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Wednesday, March 31, 2010

千鳥が淵の桜

職場を早めに抜け出した。
お花見はあまり気乗りがしない。
桜は新たなスタート。
大学にも、もうすぐピッカピカの新入生たちが入ってくる。

季節はまた 変わるのに
心だけ 立ち止まったまま
(プリプリ⇒徳永英明「M」)

九段下で降りて、北の丸公園へ。
九段下駅もずいぶん変わったなあ。昔は東西線だけの小さな駅だったけど、今は3つの路線が交差する複雑な駅になっちゃった。
前に進むのは辛いけど、過去ならいくらでも振り返られるぞ。
高校時代は、よく授業を抜け出してこの公園に来たもんだ。(高校はふつう授業サボらないはずなんだけど、サボっていたんだっけ?)
千鳥が淵のボートに乗ったり、体育の授業では皇居一周があたりまえだった。
武道館から右手に折れ、千鳥が淵を見下ろす石垣の上の小道はデートコースに最適。密かに好きだった女の子を誘って、このルートで散歩して、このベンチで座って、、、何度も頭の中でシミュレーションしたけど、果たすことのなかった淡い思い出が広がる。声をかける勇気も自信もなかったもの!

今晩は高校のクラス会。友人のひとりが経営するレトロなレストランがいつもの集合場所だ。40歳を過ぎ、メーリングリストを作ってから、年に1-2回こうしてプチ・クラス会を開いている。でも、その彼女は来なかった。

高校時代、いったい自分が何者で、何になりたいのかもさっぱりわからなかった。
でも、交換留学の夢が叶い、大学もどうにか受かり、世の中は僕を肯定してくれたんだ。自分を肯定するには有利な人生のスタートだった。その後も、就職・結婚・子どもたち・・・。細かいところでは傷つき、失敗しても、大きな挫折のない順調な人生だった。

それが、ここに来て、大きな挫折を味わうなんて!
失敗じゃない、単純に失っただけだ。
今まで、こんなにたくさんのものを得てきたんだ。
ひとつぐらい、失ってもいいじゃないか!?
焦って取り戻そうとする必要はない。
しかし、よりによって一番大切なものを失うなんて。
いや、失ったから一番大切だと思っているだけなのかもしれない。
他にもあるだろう?
子どもたち
もし彼らを失ったら、僕は生きていけない。

Sunday, March 28, 2010

息子たちとの休日

今朝、祐馬から国際電話。
着いたよ~
よかった、よかった!!
あとは、Ryokoさん、よろしくね!

今日はラッキー。
ちゅけは春休み唯一の班活が休みの日。
じんの体操教室も休み。
僕はゴルフの練習以外は予定が入っていない。
さあ、君たち、今日は何をしたい?
映画!!
いいよ。何を見るか2人で相談しなさい。
ちゅけはシャーロック・ホームズ。
じんはダレン・シャン。
ふたりとも譲らない。
じゃあ、別々のをひとりで見れるか?
じん)うん。
川崎ラゾーナのシネコンに行く。
パパは出口のところで待ってるから、ふたり、行ってきなさい!
と、スタバで2時間原稿書き。ひとりの喫茶店が一番集中できる至福の時。

昼ごはんはピザ。
おまえら、なにか買いたいものはあるか?
ちゅけ)カバンが欲しい。
どんなカバンだ?
遊びに使うような、ちゃらいやつ。
なんだそれ?わかんないけど、いろんなお店見て回ろう。
じん)おれ、チャラチャラいろんなお店行くのやなんだよな。
その気持ち、よくわかるよ。欲しいものだけ買ったらすぐ帰ろうね。
ロフトで気に入った肩掛けカバンが見つかり、スーパーで夕食のトンカツを買って帰った。

明日は、3人で焼き肉食いに行こうか?祐馬がいるとヤダとか言うからね。
じん)うん、行こう、行こう!!

日常性が失われ、特別な日になると、日記・ブログに記録する。
小学生の頃、お正月になると日記帳を付け始めるが、たいてい成人の日までもたなかった。
高校留学中は結構日記をつけていた。
優子を失い、このブログを始めた。
祐馬がいない一週間はブログつけることになるかな。
でも、明日からの仕事はまた忙しくなりそうだ。

このブログを終わりにできるのは、いつだろう?

