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Thursday, March 29, 2012

Leaving home, or rather an empty nest

旅立ちの朝。
おまえ、今日は何時ぐらいに家出るんだ?
いや、もうすぐにでも。
えっ、何時の飛行機だっけ?
9時
あっそうか、じゃあすぐにご飯作るから。
豆腐の味噌汁と、しゃけとゴハン。食後にリンゴを切る。
いつもこうやっておまえをfeedしてきたんだ。それもなくなるんだよな。
おまえ、後から送る荷物はわかるようにしておけよ。
うん、段ボール4つ。
向こうについて、こーこさんに会えたらメールでもしろよ。
くれぐれもよろしくな。
お母さまの、何か持って行っていいかな。
ああ、どれがいいかな。この中の写真どれでも好きなのを持っていきな。
じゃあ、これ。
そう、幼いちゅけをパパとママが両脇から抱いている写真。
ああ、持っていきな。ちょっとホコリかぶっちゃってるけど。
さあ、いよいよ出発だな。
おばあちゃーん、ちゅけが出るよ。
ちゅけ、気をつけてね!
おばあちゃんは、いつものはなむけの涙を流してくれる。
タクシー乗るまで見送るよ。
パパも明後日行くからな。

ベランダのチューリップが咲いたよ!

むしろ親のempty nestだよね。
今生の別れではない、ちょくちょく帰ってくるよ。
そうだよ、ちゅけにとってもここはまだ居場所だし、将来戻ってくるかもしれないしな。
そういうことじゃなくて、自分の持ち物じゃなくなったという喪失感かな。
今までは、子どもは親の所属物だった。親が責任もって、把握していた。そこから外れちゃうって、喜ばしいことなんだけど、親にとってはけっこうショック、喪失体験だよね。
優子とは今生の別れだったんだよ。
それと比べようもないけど、別れは別れだ。

午後。「こーこさんに会えた」とメールしてきた。
夜には電話が来た。
今日、大学生協でアパートを探したんだけどさ、、、いいのあったらお父さまが来る前に決めちゃっていい?

ふう、ほっとした。こうやってちゅけからパパに電話してくるって今まであまりなかったもんな。
いいよ、いつでも電話でもメールでもしてきな!必要なうちはね。
その方がパパも安心だし。

Wednesday, March 28, 2012

じんのコンタクト

おれ、コンタクト付けたい。
体操のときぜんぜん見えないんだよ。

分かった。メガネかけるわけにいかないからな。一緒に買いに行こう。


(@メガネストア)
え、眼科を受診して処方箋なんかいるの?パパは眼がいいからそういうのぜんぜん知らないんだよ。保険証も持ってこなかったからとりあえず自費で払って、あとで保険証を持って行くんだって。
ついでに本も買ってよ。

おまえら読みたい本は自分で選ぶんじゃあないのか?人から勧められた本とかあまり読みたくないだろ。
、、、じゃ、いいよ、村上春樹の青春三部作買ってやるよ。まあ五木寛之よりは良いだろう。といってもパパはまだ読んでないんだけどね。
昼もついでに食べちゃおうか?じんは何がいい?

ラーメンかな。
じゃあ、あそこのラーメン屋は?

あそこはイマイチ。
そっか、あそこは苦手なんだっけ?
チチオヤそのことブログに書いたじゃん?
えっ、おまえパパのブログ読んでんの?
いや、たまたま見ただけだよ。
あっ、そうか。
それとおまえ、そのチチオヤってのどうにかなんない?

パパってのが恥ずかしくてってのはわかるから、せめてお父さんとかオヤジとか、、、
別にいいじゃん、チチオヤなんだから。
まぁ、そりゃそうだけど。
チチオヤはこれか、どうすんの?
仕事だよ。
広尾?
いや、違うとこ。今晩はババ遅いからばあちゃんメシな。今日が最後で明日ちゅけが北海道行っちゃうから、おばあちゃんが御馳走作ってくれるって。
ふーん。でチチオヤ何時くらいに帰る?
そうだな、今晩は10時くらいかな。先に寝てな!

うん。

Monday, March 26, 2012

Family in Transition

ハレとケ。
海外渡航は日常生活から切り取られたハレの世界。日常のケから切り離されてソロで動けるからいろんな体験が出来るよ。

昨日、祐馬がオーストラリアに旅立った。
今日、パパがカナダから帰ってきた。
木曜にはちゅけが北海道へ移住する。
週末にはパパも行くからな。
来週、祐馬が帰国する。その次の日、じんとパパがちゅけのところに行くから、カイ君の散歩は祐馬がしっかりね。
そしてちゅけと祐馬は新しい学校の入学式。パパも出るの?
パパは職場の入学式だって19年間出たことないぞ!

