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Sunday, January 29, 2012

存在の基盤と、存在の価値

もう、いい加減ブログやめたっていいじゃん。
3年経ったし、もう痛くはない。喪の仕事は大方済ませたし、もう大丈夫。
優子のことがあーだこーだ言わなくたって良い。もういいかげん作ってるでしょ!?
ブログを読んでくれる人のため?
そりゃそうだ。ありがとうございます。みなさんに救われました。
でも、読者のために書いている訳じゃない。自分のために書いているんだ。
伝えるものがなければ、終了したっていいじゃん。すでにたくさんのITメディアがあるし。表のblogやtwitterやfacebookに移行するとか。
でもここは僕の喪失から始まった、僕のアイデンティティ再建の場。つまり僕のアイデンティティそのもの。辞めるわけにはいかない。

自分が弱いってことが大切なんだよね。弱さを抱えている。その弱さを出せる場がここ。
弱さに向き合って、ホントの自分になれる。
普段、私は強さを求められる。父親として、先生として。僕に頼る人もたくさんいる。そういう人の前では強く頼れる自分でなくてはならない。そんなことばかりやってまわりからおだてられてると、自分はホントに強いんだなんて思い込んでしまう。

強い人間なんて魅力ないじゃん。
オレは先生なんかじゃない。
いや、「先生」なんですけど。
自分の弱さにいつも向き合うことで、他者の弱さを受け入れることができる。
弱さと強さ。どっちもホントの自分なんでしょね。


自分を受け止めてくれていた優子を突然亡くしたとき、自分の半分がなくなり、自分の存在が危機に陥った。
そればかり言ってるね。そんな大げさな!
いや、そうでもないよ。妻の後を追う人もけっこういるし。
自分を受け止めてくれる人が必要だった。ブログに自分を出し、それを受け止めてもらった。

優子に自分を出していたかなあ?自分では自覚してなかったけど、実はバンバン出していたんだろうね、振り返ってみると。
自分は弱かった。他者を必要とした。
他者がいて初めて自分が成り立った。
そんな当たり前のこと、人生50年やって、やっと気づいたわけ?
そうなんですよ。
こども時代は家族に生まれ、親が自分の存在を受け止めてくれた。
おとな時代に優子と家族になってからは、優子が自分の存在を受け止めてくれた。
受け止める他者が当たり前にいたから、その大切さに気づかなかったんです。


自分の存在の基盤をつくるために、他者を必要とする。
能動的に人に向かっていく。
それは弱さvulnerabilityからスタートする。
自分の存在の価値・意味をつくるために、他者から必要とされることを必要とする。
向かってくる人を受け止める(受動性)。
それは強さcapabilityを基盤にしている。

弱い子ども時代は存在価値なんていらない。存在の基盤が必要だ。
大人になるためには強さと存在価値が必要だ。そのために他者が必要になる。

他者から必要とされる喜び。
こっちはOKなんですよ。
3人の子どもたちがいる。まあ、あと10年くらいは必要とされるだろうし。
精神科医の私を必要とする人もいる。
大学やめて医者専業になったのも、この辺りがホントのところなのかな。学生たちは教授を必要としてたけど、単位をもらうためでしょ。そんなに必死じゃなかったし、多くの教授陣のひとりに過ぎなかった。心の危機に陥った人たちは、学生たちより強烈に私を必要とする。患者さんたちからも、生きがいを得ているんですよ。

優子が私を必要としていたかって、そりゃあ生活のため、子どもたちのために必要としていただろうけど、そうでもなかったんじゃない?
私が優子を必要としていた方が、優子が私を必要としていた方より強かった?
私が優子を必要としていることが、優子にとって私を必要とする根拠だったんじゃない?
少なくとも僕にとって優子を愛することの方が、優子から愛されることより重要だった。
優子から愛して欲しいというよりは、僕の愛を受け止めて欲しかったんじゃないかな。

