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Sunday, June 16, 2013

人の喪を使うな!

それほど近しくはない、年賀状をやりとりする程度の仕事関係の人から「遺作展」の案内が来た。
えっ、奥さん亡くなったんだ!ずっと前に一度お会いしただけの人。ダンナとも何度か会ったけど、それほど親しい間柄でもない。きっと年賀状発送リストから送ってきたのだろう。

訪ねようか迷う。
でも、「私も4年前に妻を、、、」とは言うまい。

優子を失った時、けっこうそういう人がいた。
「私も〇年前に私の〇を亡くしたんです。」
だから、あなたの気持ちもよくわかります、、、
と続くのだろう。
どうもありがとう、私の気持ちをわかってくれて。
その時は感謝してたけど、後々に振り返れば違和感がないわけでもない。
人の喪を借りて、自分の喪の作業をしているんでしょ!

でも、出掛けることにした。
以前患者さんを紹介してくれたこともあるので、営業活動の一環でもある。

しばらくぶりにお会いしたら、名乗るまでもなく私の顔を覚えていてくれた。

奥さまがなくなり、お手紙を書いていたのですが、途中で書けずにやめてしまいました。

それはどうもありがとうございます。

いつも年賀状楽しく拝見しています。
私も一年たち元気にやっています。先生も はもう大丈夫ですよね?

そりゃあ大丈夫だけど、そんなことどうでもいいんですよ。
とは言えず、
「お互い頑張りましょう。」
としか言えなかった。

奥さんが亡くなったのは一年前だって。
会場には奥さんの写真が1枚あるだけ。他には説明もなにもない。
こういう手もあるな。
それまでは広く知らせず、一年後に広める。

私は一気に全部やっちゃったけど。

きっとそれで良いんですよ。

天童 荒太の「悼む人」なかもその典型じゃない!
お互いに喪をシェアすれば良いんですよ。