おばあちゃん的には、もう目が回ってついていけない。
そうなんですよ、家族はすごく動いている。
ちゅけは名実共に旅立ち(leaving home)。
ちゃんと親から離れて自立できるか?、、、という質問は親の分離不安を表している。
祐馬は既にとんでもなく飛び立っているよな。
ピアスが許されちゃう高校に、入る前からピアスを開けちゃうくらいだから、パパは何も心配してないよ。安心してピアス開けな!先生や先輩から何か言われたら、君の責任。
じんは中1➡中2だからそんなに変わらないかな、、、、制度的にはね。
でも、ここんところえらく背が伸びたよな。
あまりしゃべらなくなったし。
あんなにたくさんあったアニメ本を廃品回収に出しちゃって、すごい勢いで文庫本を読んでいる。いいよ、たくさん読みな!!
じんも確実に成長しているもんな。

パパは?
そうね、子どもたちほどじゃあないけど、人は何歳になっても成長しているんだよ。
でも、ブレてはいけない。君たちがどんどん変わっていく姿を、大樹のようにどっしり見守っていなければ。
で、陰でこそこそ成長しているから。

Monday, March 19, 2012

父と母へ

祐馬はちゅけやじんに比べたら外のことではあまり迷惑をかけていないけど、家では2人をたした倍くらいわがまま言ってるよね。もう分かりきったことなんだけどさ。
でもゆまはそれを好んでやっているわけじゃないんだからね。パパの事を否定したりするのも、祐馬の中で、「自分が生きたい生き方」っていうのがあって、それに基づいているんだよ。でもパパの気持ちを傷つけてるってのは事実で、ごめん。
祐馬は学校と家では態度が全く違うんだよ。学校での態度を見てもらえないのは残念だけど、家での生活があるから楽しく学校に通えるし、勉強もできる。去年の夏休み中はほぼ毎日泣いていた。そしたらパパは抱きしめてくれて、すごく安心できた。甘えたり、怒ったり、反発したり、調子いいなって自分でも思っている。
パパには"シングルファーザー"って言葉が合わないほど不自由もあんまり感じてないし、ママも近くにいるみたいにいつも感じてるよ。
高校受験も、自分で頑張ったなって少しは思っているけど、家族のみんながなかったら、そもそも無かったから。ありがとう!これからもゆまはゆまのやり方で生きていこうと思う。
15年間、育ててくれてありがとう!!
ゆま

ゆまちゃん、心から中学卒業おめでとう!
ママは祐馬が中学に入るちょっと前に天国に来ちゃったから、祐馬の制服姿も見ていないんだよ。それがもう卒業なんて早いね。近くで抱きしめて思いっきり「おめでとう!」って言いたいけどそれが出来ないのが残念です。でも、空からいつも見守っているから安心してね。
それから、パパをあまり困らせてはダメですよ。ママがいればカバーできたけど、たったひとりの大切な親なんだからね。祐馬は何を言っても大丈夫と思っているだろうけど、パパはああ見えて見かけによらずナイーブなところがあるんだよ。多少、手加減してあげなさい。
ママ

祐馬、卒業式よかったよ。ほら、写真も撮ったし。
メッセージもありがとう。

あれ書いた時、祐馬、すごく眠たかったんだ〜。ホントはもっと書こうと思ったけど、何を書いたかもう覚えてない。

ハハハ、照れ隠しだろ!? そういう時の方が本音が出るから良いんだよ。
パパは、祐馬が「自分のやり方で生きる」ってとても良いと思うよ。パパにだったらいくらでも自己主張して良いよ。祐馬が何を言ったってぜんぜん平気だから。祐馬に真剣に怒っているときも、本気ではないことわかってるよね。
社会の中で生きていく上で、ちゃんと自己を主張できるってとても大切なことなんだ。でも、相手を傷つけないようにそうするってとても難しいってことも、祐馬はわかってるし、学校ではその辺りうまくやっているんだと想像しているよ。ということは、問題は彼氏とか将来のダンナだな。親密になって、何でも言える間柄になった時、ゆまがどれほど自分のやり方を押しとおすかどうかってところが心配だな。

祐馬、これからピアス開けるからね。

良いよ、自分のこずかいでやるんだろ。
ママは大学生のころピアスを開けたことで彼氏と別れたんだって。

それ、パパから何度も聞いた!


今別れの時 飛び立とう未来信じて
はずむ若い力信じて
この広いこの広い大空に



高校の卒業式よりみんな歌が下手だったおかげで、パパは泣かなかったよ(ちょっとだけね)
良いじゃん、うちの子どもたちは大空に飛び立ったらママがいるから。たくさん飛びな!
パパは今、成田空港のラウンジ。もうすぐバンクーバーに飛び立つよ。
出張中は、少しは子どもたちのことを忘れられるかな??