Saturday, March 27, 2010

祐馬の旅立ち

Ryokoは、優子と僕の学生時代JASC仲間。優子と僕の付き合いをずっと見守ってきた。確か結婚式二次会の司会もやってくれたんだよな。
就職・結婚と、それぞれの道を進み始めてからは、そんなに会う機会もなかったけど、15年前に新居ができたhouse warming partyにもまだ赤ちゃんだった息子君とダンナと一緒に来てくれた。昨年10月に一時帰国した際にはダンナのダイちゃんと2人で来てくれて、ついでにJASCの仲間にも声をかけ、小さな優子partyをした。子どもたちも結構みんなの輪に入ってたよ(ブログ:2009年10月20日house warming)。

Ryoko & David) 今度、皆でオーストリアおいでよ?
息子たちは、「そうだね。」で終わったけど、祐馬は、
行きた~い!
パパは行けないけど、祐馬ひとりでいくか?
うん!
まあ祐馬の気が変わるかもしれないから、もうちょっと様子をみよう。
とか言って、パパはそのうち忘れて、ごまかしちゃうんでしょ!?

年が明け、予定していた春休みが近づいても、祐馬からオーストラリアの話題は出て来ない。
ゆま、どうする?
う~ん、行きたいけど、いろいろ心配になってきちゃった。飛行機ひとりで乗るのとか、英語とか。
そうだよ。英語、勉強しないと。税関通る時も、英語でいろいろ質問されるんだよ。
祐馬、わかんない。パパ決めて!
パパは中学3年生くらいから、アメリカにあこがれて、すっごく行ってみたかったんだ。高校になってその夢が叶い、一年間アメリカで生活して、その後の人生が強く方向づけられたんだ。だから、子どもたちにもいろんな体験してもらいたいんだ。
だって、祐馬まだ中1だよ!
まあ、そうだよね。パパが中1のときは、そんなこと考えてなかったね。でも、行ってごらんよ。Ryokoさん一家がいるから全然安心だよ。
じゃあ、楽しそうだから行く!

今日が、出発の日。
パパからRyokoさんとダイちゃんにおみやげ買おうと思うんだけど、何が良いかなあ。
宝石か、洋服か、しゃれた文房具とか?
パパ、ぜんぜん女の人のことわかってないわね。
宝石はダンナさんが買ってくれるし、洋服は男の人になんか選んで欲しくないし。
文房具とかでいいよ。
あっそう。わかった。

空港でチェックインを済ませ、2人で搭乗前の軽い夕食。
パパの時は高校生まで海外はおろか飛行機にも乗ったことなかったし、外国に初めて行ったときはすっごく嬉しかったし、ドキドキだったよ。祐馬、ドキドキしてる?
ううん、ぜんぜん。ゆま、何度も外国行ってるもん!ひとりは初めてだけど。
そうだよな。パパは行きたくて、行きたくて、努力したけど、祐馬は親から自然に与えられちゃっているんだよね。
パパ、祐馬がいなくてせいせいするでしょ!
そうじゃあなくて。おうちが静かになるのと、カイ君の世話が大変なのと、寂しくなることかな?

食事を済ませ、両替をして「子どもひとり旅サービス」のラウンジに集合する。さあ、いよいよ出発だ!
それまでの祐馬の笑顔がちょっと真顔になる。
やっぱ、最後になるとちょっと、、、だね?
えっ、、、あっ、、、そうだね?
一週間すればすぐ会えるし。
いよいよ、お別れ。
じゃあね、パパ帰り道、気をつけてね?
パパの手を握り、ぎゅっとハグしてくれた。
普段の祐馬はパパがちょっと触れただけでキモイ!と払いのけるのに。
ゆまとハグしたのは、スキー場のホテルでママの死を伝えたとき以来だよ。

搭乗口に消えたユマを後に、電車で家に戻ると、ちゅけが明日見に行く映画をネットで調べている。
男だけになっちゃったね。祐馬がいない間に、お肉をたくさん食べようか!