愛すること(求めること)が自分の基盤を作り、
愛されること(求められること)が自分の生き甲斐を作る。

僕は生き甲斐はちゃんとキープしたまま、基盤を失っちゃったんですよ。
さあ、これからどうする?
1)僕の弱さをさらけ出し、受け止めてくれる人がやっぱり必要なの?生きている限り、それは必要ですか?
2)なくてもやっていける?パートナーがいなくたって、十分基盤はあるでしょ。だって、世の中、ひとりで生きている人たくさんいるよ。慣れれば問題ないんですよ。
3)いや、問題あるけど、基盤を無くしたまま不安定さを内包していたほうが良いんじゃない?そんな、辛いことをおっしゃる!不安定の方がより人間くさいじゃない。その方が、wounded healer、心の支援者として役に立つよ。

Friday, January 27, 2012

May the Force be with you! (当日)

起こさずとも早く起きてきた。
いつもの弁当箱でいいか?
うん。
普段の鮭の切り身と卵焼きとカボチャの煮付けだ。
こんなに早く出るの?
早い方が良いじゃん。
ママの気をもらったか?
あっ、まだ。

電車はラッシュの前でそれほど混んではいない。さりげなく手袋の上から握っても、普段のように嫌がらず、されるままにしている。
ねえ、そうやって祐馬を緊張させようとしてるの?
May the force be with you!
って知ってる?スターウォーズのセリフだよ。
えっ、なにそれ?もう一度言って。
May the force be with you!

門の周りには係員らしき人々がたむろしている。
あれ、予備校の人たちだよ。
そうなんだ!パパは先生たちかと思っちゃった。
はい、保護者はここまでです。
(わかってるって。去年までそっち側やってたんだから)
じゃあ、がんばってね!
祐馬は振り向きもせず、廊下に消えていった。

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3時過ぎ。
ふらっと研究室にやってきた。
おう、もう終わったか!どうだった?
なんかさー、待っている間ずっとしゃべってた。みんなこの学校入る気まんまんなんだもん。祐馬は別に落ちてもいいしさ。
面接そんなに緊張しなかったよ。でも、あまりおなか減らなかったから弁当残した。
そっか。そりゃ良かった。
発表は掲示か?何時からだ?
9時。
じゃあ、一緒に見に行こうな。
今晩はしゃぶしゃぶとハンバーグとどっちがいい?
どっちもこないだ食べたばかりじゃん。祐馬、野菜とかでいい。あんまり食べる気しないもん。
じゃあ、鍋か、ポトフか、クスクスか何がいい?
なんでもいい。パパはやくそっち向いて仕事しなよ。

いつの間にか、ソファですやすや眠っている。
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パパ、ブログにウソ書かないでよ。
えっ、何が?
祐馬、落ちても良いなんて言ってないもん。それなら始めから受けるはずないじゃん。
落ちたこと考えたらヤダからあまりしゃべらなかったって言ったんだよ。
ああ、そうだっけ。じゃあブログ直しとこうか。
なんか、パパのブログなよなよしてる。もっとちゃんとしたこと書きなよ。
えっ、、、、
最近、祐馬がよく出てくるでしょ!?

Wednesday, January 25, 2012

猛チャージ(二日前)

ねえ、試験の日、パパ付いてくるの?
ちゅけの時は3年前、ひとりで行ったけど?
祐馬はパパに付いて来てほしいの?
なんかみんなそうするよ。祐馬もその方がエネルギーでるかなぁ。
まあ、それなら付いて来てやるけど!

あと二日。
しかし盛り上がるねえ。
もう良いんじゃないの、十分にやったし。
そこまで面接で言うことをきっちり考えちゃうと、本番でそれを言おうと必死になってかえって緊張しちゃうんだよ。
祐馬は緊張とかしないもん。アドリブとかできるんだよ。
なら、なおさらやらなくても大丈夫じゃんか!
パパもやることはたくさんあるんだよ。編集者3人くらいから原稿まだかまだかって怒られてるんだよ。ほんとは祐馬に小論文の問題作ったり添削したりしてる時間ないんだけどなあ。
祐馬は不安になると、周りの人を巻き込むんだよね。おばちゃんまで巻き込んで。
そのあたりもパパとタイプがよく似てるね。
模擬面接もたくさんやったから、もういいじゃん!