Saturday, March 17, 2012

卒業式:Rite of Passage (通過儀礼)

ちゅけくん、ご卒業おめでとうございます。
そうですよね、高校入学から卒業まで、天国の優子ちゃんに見守られて、そしてTikiさんに支えられて、頑張ってこられましたものね。
Tikiさんも、優子ちゃんが昇天されてから、きっと試行錯誤されながら、子供たちを支えて頑張ってこられましたものね。
ちゅけくんも、そんなお父さんやお母さんの温かい気持ちを受け止めて、こういう素晴らしい門出を果たされるのは、私も心から感動してます。 



ありがとうございます。
3年前の合格発表で高校に来たのは優子を失った翌月でした。
その時の私は悲しみの真っ最中で、この喜びだけが孤立していました。
子どもたちにとって、この3年間はどうだったのかと振り返っても、特に何があったわけでもないように思います。
ちゅけはバレー班に打ち込み、
祐馬はパパにぶつかり、えっちゃんやRyokoさんやおばちゃんに支えてもらい母親役を投影し、
じんはじじばばと一緒に寝て、体操教室で体を鍛えていました。
3人とも特に甘えて退行するわけでもなく、問題行動やパフォーマンスの低下もなく、親の目から見れば淡々と過ごしていたように思います。
私は悲しみを表現しまくってましたが、子どもたちはしません。大人のような表現力もなく、悲しみを内包したままなのではないか。
祐馬は母を亡くした次の週に初潮がありました。喪失の痛みが彼らを大人にさせたように思います。それが良いことなのか、良くないことなのか、今の段階ではまだよくわかりません。


少なくとも父親にとって、今日の卒業式は余裕をもって喜ぶことができました。
この学校に足を踏み入れるのも今日が最後でしょう。
保育園は送り迎えする親の居場所でもあったけど、小・中・高と進むにつれて親は関係なくなります。
Rite of Passage (通過儀礼)
彼らの成長の儀式を見守るeye-witness役として関係者が集まるだけです。


泣いている人、いたでしょ?
そうだね、卒業生のうち何人かは泣いてたかな。
というか、パパも泣いたけど。
ふぅ~。。。(ため息)
今回、入場行進のときは大丈夫だったよ。
でも、「旅立ちの日に」とか歌うじゃん。パパあれ弱いんだよね。しかもみんな合唱コンを経験してるからよく声が出ているんだ。その迫力で歌われたら感動せずにはいられないよ。

Friday, March 16, 2012

喜び+喪失

夏目漱石「三四郎」「それから」
ドストエフスキー「罪と罰:上・中・下」
小田実「何でも見てやろう」
宮沢賢治「風の又三郎」
福沢諭吉「福翁自伝」「学問のすすめ」
小松達也「英語で話すヒント」
田代三良「高校生になったら」
隅谷三喜男「大学で何を学ぶか」
渡部淳「国際感覚ってなんだろう」
梅棹忠夫「知的生産の技術」
橋爪大三郎×大澤真幸「ふしぎなキリスト教」

子どもたちのために文庫本を衝動買い買いしちゃった。
夏目漱石とかオレもう読んだよ。
「学問のすすめ」もウチにあったよ。
そっか。ダブっちゃったね。
それに加えて「いちばんやさしい基本のおかず」も買ってきちゃった。
ねえ、飛行機の乗り継ぎ時間長過ぎ!ヒマ!パパなんか本買ってきてよ。
だって、そういうのはオマエ、自分で買ってくるもんだぞ!
いいじゃん、前も買ってきてくれたじゃん。

じんはアニメを全部捨てて村上春樹とか漱石とかやけに本を読むようになったよな。口数が減ったけど、確実に成長している。
誰がどの本に食いつくか、様子を見よう。

ちゅけ。
おまえは寂しくて、優しくて、ぶきっちょなやつだよな。悩まなくてもよいことまでたくさん悩むぞ、きっと。ママそっくりだ。 その点、パパや祐馬は悩むべきところでもパワーで強引に押し切っちゃうから、悩みをすっ飛ばしちゃうんだ。どっちか良いかって、どっちも困ったもんだけどね。

何かここんとこ、かなりヘンだ。

ご長男、合格おめでとうございます!
これで、お父さまも寂しくなりますね!
いや、必死だったからそこまで感じる余裕はなかったんだけど、やっぱりかなり寂しいのだと思う。この感覚は今まで経験したことないんだよね。
3年前は悲しみ+喪失だった。
今回は喜び+喪失なんだ。
子どもが巣立って去っていくのは喜ばしいことなんだよ。
そっか、empty nest syndromeなわけね。三羽のうち一羽が巣立ってもこれだから、三羽とも巣立っちゃったらどうなっちゃうんだろう?
でも、祐馬が巣立つときはこれほど不安にはならないかもしれない。
あの子はどこでも強く生きられる。
ちゅけのことを信頼していない訳じゃないよ。でも見ていていかにも不安をかき立てるんだ、おまえは。
ちゅけ自身も今は不安だろうけど、きっとちゃんとできるとは信じているよ、もちろん。理屈じゃわかっているんだけど、気持ちはうまく切り替えられない。
Vancouverから帰ってきたら、二週つづけて週末は札幌に行くからな。二週目はじんも一緒に連れて行こう。