Friday, March 26, 2010

星が森に帰るように

この3日間、徳永英明のMを強迫的に何度も繰り返し聴いている。前に進めない。
この3日間、夜遅くまでハードな研修だった。しかも明日の講演の準備が進んでいない。

もう叶わない想いなら
あなたを忘れる勇気だけ欲しいよ

優子を忘れる勇気がないんじゃない。前に進めないわけじゃない。
勝手に、前に進んじゃうんだ。

それで良いじゃないか!
自分、もしかしてお前は高度を下げ、まだ山を降りる準備ができてないんじゃないか?
五十を過ぎ、ピークは過ぎたのわかってるんだろ?
ひよっとして、まだ次の山を探してるんじゃないか? 次のキャリアとか、次の愛とか。
まだ、見えないうちからその存在を前提に勝手に心配してる。
もっと焦らず、リラックスできないのか?どんな素晴らしい山行だって、いつかは山を降りるんだぞ?そんなに生きつづけることに固執していたら、高度を下げられないだろ!
降りるというのはな、宝を一つひとつ手放していくことなんだぞ。また別の宝を探し出してきたら、いつまでたっても降りられないじゃないか!
優子を放しても良いんだぞ。

星が森に帰るように、自然に消えて
小さな仕草も
いつまでもあなたしか見えない私も

今までみたいにパンパンに満たさなくても、少なくなっても構わない。
充ちて生きられるよ。
リラックスして、ゆっくり降りて行こう。
宝は探し回るものじゃない。自然に見えてくるよ。
あっても、なくても大丈夫。
ホントに?

Thursday, March 25, 2010

悲しみの発達

Tiki、


私たちの関係のこと、ずっとこうやって考え続けていてくれて、本当に有難う。


Nostalgia to Sadness・・・・
Tiki のブログ空から読んで思ったの。
付き合い始めたころのドキドキする情熱が、時を積み重ねて穏やかで何より居心地のいい情愛に成長していくように、失った悲しみも穏やかないとしさに変わっていくんじゃないか・・・って。
愛情のかたちは、時を経て二人の間で常に変わっていくんじゃないかしら。それは悲しいことじゃなくて、新生児が大人へ成長していくような自然な発達かもしれない。


夫婦の愛情の形は生死の世界を分け隔てても、発達し続けるんんじゃないかな。私への愛情が私を失った悲しみになってTikiに込み上げていたころから、時を経て、Tikiの私への愛情が穏やかないとしい思い出に成長しているんじゃないか?って思ったの。


Tiki のブログに私への愛情が一杯詰まっているのが読めるの。だから、悲しめないことを寂しがらないで・・・
悲しまなくても、あなたの愛情はいっぱい、いっぱい伝わってくるの。
私たちの子どもたちをあなたが全身全霊をこめて愛しんでいる・・・
その中にあなたの私へのメッセージもたくさん読み取れるの。


悲しみが伴わなくても、私はTikiの中に生きていられるようになったのよ、きっと。
悲しみが薄れることは、忘却じゃないのよ。
Tiki がいつか新しい愛に出会ったとき、その人は私のTikiへの影響も含めてTikiを愛してくれているはず。だから、Tikiの中の私をも含めて愛してくれるんだと思うの。私も愛されているわけ。それだけ私はTikiの一部になっていると思うんだけど・・・違うかなあ?Tiki がTikiである限り、私は今のTikiに影響を与えた妻として、ずっと一緒にいられるの。
これからも見守っているね、Tikiと子どもたちのこと。


優子


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まいったなあ。
仕事中にiPhoneでこのメールチェックしちゃったから、職場でボロボロ。
帰りの地下鉄銀座線でまた読んでボロボロ。対面の人、ヘンに思っていただろうなあ。
でも、それでいいんだよ。今の僕にはちょうどよい便秘薬。

昨日から、徳永英明がカバーしたにはまっちゃってね。エンドレスに繰り返して聴いているよ。プリプリのオリジナルより感動する。

...あなたのいない右側に
少しは慣れたつもりでいたのに
どうしてこんなに涙が出るの
もう叶わない想いなら
あなたを忘れる勇気だけ欲しいよ...

きっと焦ってるんだと思う。このままだと、そのうち悲しみが枯渇しちゃうんじゃあないかってね。悲しみがなくなったら、自分が自分でなくなっちゃうようで、恐いんだ。身体の一部だった優子は、もはや悲しみの中でしか出会えないから。

そうだよな。
優子のいうとおりだよ。そんなに焦らなくても良いんだ。
そんなにオレは記憶力に自信がないのか?
きっと、優子のいうように、そのうちいつか無理しないでも、普通になれるよね。
穏やかに大切に、心の中に置いておけば良いじゃないか?