でもこうやって祐馬と過ごす時間は、パパにとっても貴重なんだよ。
べつにパパは怒られても良いから、祐馬に付き合ってあげるよ。

Thursday, January 19, 2012

幻聴

Tikiさん、年賀状ありがとうございます。
また優子さんが出てましたけど、いつまで出てくるんですか?うちのダンナが見てびっくりしてましたよ。

いつまでもしつこいって(笑)?
さあ、まあ私の気が済むまでかな。いつになるかわかりませんけど。

あれは、Tikiさんが作ってるの、それともホントに優子さんの声が聞こえてきて対話しているんですか?

そりゃあ作ってるんですけどね。
この対話はホントの対話ですよ。
どうもご心配ありがとう!

Tuesday, January 17, 2012

瀬戸内海で、いとこの家庭教師をやりながら免許を取った。
車を持つ持たないで、父親と対立し、和解した。
筑波山をドライブして、おもちゃの十手が投げ込まれた。
就職して、初めて買ったのは黒のファミリアだったな。新車の助手席に乗ったのは、優子は残念ながら2番目だったよ。
結婚して、義父が新車をプレゼントしてくれて。
ロンドン時代はぽんこつブルーバードを帰国する駐在員から安く譲り受け、大陸とスコットランドをふたりでドライブしたよな。
子どもたちが生まれて、ステーションワゴンにして、草津とスキーの往復に使った。その頃はマーチと二台使ってたもんな。
子どもたちが成長して、今のエスティマに買い替えた。良い車だったよ。7年間も使ってたもんな。でも、5万キロだって。
助手席の優子がいなくなり。
じゃんけんして助手席を争っていた子どもたちも、草津にあまり行かなくなり。
晴れてれば自転車を使うようになり。
職場が移動して近くなり。
もうあまり乗らなくなっちゃったんだよね。
いや、スキーや草津はまだ行くよ。でも、スキーは新幹線か飛行機になっちゃったし、草津はレール&レンタカーの方が楽だし。
東京の生活に車が必要かという問題ではなく、僕のidentityの一部だったんだ。
ディーラーを呼んで売っぱらい、駐車場が空の状態って30年前に逆戻りだ。
Identityの喪失。というよりは放出。
さっそくカーシェアリングを申し込もうと思ったけど、カレンダーをチェックしたら、1月はどう考えても使うときがないんだよね。2月から始めれば良いか。だって、車がない生活なんて心細くて。
でも、それが良いんじゃないの?
それを目指しているんじゃないの?
余計なものを削ぎ落したsimple life。Down shifting。
持つことより、持たないことの方が気持ちがよい。
別に、コストコに行かなくてもいいじゃん。
身軽になって、だんだんと山を降りて、高度を下げてゆける。

Monday, January 16, 2012

猛チャージ

それぞれの新聞記事を読み、次の設問に答えなさい。

  1. 東日本大震災の経験を踏まえ、桜島の地域の方々にあなたが考える防災対策を提言してください。(600字)
  2. 学校、家庭、地域など、あなたが障害を持った人と身近に関わることで、あなた自身はどんなことを得られるでしょうか(600字)
  3. 自殺対策について、あなたの考えを述べなさい。(600字)
  4. 筆者はなぜ同級生を懐かしいと思わないのに、心から自慢できると感じているのか。あなたが考える筆者の心情について述べなさい。(400字)
  5. ヒカル君は「言語訓練」という言葉をどのように捉えているのか説明せよ(200字)。また、あなた自身もしくはあなたのまわりの人の体験から、吃音についてあなたの考えを述べなさい(400字)。
  6. 子供に食肉作りの現場を見学させることについて、ア)筆者の考えを説明せよ。またイ)あなた自身の考えを、筆者の考えと対比させて述べよ(合わせて600字)。
  7. この文章にあるキツネの足跡の記述をもとに、あなたの想像力で彼らの生活パターンを推理せよ(400字)。