どの親子でも通過するはずの子離れの辛さが身に染みる。
36年前の羽田空港での母親の涙が、今やっと共感できる。

父と息子の函館紀行(後日談)

自分の子どものこととなるとぶれまくってるなあ。
函館ではナイスな判断だと思ったのに、帰ってみると実はそうじゃなかったの?
ちゅけが入学後、即休学して1年間やりたいこととはアルバイト、被災地ボランティア、国内・国外を旅する、英語の勉強をするなどなど。いわゆる「自分探し」は良いと思ったんだけど。

みんなに聞くと、担任の先生も祖父も叔母も西魔女もそんなこと入学してやればいいじゃないと。Get on with it!
そうなんだけど、そうだとすれば父親としてのオレのぶれようはいったいなんだったのだろう?
子どもの気持ちに沿い、理解ある父親でいたかったのか。カウンセラーみたいだなあ。進路選択を子どもの意思に反して親が決めたために子どもがそれについてゆけず、ひきこもりになっちゃうような事例がたくさんあるんだ。
それとも、オレの学生時代の果たせなかったモラトリアム願望が投影されているのか。
西魔女:18歳はまだ自分の人生の選択をちゃんと判断できない。まだ子どもだ。親が判断してやることも必要なんだ。親のルールとして。
父性的だなあ。西魔女がそう言うとは思わなかったよ。
父性vs.母性。ふだんさんざん言っておきながら、自分の子どものこととなるとちゃんと与えられないんだ。
父性的に対応する不安感。もっと子どもを理解してあげたい。そう願ってしまうのはダメなのかなあ。
自分の父親が優しかったんだよ。しっかり見守ってくれていたし、今でも見守っている。
ちゅけを温かく見守るか。それはちゅけの意思・判断を尊重し、Yesと言うこと。
ちゅけを厳しく導くか。それはちゅけの意思・判断を排除し、Noと言うこと。
Acting outする行動に制限をかけるわけではない。巣立ちを躊躇する雛鳥を巣から追い出すこと。ライオンを崖から突き落とすこと。その根底には巣立つ若者を信頼しているから。本人はまだ自分を信頼できない。

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週末の函館は、親子の蜜月の時だったんだ。まわりから切り離された二人だけの世界。子どもの気持ちもよくわかる。自分の気持ちとシンクロしてしまう。
まだ、一歩を踏み出す、巣から離れる、大人になる自信なんかない。
という気持ちは、僕自身の大学の頃の体験と重なる。
自分も留年したかった。専門課程に入る自信なんかなかった。
まだ十分でない。こんな中途半端な自分が専門課程に入ってしまったら(大人になってしまったら)、取り返しのつかないことになる。まだまだ、自分はそんな価値がない。もうちょっと待ってよ。決心をつけるまで待ってよ。競泳の飛び込み台で躊躇するように。

客観的に考えれば、入学後即休学なんてありえないのかな。
隠れ浪人やってるやつは結構いるけどofficialではない。一応、授業料も払い在学している。わざと単位を取らないだけなんだ。

思春期の心の成長と自立。これは、俺の専門性の中心テーマのはずだろ。
人さまにはわかったフリして偉そうなことを言っておきながら、自分のことは全然ちゃんと判断できない。親子カプセルの中に入っちゃうんだよね。

彼は従順だ。パパがこうしろといえばそうする。だから自信がないんだ。反抗するためには自分の拠り所がいる。ちゅけはまだそれが育っていない。

ちゅけ、もう決心がついたか?
だってそうするしかないでしょ!?

そう来たかね、
まだ、自身の選択としての旅立ちじゃあないんだ。
もはや親が子どもの背中を押すしかない。

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臨床的教訓。
自信のない子は、親のinjunction(命令)にあえて逆らって自分の行動・価値観を作り出すことはできない。ひきこもりの親子関係。親の価値観の中に、どこかひきこもること(外に出ていかないこと)を許容するメッセージが隠されているのではないだろうか。

Sunday, March 11, 2012

父と息子の函館紀行(2)

ちゅけ、それはナイスだ!
オマエがそこまで深く考えていることを知って、父親は嬉しいよ。
ある意味、家族やまわりの人の想像を裏切ったな。でもそれは好ましい裏切りだ。
背伸びしていない、否定的ではない、オマエらしい選択肢だ。それならパパも応援するぞ。

函館キャンパス、良かったよな。
ひとつの学部のキャンパスとしては大したものだ。
自分の人生の2年半を、あそこに投影できるか?