とりあえず、今のところは悲しみの便秘症。出さないと苦しいだけんだ。

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追伸  
って、・・・優子ちゃんあっちでこれ読んでなんて思ってるかなあ・・・?
優子ちゃんの気持ちは私よりTikiのほうがずっとわかると思うので。
十衛兵


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あっちの優子のことなんて、もうどうでも良いんですよ。勝手にいなくなっちゃったんだから。むしろ大切なのは、僕らの心の中の優子。よく耳を傾けたいな。
十衛兵さん、いつもありがとう!

追伸)
優子への愛(=悲しみ)を抱いたまま、新たな愛を育んでも良いの?
もし、新たな愛が僕の悲しみを癒してくれたら、優子への愛は消えちゃうんじゃないの?
それでも良いの?

Wednesday, March 24, 2010

Nostalgia to Sadness

We explore our emotions deeply in our MKP meeting. Last night, I found myself in the group to be less sad than I used to be a year ago. The 一周忌 in last January was very good opportunity for me and all the people there to process our emotion. I have been successful with my mourning journey in that sense, but at the same time, I want to be in touch with my sadness more than I am now. Sadness is the only means I can feel close to Yuko. Loneliness comes in when I am not with 優子. Sadness prevents me from deep sense of isolation. I am physically and rationally ready for a new relationship, but emotionally not. I still want to be with 優子 more than anybody else.

なんか、最近、思うように悲しみが出て来ないんだよなあ。
それは悲哀の仕事をうまくこなしているという良い兆しなんだけど、同時に、まだ悲しみは離したくないなあ。だって、悲しみを忘れたら、優子を忘れることになるから。

Monday, March 22, 2010

卒業生pizza party

卒業生を家に招いて、毎年恒例のピザでもてなす。
僕自身、そういうtreatをされたからね。
小学校の伊藤先生、中学の吉澤先生、高校の斎藤先生、大学の稲村先生、ロンドンでのJohn Byng-HallとRobin Skynner。そういえば、みんな学生だった僕を呼んでくれた。今は、それを教え子に伝えているだけなんだけど。

ちゅけはバレー班の卒業生と焼き肉コンパで不在。
祐馬とじんと一緒に会食した。なぜか祐馬の親友のさえちゃんも合流して。
毎年、学生たちの反応が面白いんだよね。
「先生、家ではホントにお父さんやってるんですね。」
当たり前だろ!まあ、大学では先生しかやってないからね。学生クンたちには興味深くうつるでしょう。
「先生の育った家もこんな雰囲気だったんですか?」
そりゃあ、比較のしようがないけど...
「お父さんとこんなにたくさん話さなかったなあ...」
ああ、そういう意味での雰囲気ね。確かに、僕の育った家にも父親は実在していたよ。
臨床家族で出会う多くの父親不在家族に比べればね。
だから、今までも、意図せず普通に僕は父親として実在してたんだろう。
優子を失い、ひとり親になってからは、もっと意図的に、子どもたちの前にいるようにしているのかもね。...子どもたちのためでもあるし、僕自身のために。

Friday, March 19, 2010

学生たちの晴れ姿

今日は大学の卒業式、そして謝恩会。
卒業生にとっては一生に一度の晴れ舞台。教員にとっては毎年繰り返される年中行事。
学生は毎年入れ替わり新しくなる。教員は代わらず残り、老けてゆく。

振袖+袴姿の女子学生たちは馬子にも衣装。普段はそんな目で見ていないけど、正装すると美しい。始めは淡々と学位記(卒業証書)を渡していたが、ふと数年後の祐馬の姿を彼女たちに重ね、胸に込み上げてきた。「教師の気持ち」より「親の気持ち」の方がずっと迫力あるね。

どうも最近の記事は娘ネタが多いと自分でも思う。優子がいた頃は、父と娘は間接的な関わりでよかった。でも、今、ふたりの関係はモロ真正面から向き合おうとしている。
でも、なぜ娘?息子たちは違うの?
She is so demanding, but boys are not.