いくらパパでも、一度にこんなにたくさんの試験問題を作ったことはないぞ。
一旦思い込んだらとことん行っちゃうってとこは、なんか自分を見てるようで恥ずかしいんだけど。やっぱ、祐馬の性格はどうみてもパパ似だよ。
だってパパは今日ほとんど一日中、祐馬の小論文を添削して、新聞読んで、問題作ってたんだよ。そしたらあっという間に仕上げていくじゃん。なんだかんだ言いながらも、やっていて愉しそうだね。祐馬は得意だと思うよ。
もう来週だもんな。それが終わったら、こんどは何にはまるんだ?
ミスチルにはまって、英語にはまって、ダイビングにはまって、ダイちゃんにはまって。。。
まあ、パパも人のことは言えないんだけどね。
スキーとかテニスにはまったら、パパもつき合ってやるぞ。
近い将来、祐馬がはまった彼氏は大変だろうなあ。パパは彼氏と仲良くなれそうな気がするよ。

問い)あなたが「好きな言葉」を示し、その理由を述べなさい。
私の好きな言葉は「壁」。壁を壊したり、越えれば達成を味わえる。私の年代には壁を飛び越えたり、壊したりする勢いが必要だと思う。思い切って壊すのだ。そして自分の悩みや殻を破る力になればいいと思う。

ほらね。パパとそっくりだよ!!

Sunday, January 15, 2012

センター試験

今日、息子さん試験やろ。お父さんこんなとこ来てて良いの?◯◯さんは今日はやらんで朝から神社にお参りしてるってよ!
ほんとにやるんだ!!
お父さんがテニスしてたから落ちた言われたらどうする?
「......。」


仕事は仕方ないし、午前中のテニスはまだ良いとしても、なんでこんな時に飲みに行くの?高校の同級生と言ったって、いつものメンバーでしょ!?

そりゃ、断って早く帰ってきてもいいけど、別に変わらんでしょ!おばあちゃんが夕飯作ってくれるし、あいつは親かいようがいまいが変わらないよ。

あなたは全然わかってないわね。子どもは関係ないように見えてもホントはすごく心細いんだから。何もしなくても、居てあげるだけでいいのよ。試験でイヤな思いしたかも知れないじゃない!そういう時にはそばに誰かが居てあげた方が良いでしょ!

なに言ってんだよ、優子だって居ないくせに。

それ言わないで。私だって辛いんだから。
もう生きていられない。

だから死んでるって!
大丈夫だよ。ちゅけはもう18歳だぜ!優子が逝ってからずいぶん成長したんだよ。失敗したとしても、親に慰めてもらってどうするんだい!?親が関わったほうが、かえってプレッシャーになるんだよ。親の期待は充分感じてるはずだ。あいつの志望校選択をみてみろよ。あいつも大きくなりたいんだよ。それを大きな親がああだこうだ言わない方が良いんだよ。

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昨晩は相当酔っ払って帰ってきた。
帰ってからのことをあまり覚えていない。
朝起きて、髪の毛がサラサラだから、風呂も入ったのだろう。
ちゅけに、「どうだった?」とか聞いたような気もするけど、なんと答えたかよく覚えていない。

これを書いてたらちゅけが起きてきた。
今日は何時にいくんだ?
じゃあ、弁当作らなくちゃ。今日はカツだぞ!おばあちゃんに頼んで買ってあるから、これでカツ丼を作ろう。
あれっ、まずい!ご飯をセットするのを忘れてる。しかたない、急いでお鍋でご飯を炊こう。
ちょっと固くなっちゃったなあ。仕方ない。上にカツを乗っければふやけるかな。
今日、帰りは何時頃だ?

試験が終わるのは4時ごろだけど。そのあと新宿行くかも。

えっ、もう打ち上げするのか?

イヤフォン買う。

あっ、そっか。

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パパ、昨日のこと覚えてる?

う〜ん、あんまし覚えてないけど。

オレがパパに言ったこと覚えてないの?

う〜ん、何だっけ?
じん、大切なことならもう一度言ってよ。

月曜日の朝に、担任の先生から電話がかかってくるから。

えっ!何があったの?