北海道のお鮨は美味しかったね。
イクラやエビがとっても甘かったね。
ちゅけとふたりで美味しいものを食べながら、じっくり本音で話せたのは父親の至福の時なんだぞ。

でも、現実はオマエが想像している以上に厳しいかもしれない。
自由であることほど魅力的で、なおかつ恐ろしい選択肢はないんだ。
だって、今までは親のいうまま、先生のいうまま、社会の規範のいうまま、それらに従ってきたもんな。それらから決別し、自分の規範で行動するって難しいんだぞ。慣れれば楽しいのだけど、慣れていないと失敗して自己嫌悪のスパイラルにはまってしまう。
でも、ちゅけはその落とし穴にも気づいているんだよな。気づきながらも嵌ってしまう恐ろしさも一応わかっているみたいだし。
パパはちゅけを応援するぞ。
というか手取り足取りの応援はしない。
でも、遠くからしっかり見守っているからな。

ちゅけは思いっきりスケールの大きな人間になれ。
思いっきり、自分の人生を噛み締めて、楽しむんだぞ。
ちゅけはそれが出来る。

今晩はパパはもう寝るけど、明日のホテル朝食で、もう一度しっかり話そうな。

父と息子の函館紀行(1)

パパはなあ。
ちゅけと一緒だと何故か落ち着くんだ。なんかわからないけど、優しくなれる。
祐馬とは逆なんだ。一緒にいるとagitateされる。
祐馬とパパは同類だからエスカレーション。ちゅけとパパは異類だから相補的になる。

精神心理の専門家は結局自分の生き方を専門性に投影しているんだ。
アル中の専門家は、自分がアル中だし。
人格障害の研究者は、自分のパーソナリティを持て余している。
ひきこもりの専門家は、ひきこもり心性を持っている。
感情に焦点を当てるカウンセラーは、自分の感情を処理できないでいる。

私は青年期の自信獲得のプロセス、家族の力、異文化などの領域に自分の人生を投影しているんだろうね。
自信(自己肯定感)から、自分の生きる支えを得て来た。
だから、クライエントに向き合う時も、子どもたちに向き合う時も、その視点からチェックする。


ちゅけは自信なんてないよな。
祐馬はちゃんと自信を得ている。素晴らしいことだ!


でも、本当にそうなの?
自己肯定感がそんなに大切なの?それがないと息苦しくなるの?
まあそうだとは思うんだけど、ちゅけを見ていると、パパが気づかなかった何かを見せてくれる。祐馬からは自分の姿を見せてくれる。


ちゅけからは、自分の対極の姿を見せてくれる。
だから、パパにとって貴重なんだよ。
自己肯定感にこだわらなくても、生きてゆけるんだよな。


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羽田の出発ロビー。
日曜日午前のフライト情報は×が並んでいた。満席みたいだね。
隣の子を見ろよ。生物の受験参考書を広げている。ちゅけもああなる予定だったんだよな。
でも今日の荷物に参考書は入っていない。


ちゅけはマリちゃんと電話している。
ずいぶん長電話だなあ。マリちゃんは昔もしゃべり出すと止まらなかったから。
マリちゃんの存在は、ママが残してくれた宝物だよ。
もしママが生きていたら、きっとマリちゃんと思いっきり長電話のおしゃべりをして、同じことをやっていただろうね。


30年前。優子と付き合い始め、steadyになって間もなく紹介してくれた四人の親友のひとりがマリちゃん。
ESSのリカちゃんは福岡から飛んできて弔辞を詠んでくれた。その後、太宰府で優子の姿を投影することができた。
マリちゃんは国政研の仲間。偶然に同時期にイギリス留学して、ロンドンからCambridgeに遊びにいったよね。それ以来、ご無沙汰してたから「マリちゃん」のままだけど、今はC大法学部の教授。久しぶりに声を聞いたら昔のままのかん高い響きが懐かしかった。


マリ教授が仲間にX学部とY学部のことを聞いてくれるって。パンフや入試課に問い合わせても得られない本音情報だからありがたいぞ。
出来るだけ多くの情報を集めて、ちゅけが決めてごらん。パパの考えも、それらの情報源の中のたったひとつに過ぎないけどな。


