャリンコで3分の場所だからね。カイの散歩みたいなもんだ。

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ばあちゃん、元気?

わかんない。
もう死んでも良いんだ。
どうせ死ぬんだから。

そりゃ、そうだ!
よくわかってるじゃん!

ばあちゃんは、死んでも良いよ。
まだ死にたくないとか、死ぬのが怖いとか、生きているのがイヤだから死にたいなんて人がたくさんいる中で、ばあちゃんは人生でやるべきことちゃんとやったもんね。えらいよ!
ばあちゃんが死んだら困るとか、ばあちゃんなしでは生きるのが辛いとかいう人もいないよ。
そりゃあばあちゃんが死んだら子や孫たちは悲しいけど、ばあちゃんがいなくたってみんな幸せに生きていけるから問題ないし。

どう生きるかってのが大事とかいうけど、
どう死ぬかってのも、とても大事だよね。

優子みたいな死に方は一番悪い見本だな。
本人は良いかもしれないけど、てか、死んだら良いも悪いも考えないから良いだろうけど、周りに迷惑をかけすぎだ。子どもたちと夫に辛い思いをさせすぎだ。

ばあちゃんは良い見本だよ。
ばあちゃんが死んでも誰にも迷惑をかけないから、心置きなく、安らかに死ねば良いさ。

〜〜〜

祐馬は今日、メルボルンに帰るんだ。
父親として。そりゃあ、寂しいさ!

Sunday, July 9, 2017

真夏の太陽

毎年恒例の梅雨末期の水害も東京までは及ばず、今朝もチャリで通勤していると、梅雨明け前だけど、既に真夏の雰囲気だ。

夏が嫌い、という人もいるけど、
僕の場合、真夏のギラギラ太陽って好きなんだよね。
すべてのものの温度が上がり、が分子レベルで活性化して、圧倒する暴力的なエネルギーを感じる。
暑いし、汗かくし、寝苦しくてどうしようもないし。
そこまでやらなくてもいいだろうに、、、
、、、やり過ぎの夏が好きだ。

ノスタルジックな思い出が甦ってくる。

子どもの頃、母親に連れられて帰省した愛媛の壬生川。
祖父母のもとに大家族が集まり、縁側に並んで食べたスイカや、おじさんのトラックの荷台で行った桜井海岸の海水浴。祖父母や伯父伯母の多くは既に故人だ。

父親の実家は四万温泉。いとこたちと一緒に摩耶の滝までハイキングしたり。

高校山岳部の夏合宿で縦走した飯豊連峰や北アルプス。梅雨明けからお盆の前までが最高の夏山シーズンなんだ。高地の太陽はギラギラしてないよ。朝晩は肌寒く、昼の日差しが強くても爽やかな運上の天国だ。この夏は新しい装備を担いで登ってくるぞ!

僕の海外デビューは高校留学で初めて飛行機に乗り、辿り着いたサンフランシスコ郊外のスタンフォード大学。そのキャンパスは広大で美しく、太陽もさんさんとと輝いていた。

草津の別荘は、優子と幼い子どもたちと過ごした思い出の地であり、今だって行ってるぞ。高原は涼しくて良いよな。今年も行くぞ!

暑い夏に、思いっきりエネルギーを放出したい。
むちゃくちゃ無謀にね!

夏が終わるのが寂しい。

Sunday, July 2, 2017

ソウル再訪

ソウルでの研究会を終えて、1日ひとり自由な時間を作った。
どこのホテルにしようかな?
booking.comで調べて三清洞(サムチョンドン)の安いゲストハウスにした。
優子が亡くなる1ヶ月前、二人でソウルに行って景福宮と三清洞を散歩したんだよね。
8年前のことをYoung Juさんもよく覚えてくれている。彼女が案内してくれたんだ。
だから、この近くのホテルに泊まるんだよと彼女に言ったら、
"So you still miss her!?"
"Yes, of course."

優子と二人で歩いた景福宮を、8年ぶりに歩いてみた。ひとりで。
優子を亡くしてからソウルには何度も来ているけど、景福宮に来るチャンスはなかった。
ここで写真を撮ったよね。
それが残っているから、その時のこともよく覚えているよ。

この5日間、研究会と学会でたくさんの人たちと会った。
セラピスト自身の気持ちと向き合うトレーニングを、僕が主宰した。
自分の気持ちはいつでも心の引き出しから自由に出し入れできるんだよ。
隠す必要はない。出てきても、怖がる必要もない。心を自由に、オープンにできるんだよ。
いつまでも悲しみを心の中に留めておいても、全く構わないんだ。
自分の気持ちをごまかさなくても良いんだよ。
いくら心を絞ってみても、優子の涙はもう出なくなったし。
いや、出てきても構わないんだけど。