だからあ、オレが友だちとふざけ合っていて、友だちのメガネが破損したの。

えっ、またかよ!?

Thursday, January 12, 2012

子どもたちの受験

ちゅけの英作文問題
1) Introduce yourself as if you are doing in front of the new classmates in a university.

祐馬の小論文問題
この新聞記事を読み、次の設問に答えなさい。
東日本大震災の経験を踏まえ、桜島の地域の方々にあなたが考える防災対策を提言してください。(600字)
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そうだよ。パパは去年までずっと入試問題を作ってきたんだから。

いよいよだね。ちゅけは2日後にセンター試験。祐馬の入試は二週間後。
パパに何かできることあるかな?
何もないよね。
子どもの一世一代のイベントに、親はどう関われるのだろう?
一緒に受験会場まで付き添うわけでもない。
受験宿に一緒に泊まるわけでもない。
せいぜい、お弁当を作るくらい?
「ちゅけ、弁当はどんなのが良い?」
「いつもどおりで良いよ。特別な変わったやつを食べて失敗したくないから。」
あっ、そうね。なるほど。

お百度参りとか意味のないことはやらないけど、親がordealを買って出る気持ちはわかったりしてしまう。
(お百度参りは日本の民間信仰で、神仏に祈願するために同一の社寺に百度参拝することである。百度参りは人に見られないように行うとか、裸足で行った方がより効果があるなどとも言われる。)

30年以上前、パパが大学受験の頃、おばあちゃんはちょうど体調を崩して寝込んでいたんだ。
受験本番の日、「お弁当、作れなくてごめんね。」
済まなそうに言われたことを覚えている。
いいよ、別に。適当に買ってくるから。
当時はコンビニ弁当なんてなかった時代だったけど、弁当なんてどこにでも売ってるし。パパはこれからの目の前で起きることに夢中・精一杯で、弁当のことも親のことも眼中になかった。つまり、どうでもよかった。弁当の中身と試験の出来具合は無関係だし。
(でも、このことを覚えているってことは、ホントはそうでもなかったのかもしれない)

不安感は、人と人をくっつけてしまう。

人のことは何とでも言えるんだよ。
親のエンジンから子ども自身のエンジンに付け替えましょう。
親は心配せずに見守っていましょう。
思春期精神科医とか言って、他人には偉そうなことを言いながら、自分自身の不安感はどうすることもできない。そわそわしちゃうんだよね。

祐馬、合格発表はネット、それとも見に行くの?
見に行く。
パパも一緒に行ってやろうか?
ううん、祐馬、ひとりの方が良い。でも、もし受かったら手続きのこととかあるし、どうしようかな〜。

3年前はたいへんだったよなあ。
パパはママを亡くした直後で自分のことで精一杯。ちゅけは高校受験だったけど、そのことを感じる余裕さえなかった。でも、合格発表は仕事の都合をつけて見に行ったよ。ママが亡くなってから、初めての喜びだった。

君たちのことは、心配していないよ。
祐馬の方は、まあ多分安心だし。
ちゅけの方は、開き直っている。

そっか。じゃあお弁当は普通のにしようね。
ふつうだと鮭の切り身とかだけど、土曜日の分、ちょっとグレードを上げてさわらの西京漬けを買ってきちゃった。
でも、パパは忙しいんだ。金曜の晩は仕事で遅いし、土曜の晩は高校の同級生と飲み会なんだ。ちゅけが入試の最中に、パパは飲み歩いていていい?
別に。メシが食えれば良いよ。
そんな、もともとパパがいても何もないし。

そうだよな。そんなことはパパも分かっているんだけど、ダメなんだよなあ。

じゃあ、君たちに問題つくってやろうか。
作文書いたら見てやるからな。
祐馬の模擬面接もやってやるよ。パパとふたりだとケンカになるから、りょうこおばちゃんにも立ち会ってもらってね。
パパは君たちに干渉している訳じゃないからね。
あくまで君たちが望んできたら、パパやってやるけど、
パパの方から言い出したりはしないから。