松下さん、うちに来てもブログの祐馬ネタ出さないでね。最近、祐馬は全然ブログ読んでないから。

Thursday, March 18, 2010

チャリ墓参と三崎漁港

優子

お正月以来だから3か月ぶりだな。
海外出張キャンセルで出来た予定のまったく入らない一日。どう使おうか考えたけど、優子のところにやってきたよ。ちゅけも期末試験が終わり一緒に来ようかなとか言っていたけど、結局班活が入り叶わなかった。また、子どもたちとカイ君と一緒に来るけど、とりあえず今日はひとりで。

チャリを京浜蒲田で折りたたみ、京浜急行で三浦海岸まで輪行。約1時間の車中が結構使えてね。パートナーを10年前に自死で亡くした友人が、どん底からの回復の軌跡を綴った手記を送ってくれたんだ。仕事モードの普段は読めないけど、こういう時、ゆっくり読みながら、僕自身の回復の旅に思いを馳せることができる。子どもたちやおばあちゃんと来なくても、ひとり旅も結構意味があるんだ。

三浦海岸駅でチャリを組み立て、霊園まではほんの10分で行けちゃうけど、今日はその先、三崎漁港まで足を延ばしたよ。30分程度で大した距離じゃないけどけっこうup downがあってね。それなりの走り応えがあった。ちょうどお昼時、それなりの観光客向けのお店もあってね。マグロを食べてきたよ。おみやげに、今話題の大西洋産の本マグロも買ってきた。

それでも3時過ぎには家に戻り、原稿も多少進めることができた。夕食はマグロの刺身に、エドヒさんレシピの和風ポトフ。圧力なべで20分煮たら肩ロースの肉塊がボロボロに柔らかくなったぞ。

祐馬のKitson

ねえ。今度、オーストラリアに行くのに洋服をギャップで買いたいなあ!
いいよ。おばあちゃんにおねだりしたらいいじゃん。

さっそく、おばあちゃんに電話して週末に一緒に行く約束を取り付けた。

あとさ~、バッグはキットソンのを買いたいんだけど!
なに、それ??
それは、おばあちゃんとは別で。駅ビルにあったから見に行きたい。ついでに飛行機の中で読む本も買う!
じゃあ、日曜日の午後なら買い物ついでに一緒に行けるよ。

というわけで、先週の日曜日、祐馬とふたりで買い物に行った。
お目当てのバックはあったものの、
これ、安すぎる。きっとにせものだよ。やっぱ、ネット通販で買う!
なんで、バッグなんかわざわざ買うの?ママが使ってたバッグがまだたくさんあるから、それ使えばいいじゃん!
ヤダ!ださいもん。
祐馬、自分のお年玉で買うからいいでしょ!
まあ、それならいいけど。

夕食後、一生懸命、ネットで調べている。

祐馬、早くカイ君の散歩に行きなさい!
うん、じゃあ、これ買ってから。パパ、カードの番号入れてよ。
散歩に行ってきたら入れてやるよ。
なんで!!買物先にしてよ!
ダメ。散歩が先だ!
なんで、パパはいつもそうやって祐馬のじゃまするの!?今、散歩行こうと思ってたとこなんだから。先に、買い物済ませたいの!
ダメ。パパの言うこと聞きなさい!

どっちが先でもいいのだけど、お互いに譲るわけにはいかない。祐馬は興奮して泣きながら抗議する。

ダメだからね!
いいもん、じゃあ自分でやるから。
どうぞ!

住所、氏名まで入力するが、クレジットカードのところで止まってしまう。
横にいるパパを睨みつけるが、私は知らん顔。
しばらく踏ん切りがつかない様子だったが、ついに決心して、カイを散歩に出掛けた。
帰って来たら、ふつうの表情。

おかえり!じゃあ、注文してあげようね。
うん。

という経緯の末、昨日、宅急便で品物が届いた。
なんだ、ふつうのバッグじゃん!
お祖母ちゃん⇒ママ⇒からの伝統を受け継いでるね。それとも女性はみんなバッグをいくつも持つわけ?実用品と考える男性は、大きさ別にひと通りあれば十分なのだが、まあファッションの一部ととらえれば、いくつも欲しい気持ちは分からないでもないけど。

パパはね。しっかり自己主張する祐馬は好きだけど、世の中、そううまく通らないからね。100%を追い求める力も必要だけど、小さく傷つき、妥協していく中で60-70%の自分でも認められる力を持ってほしいんだよ。

飛行機用に買ってきた2冊の本はすぐに読んじゃった。

また、別の本、買ってよ!


