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Wednesday, January 21, 2009

思い出を語り合う

優子、おはよう。
4時間半だな。昨日は多摩サイ往復したから、身体はクタクタに疲れたけど、やっぱり目は覚めてしまう。
昨日は大寒。気温は低かったけど、優子風はそうでもなかったから、走りやすかったよ。加減して吹いてくれたのか、それともサボって来なかったの?ちゃんと来いよ。

昨日も、がんばりすぎちゃったよ。
授業で優子を失った僕自身の体験を話して聞かせたんだ。「家族の死」は重要なテーマだから、以前はわざわざゲストスピーカーを呼んで話してもらったこともあったのだけど、今回は、教員が正にそれを体験したから、ちょうどよかったわけだけど。
2-3人、居眠りしていた学生もいたけど、みんな真剣に聞き、涙を流してくれていた。僕は、思ったほど泣けなかった。優子のことを話す前に、先週のテーマ「家族の誕生」の続きで、出産を立ち会った夫の話をしたんだ。15年前、僕が優子のお産に立会い、はじめて父親になったときの体験。
陣痛が始まり、待ち切れずに病院に行ったものの、なかなか子宮口が開かず、痛い、痛いと苦しんでいた優子。分娩室でいきみたくなる陣痛をこらえ、一緒に「ヒーッ、ヒーッ、ハーッ」と呼吸した体験。生まれ、おギャーと言った時の安ど感。優子がお産の後処理をしている間、となりの部屋でベビーウォーマーに入っている、名もない長男を見ながら、「私はこの子の父親になるんだ!!」と自分自身、肝に銘じていたシーンなど。
この話をして、泣く予定ではなかったのだけど、なぜか涙があふれてきて止まらなかったよ。しばらく、しゃべれなくなっちゃった。そこで、今日の涙の規定量を使っちゃったから、その後の優子の話では、泣かずに落ち着いて話せたみたい。

記憶を肝に銘じた体験は、僕自身、何度かあるんだ。
小学校の入学式。それまで、いろんな記憶を思い出せず忘れちゃうのが幼いながらくやしくて、このシーンは絶対、覚えているぞ、と自分自身に銘じたのが、小学校の校門をくぐり、母の手に引かれ教室に入るまでの校庭でのシーンなんだ。ちょうど、優子とじんじんの入学写真をパネルにしてもらったのだけど、あのシーンだよね。それは、今でも鮮明に覚えている。
もうひとつが、長男のお産のシーンなんだ。なぜか、二人目、三人目の記憶は鮮明でないのだけど。父親になるというtransitionは、僕にとってとても大きかった。
他には、どんなシーンがあったかな。
今回の、優子を失った出来事のうち、どのシーンが僕の記憶にずっと後まで残るんだろう?できれば、失いたくない。でも、ゆっくり色あせていかなくちゃいけないんだ。優子の記憶を手放していくのは辛いけど。

絵本わすれられないおくりものの中で、アナグマの死を悲しむ仲間たちが、アナグマがくれた思い出をみんなで語り合うんだ。それをアナグマが聞いていてくれることで、悲しみが消えていくんだ。
これは、良いかもしれない。僕の持っている優子の思い出を、僕自身が語りたいし、それを子どもたちに残してあげたい。彼らが成長する中で、優子がそばにいてあげられるようにね。20年前の結婚式のビデオ、まだ見れるかなあ?まだ、一度も見たことないんだけど...

1 comment:

  1. Tikiはすごい人ですね。もう授業で取り上げたんだ。
    学生はさぞ、貴重な体験をしたことでしょう。
    (でも若い子は先生がどれだけつらいか、わかったかな。見た目の何百万倍もつらいはずよね)
    頑張り過ぎて倒れないでくださいね。。。。

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