あと、イスパのタミヤンとユカちゃんが優子の仲良し三人組だった。ユカちゃんは僕らの結婚式の受付係をやってくれた。振り袖姿がとても可愛かったなあ。今は子育てと仕事にがんばっている美人の中年おばさんだね。
タミヤンは偶然、僕の患者さんだった。優子の親友だなんて全然知らなかったよ。聡明でとても可愛い子だった。
でも優子が見せた彼氏の写真と先生がどう見ても同一人物らしく、クリニックに来なくなっちゃったよね。元気になったから来なくなったのなら良かったんだけど。
しばらくして、今はもうない皇居のほとりのホテルの一室で、自死を発見された。在学中だったっけ、卒後後だったっけ、よく覚えていないけど。
優子と一緒にお通夜に行ったね。お母様の涙が忘れられない。
次のデートでは、お酒が入った優子はタミヤンの喪失に泣きじゃくっていたね。一度思いっきり泣いて、その後はケロっとして触れなくなったけど。
やっぱ一番寂しいのはユカちゃんだよ。
学生時代の仲良し三人組。ひとりだけ残されちゃった。
でも、素敵なダンナさんとお子さんがいるから、そんなことは過ぎ去った感傷に過ぎないだろうけどね。

自分の思い通りにならない世界(3)

ちゅけは今、思いっきり幸せな選択肢を手中に収めていることを自分で分かってるのか?
受かった第二志望のY学部に進むか。
Y学部をけって、来年、第一志望のX学部を挑戦するか。
第二志望が保障されたからこそ、来年チャレンジの見通しが高まったんだ。でもそうするためには、保障を捨てなければならない。それは辛いよな。

大学をゲットするプロセス(受験勉強)は思いっきり辛い。ゲットした時(合格通知)は幸せだ。そして大学生活が始まればまた辛くなる。
仕事だって、結婚だって、人生だってそうなんだよ。
得るまでは辛く、
得た瞬間は至福の幸せだ。
しかし、得たものを維持するのは再び辛くなる。
今が一番幸せなはずなのに、なんでそんなに自信をなくして迷っているんだ!?

現状を肯定する力が大切なんだよ。
東大を卒業して、高級官僚や医者や弁護士になったって、
3高のステキなダンナと結婚して子どもに恵まれたって、
自分のことを不幸と思っている人をパパはたくさん知ってる。
その逆に貧乏だって、病気持ちだって、奥さんが死んじゃったって、
自分が幸せだと思ってる人もたくさんいるんだ。

そう考えれば、X学部、Y学部の入り口やそれに対する世間的な評価なんて些細なことなんだ。
昔とは違って、就職活動がそれによって左右されるなんてまずないぞ。卒業大学よりも人間性の中身で判断されるんだ。
それより、選択(入学)した後、どれだけ学生生活で自分を貫き通すかということの方がずっと大切なんだよ。入口をどこから入るかで迷うよりは、入ってからの中身で迷う方が良いんだ。

ちゅけは自分がまだ青いと思っているだろ?
大学を決めるという選択(自分の進路を決めちゃうこと)なんかまだできないと思っているんだろ。

ちゅけの年代では、自分の人生の選択に責任を持つって、かなりきついことだろう。
まわりの人が承認してくれて、自分で自分のことを承認する。
世間や友達レベルからみれば、全の迷っている選択肢(X学部かY学部か)はどちらも十分に承認されるレベルに達しているんだ。でも、大切なのは身近な人、つまり父親と母親の眼差しが一番だよな。親の達成レベルと比較しちゃうんだと思う、どうしても。ちゅけ自身としては、そんなこと気にしてないよと言うだろうけど、結構深層心理ではそうなんだよな。
そういう意味では第一志望のX学部は多分文句ないだろう。でも、今回受かったY学部だと微妙かなと感じるんだろ?
でも、パパ的にはそうは思わないぞ。X学部でもY学部でも、親の期待値に十分すぎるぐらい達成しているんだぞ。パパの医学部とか、おじいちゃんの東大とかと比較する必要なんかないんだ。ぜんぜん時代が違うだろ!
あとは、自分自身で当初設定した期待値との折り合いなんだ。X学部の8割掛けのY学部だと、80%の自分に自己修正しなくちゃいけないんだ。80%の自分を認めることができれば、上出来じゃないか!
あとは自分との戦いなんだ。プライドの設定値を自己修正できたら、大人になれるんだぞ。
ちゅけはまだ大人になりたくないか?
ちゅけは大人になってよいと、パパは考えているぞ。

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パパもそういうことがあったんだ。
大学の2年生から3年生に進むとき、担任の教授に留年したいと相談したんだ。
当時、パパはアメフト部ばかりやっていて大学の勉強についていけてなかった。
今から考えると、アメフトやってなくたって多分ついていけなかったと思うんだけど。
このままの状態で専門科目に入っていくのはヤバい。
留年して、しっかり勉強して、自分を納得させてから先に進みたいと思ったんだ。
先に進むこと(大人になっちゃうこと)が怖かったんだよね。
でも、教授は「おまえそんなバカなこと言うな!」と一蹴されてしまった。
大人になって当時を振り返ればバカだったことはよくわかるけど、21歳のパパはいくら考えてもバカだとは思えなかったからね。親の承認とかそんなことは関係ない。自分で自分のことを納得させられるかってことなんだよな。
その迷いは仕方がないんだ。ちゅけの年代は自信も持てないし、迷うしかないんだよ。