Wednesday, January 4, 2012

一年の計

って元旦にあるの?
もう過ぎちゃったけど。明日から仕事なんですけど。(あ、もう今日だ)
3年を終えても、どうってことない?
それとも、喪の期間が外れて軽くなった?
3年過ぎれば何やっても良いんじゃないの?
じゃあ、ぼちぼちおれの道を模索し始めようかな。
というか、もっと自然体で良いんじゃない?
なんか、今までいい子ぶりっこしていたでしょ!?
妻を亡くした自分を、この3年間演じていたんじゃないの?
そんなに優子が怖かったんだ?
そうじゃあないでしょ。誰が読んでいたっていいじゃない。自分は自分でしかないんだもの。もっと自由に生きなくちゃ。
なに、すでに十分自由に生きているって?
そうでもないと思うんですけど。
もういい加減に「妻を亡くした夫」ポジションから離脱してもいいんじゃないの?
というわけで、そろそろ喪の期間を終えて、本領を発揮します。
なんてことをイジイジこのブログに書いているようじゃあまだダメだね。
オレの道は、オレのものでしかない。優子は関係ない。
子どもたちのものではある。あと数年間はね。
いつダウンするかはわからない。いつでも大丈夫なように整えておかねば。
長期計画を立てる必要はない。でも短期計画だけ立てるわけじゃない。
いつ中座するかわからないけど(映画「エンディングノート」を観てそう思った)、見通しは遠くに置いたって構わないでしょ。
オレの命はオレのためにある。
オレの命は子どもたちのためにある。

Tuesday, January 3, 2012

3年目+新年会

かなり酔っ払っているので何を書くかわからないんですけど。

悲しみのエネルギーはかなり枯渇しました。
今日は昼に親族10人が集まり新年会。それに、優子の3年目。
あやうく忘れそうになったよ。
でも、もちろん覚えていた。優子の写真を持って来て、みんなで献杯したよ。

でも、僕はそれどころじゃないんだ。
80代のじじばばを筆頭に50代の子どもと10-20代の孫たち。
これが家族という枠組みなのね。自分の居場所"home base"だ。
このあと、夜はダイちゃんと涼子さん家族と合流するの?
忙しいなあ。優子と(ブログと)話しているヒマがないじゃないか!
それが良いんでしょ?それがお望みなんでしょう?
たった3年かあ。
でも、ずいぶん長い3年間だったなあ。
3年前は高校受験でちゅけが文化の森の図書館に通い、がんばっていた。
今は、ちゅけは大学受験。祐馬が高校受験。ふたりともがんばっているよ。
パパだって!?
そりゃあがんばっているさ。
なんて、君たちみたいな悲壮感はないけど。普通に、ゆっくり、がんばっているよ。
ぜんぜん平気だもん。
こうやって人に囲まれて。
自分ひとりだったら、絶対生きてゆけない。
でも、君たちがいる限り、愛する人がいる限り、優子なんていなくたって平気さ!
ぜんぜん問題ないよ。
(涙)

Sunday, January 1, 2012

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
今朝、届いた年賀状(+その後のも含め)から。

ブログ時々見ています。
時々ブログ拝読しています。
時々ブログ拝見しています。
ブログなどいつも見ています。さすがは先生です!!
ブログも最近は身構えずに読めるようになって来ました(笑)
いつもブログに癒されております。ありがとう!
ブログ(優子さん&お仕事)両方に時々おじゃましております。

結構みんな読んでくれているんですね。感謝!
私にとってここはみんなが見守る中で自己の存在を確認できる大切な場です。

今日はまず下に降りてゆき、おじいちゃん・おばあちゃんにご挨拶。子どもたちはお年玉をゲット。
お雑煮の朝食で、パパからもゲット。
お墓参りで優子に挨拶。そそくさと済ませようとしたら「遊び過ぎや!」と怒られた。
その後、生田のばーばの家に寄ってファミレスで遅い昼食。おばあちゃんからさらにゲット。子どもたちはずいぶん儲かったな。