Friday, March 9, 2012

自分の思い通りにならない世界(2)、、、となるはずが、、、

ちゅけは入試で苦労している。
ふたつの滑り止め。A校は受かり、B校は落ちた。
さて、本番のC校。
ひとり旅だな。当日の弁当はホテルに作ってもらったか?
ううん、コンビニでおにぎり買った。
夜はいったい何食べたんだ?
一日目はそば、二日目は焼きカレー、三日目は夜は食べなかった。昼は食ったから。
おまえ、そんなもんしか食ってないのかよ。
オレ一日二食で間に合うから。

ふたりとも、どうしようもならない現実、親が守ってくれない現実。自分の願いを妥協して取り下げないとならない世界を体験をしている。
その体験をすること自体、パパは支えてあげるからな!

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と、ここまで下書きしていたんだけど。

C校受験から戻って来た晩、結果の様子を聞くのも躊躇された。
これで終わったよ。浪人だ。
そうか。まあ一浪は認めるぞ。二浪はないけどな。

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今日が合格発表の日。
何時からネットに出るんだ?結果がわかったら教えろよ?
どうせオレ昼間は図書館だから見れないよ。見る必要もないし。

夜、帰宅して、メシ食って、風呂から出てきたら、、、
オレ、受かってたよ。
落ちたことを確認するためにパソコンつけたのに、、、
えっ、なにっ、うそ!、、すごいじゃん!?
でもオレ、全然自信ないよ。これくらいの勉強で受かって良いはずないじゃん!
それに、むこうでうまくやっていく自信ないもん。だって生活力ゼロじゃん。
オレ、浪人してもいい?
そりゃ、まあ、良いけど。自分でよ~く考えてごらん。
このまま現役でY学部に入学する選択肢もあるし、浪人してX学部をねらう選択肢だってあると思うよ。オマエの人生選択だからなな。

ちゅけはC大に行きたいってのは、秋に学校見学に行くときからずっと言ってたもんな。
でも希望するX学部はまず無理、模試でもE判定だったから、どうしてもC大行きたいのなら、今年は一段落としてY学部をとりあえず試して、来年に備えるか。そこだってD判定だったからな。

だから、まさかC大Y学部に受かるとは誰も思っていなかった。というか本人がそう思っていないのだから、まわりだってそうは思えないよ。

だからな、ちゅけ。ここで気持ちを入れ替えるんだ。オマエは自分で思っているほど悪くはない。自信を持っても良いんだよ。第一志望の高校受かった時に獲得したかと思ったけど、オマエの性格はそうじゃないんだよな。肥しとなる成功体験がライフサイクルに沿って何度も必要なんだ。
祐馬とは違う。祐馬はプラス思考のクセがあるからチャレンジする余裕を持てるんだ。

・Y学部よりX学部の方が偏差値も高いし良さそうだから浪人する。
・まだひとり暮らしと大学生活の自信がないから浪人する。
・浪人したら堕落するかもしれないから、現役で入っちゃう。
、、、ってのは自信のないマイナス思考なんだよ。

まず、X学部とY学部、オマエがやりたい勉強・仕事のイメージはどっちなんだ?それが
・X学部なら、もう一年がんばって勉強してみろ。
・Y学部でも可能ならそれでいいじゃないか。X学部の方が偏差値が高いとか選択肢が広いってのは関係ない。成長するってことは選択肢を狭めていくことなんだ。生活力だって、ぶっつけ本番で獲得できるはずだぞ。
、、、ってのが自信のあるプラス思考だよ。

入学手続きのリミットは来週だ。そう長くは待てない。
この週末に函館に行ってよく考えてごらん。パパも一緒に行くぞ。

Thursday, March 8, 2012

自分の思い通りにならない世界

パパ、オーストラリア行っても良いでしょ?
うん、いいよ。
いつから、いつまで?
都合が悪くなければいつでもいいよ。でも祐馬の貯金で行きな。
えーっ、だってパパ、第一志望受かったら出してくれるって言ったじゃん。
そんなこと言ったっけ、、、?
言ったか。
でもオーストラリアに行くってとても高いんだぞ。じゃあ、半分はパパがだしてやるから、あとの半分は自分で出しなさい。
そんな、ひどいじゃん。
パパはそう言ったかもしれないけど、、、それじゃあ、その部分についてはゴメン。パパが悪かった。でも、半分は出しなさい。
そんなのひどいよ。祐馬、怒ってるんだから。
そういう言い方が気に入らない。パパに出してもらいたいのならパパの言うことを聞きなさい!
ひどい!!

とケンカ別れで寝ていった。

こういうの、どこかでも経験があるんだよな。パパの大学時代とおじいちゃん。
翌朝。
祐馬おはよう!
どう昨晩の続きが展開するか、待っていたら、

祐馬、昨日の夜言ったことほとんど覚えていないんだ!