朝、車を動かそうとしたらバッテーリーが上がっちゃってる。最近、車乗らなくなったからなあ。ひと月くらいエンジン動かしてなかったかも。至急JAFを呼んでしのいだけど。子どもたちも成長し、職場も近くなったので、車を使う頻度がぐんと減った。もうこのでかいRVは売っぱらって、最近はやりのカーシェアリングなんかに変えた方が経済的にもエコ的にも良いのかもしれない。ライフスタイルは変化していきますねえ。

で、まだ年賀状を書いていない!
暮れは慌ただしかったからなあ。
明日は本門寺に初詣にいくくらいで何も予定がないから、年賀状、一気に書いちゃうかな。

普通の簡単なやつでいいじゃん!?

まあ、そりゃそうなんだけど、せっかく毎年続けている伝統は守りたいからね。でも、あんなに情報開示しちゃって良いのかね。アメリカの友人からは一年間の様子を事細かく書いたChristmas Cardなんかよくもらうけど。とおり一遍の名刺代わりみたいな年賀状なら出さなくても良いかなと思ってるくらいだから。

というわけで、年賀状の下書き。
2012年正月
優子は天国に来てからもうすぐ3年になります。私がいなくても子どもたちと夫はなんとかやれているのを見下ろすのは嬉しくもあり、ちょっぴり寂しいかもしれません。でも、地上には存在していないのだから、いい加減にこの年賀状から外して欲しいのだけど、夫の頑固さは困ったものです。

じんは中1。部活には入らずに、毎週土日は地域の体操クラブへ。かなり腕っ節が強くなりました。年の離れた兄とはゲーム・音楽・本などの趣味が合うけど、姉とはケンカばかり。

祐馬は中3。夏期講習に行ってみたものの今ひとつ合わず、2学期は自力でペースを作りました。夏には久米島でダイビング・ライセンスの更新。

ちゅけは高3。バレー班の班長を6月で引退後、体重増加を意識しつつ図書館を活用して受験勉強。高い目標を設定したために苦戦中。今から浪人覚悟なんて言うな!

Tikiは3月に19年間務めた大学を退職、5月から広尾に精神科クリニックを開設。思春期、ひきこもり、家族、男性、支援者支援(スーパーヴィジョン)、Bilingual Counselingなどのキーワードでの質の高い自由診療。「エグゼクティブな」というキャッチコピーは今イチでしたなあ。開設後1年くらいは閑古鳥を飼っていられると思いきや、嬉しい悲鳴というほどではないけど、想定以上の忙しさ。宮仕えを辞してdown shiftingしたはずなのに、忙しさ感はあまり変わりません。というか、私自身の質として無意識のうちに忙しくなっちゃうのでしょ、きっと。

社会を震がいさせた大災害は、私個人の生き方をどう変えたんだろう?とりあえず震災直後に1週間、陸前高田に入ったものの、その後継続して関われなかった。危機は凝集性を高める。大規模な社会レベルの被災に触れることで、自分自身の個人レベルの被災と共振れさせたかったのかもしれない。

海外は3月にオランダでIFTA、6月にBaltimoreでAFTA、年末のフィリピンくらいだったなあ。研究という名目の海外気晴らし旅行もこれからは少なくなっていくのか。でもそれが私のやりたい仕事(遊び)なら敢えて続けようかな。

スキーは1月の八方尾根と2月の志賀高原。
チャリは小金井に行く機会が減ったので、多摩サイでのロード・バイクの出番が減った。広尾用にビアンキのクロス・バイクでも買おうかな。
土曜日午前中のテニスサークルは、仕事で抜けることが多くなり残念。
(下書き終わり)

教え子たちの年賀状を見るのが愉しい。
いつのまにか姓が変わっていたり、イケメンの旦那とのツーショットや、子どもの写真など。彼女たちの1年は長いから。

研究室にそのうちお邪魔させてください。
いつの日か新しいTiki研究室を訪ねたいです。
先生のクリニックにお邪魔したいです。

どうぞ、どうぞ。
遊びにおいで!!