覚えてないはずないだろ。なるほど、そうやってリセットしてくるわけね。まあそれも良いでしょう。パパと折り合うための祐馬なりの打開策だね。

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ね。パパこうやってちゃんと記録してるでしょ。
パパにとって、祐馬との会話はとても貴重なんだよ。

こうやって振り返ってみても、確かにパパの言うことは理不尽だよな。わけ分かんないよな。
祐馬の方がよっぽど理屈はとおっている。
でも、パパの立場もあるんだ。
受験の前は、もうなんだってしてやるよくらいの勢いだったけどね。
受かって有頂天になって、落ち着いたら気持ちが変わっちゃうんだ。気持ちが変わると約束ごとも変わっちゃう。正直、裏切りだよね。
でも、そんなこと世の中にはいくらだってあるんだ。
でも、パパは根底では祐馬のこと絶対に裏切らないよ。


自分の思い通りにならない現実。
パパはもうキミたちを守ってあげられないんだ。
というか、逆に意固地なパパは守るどころが祐馬の思いを邪魔してるもんな。
パパがこんなこと言わなくても、祐馬はホントはわかってるよな。わかっているけど甘えているだけだよね。
パパだって子どもたちに甘えているんだよ。
祐馬は、ねえパパどうにかしてよと祐馬の思いを押し通し、
パパも、ねえゆまどうにかしてよとパパの思いを押し通そうとする。
で、お互いの思いがぶつかって、ケンカになるんだ。
パパが折れることもできるよ。
でも祐馬のためを思って折れないんだ。
祐馬も取り下げなくてもいいよ。
でも、どこかでお互いの妥協点を見出さなくちゃね。
それが大事なんだよ。

ね。やっぱりパパはこうっやって恩着せがましいでしょ!?

Saturday, March 3, 2012

3年2ヶ月

めっちゃ忙しかった。
というより、ひとりの患者の危機感に突き動かされ、翻弄された。
そんなの初心者じゃない!
ブレるクライエントのために、岩のようにどっしり構え、決してブレないのがセラピストの役割なんじゃないの?
そう。ブレを抑え、クールなペースを保とうと思えばできないことはない。クライエントから距離を置けばいいのだ。熱さとクールさを兼ね備えるのがプロだろ?

でも、ブレちゃった。
こうやってブレている自分を認めれば、ブレつつもブレていないことを意味するわけ?
クライエントのブレは、3年前のオレ自身のブレに繋がる。
ブレても大丈夫。そりゃあ辛いよ。ブレても、辛くても、生きながらえることは可能なんだ。
平常心を失った平常に耐えるしかない。
辛くたって構わない。

今日は桃の節句。
おばあちゃんがちらし寿司を作ろうとしたのに、主役の祐馬はえっちゃんちへお泊まり。月末にはだいちゃんちに行くんだろ?
子どもたちは離れていく。それは嬉しいことだろ!?
寂しいことのはずはない。
構わんさ。ちらし寿司は一日ずらして明日おばあちゃんにお願いしよう。オレははまぐりのお吸い物を作ろう。あと、イワシと梅の煮物もね。
明日はゆっくり休もう。

Friday, March 2, 2012

久々の多摩サイ

半年ぶりか、それ以上か。
月に1−2度、元の職場には出向いていたが、チャリで行くのは久しぶり。気候も良くなってきたし、ロード・バイクに油を注してタイヤに空気を入れて。道中パンクはせーへんかった。
広尾往復に比べると、32km×2=64kmは乗りがいがある。でも優子はもう出てこない。出てくるのは今の仕事のことかな。頭の中は空っぽ。たいしたことは考えていない。


晩はさすがに筋肉疲労でだるい。念入りにストレッチして、普段より2時間早く寝た。
夢に優子が出てきた。

ふたりで映画を見てる。その内容は忘れてしまった。何かを付け焼き刃ではなく根本から治しましょうみたいな映画だったかな。
終わったら、次の回の人がものすごく入ってきた。
午前中の回で良かったね。こんなの序の口だったんだ。
さて、昼食でも食べようか。
行きしなに通った魚市場。優子の好きな場所。たくさんの新鮮な魚や乾物が並んでいる。
パスタ屋さんもあったよね。
いや、こっちのお魚の方がいい。
魚市場に隣接した食堂。ここで働いている人が使うようなシンプルな、コンクリート打ちっぱなしの濡れた床。メニューは煮付けの魚が4種類だけ。
優子はさっさと選び、僕はよくわからないから目の前にある魚を頼んだ。
店の人が、お茶碗をください。ここは普段使っているお茶碗を持ってくるんですよ。
えっ、済みません。ここに来るの初めてなもので。
ああ、しかたがないみたいな顔の店の人。