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我が家でも昨日、同じようなことがあって、同年代のゆまちゃんと重なって見えました(苦笑)

うちは今週の日曜日に小学校の友達と「としまえん」に行きたいと言い始め、私は「よみうりランドならいいけど、としまえんは都市を通るからダメ」と反対。
本人は、みんなのうちはいいって言ってるのにって、引き下がらず。

みんなの家がよくてもうちはダメとお互い譲らず(苦笑)。

結局、一緒に行くと話していたお友達のママから電話が来て、「としまえん」はダメってことになり、遊園地じゃなくてももっとお金のかからないところへ行くようにと、近場の大きな公園を提案したら、あっさり「明日、友達と相談する」ってことでした。

Blogのコメができないので、メールにてコメントでした。




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どこでもあるよね、こういうの。
何のことはない、以前は見過ごしていた日常のひとコマが、今はとても貴重に思えてきてね。

Wednesday, March 17, 2010

春色弁当

菜の花は、近所の八百屋で、半分花が開いちゃったのを安く買ってきた。湯がいてからバター炒め。
豚と玉ねぎのショウガ焼き。
と、キムチ

左がパパ。
右が息子。

Sunday, March 14, 2010

週末のレシピ

時間と気持ちに余裕ができると、食生活にエネルギーが向く。
土曜日の晩は、ラザーニャと野菜サラダ。ハナマサでひき肉を大量に買ってきて、ミートソースとホワイトソースをたっぷり作る。以前は缶詰のホワイトソースを買ってきたけど、小麦粉から自分で作れるようになったぞ>優子!
それに、ほうれん草も加えて、栄養たっぷりのラザーニャ。サラダはSizzlerみたいなアメリカっぽいサラダバー風。生ハムと生ほうれん草、トマト、アボガド、新じゃが、セロリ、きゅうり、アスパラなど別々の皿に盛って自由に取り分ける。
子どもたち曰く、食べ過ぎてメタボになっちゃうよ!
パパは赤ワイン飲み放題でご機嫌!
明日は、ヘルシーにしようね。

今日の夕食は和風。白身魚のみそ焼き、菜の花とカニかまのヨーグルト和え、肉じゃがとぶりあら汁。食後はホワイトデー・セールで買ってきたコージーコーナーのエクレアをじじばばと一緒に楽しむ。

明日の弁当は、アナゴのひつまぶしだ。大葉も買ってきたから、あとは朝に錦糸卵を作るだけ!

ほんとうに向き合うって?

人に向き合うって、本当はすごく勇気が必要なことです。
遠い人はどうでもいいんです。
近い人、親密な人が一番たいへんです。自分の人生に直接関わるから、どうしても多くを期待します。
違いと葛藤を乗り越え、相手に近づく勇気。
相手を信頼し、心配せず離れてゆく勇気。
でも、そうそううまくはいきません。気持ちの負担が大きすぎます。さらに一歩押し出すと、相手に飲みこまれてしまうか、家族の微妙なバランスが崩壊してしまうかもしれません。
条件さえそろっていれば、そんな大がかりなことをしなくても、小手先の修復で十分にやってゆけます。でも、もっと大きな小手先では効かない問題に直面したら、どうしても向き合う勇気が必要になります。

結局、相手に向き合うためには、自分自身と向き合わねばなりません。
自分の悲しみ、後悔、自責と向き合おうとする勇気を、過去の記憶が大きな不安となってくじけさせます。不安感は、大胆な行動を麻痺させます。

自分と向き合うとは?
自分のnegativeな体験(悲しみ、自責、失敗、恐れ、怒りなど)を心の中に隠してしまい込むのではなく、表象に取り出してみて、点検します。比較的軽いやつなら、自己点検で大丈夫です。それまで培ってきた自信や成功体験を使って、OKだよ!と肯定し、negativeからpositiveにひっくりかえしてあげます。
でも、重いやつ、特に自分の生活史の中に埋め込まれたnegativeな体験はやっかいです。その中にpositiveな鉱脈を見つけるのは至難の業。古びた昔の炭鉱に久しぶりに立ち入れば、昔の想い出がよみがえる不快感と、崩壊する恐れに向き合わねばなりません。ひとりでは危険です。その作業を見守り、支えてくれる人がどうしても必要になります。しっかり自分に寄り添い、守ってもらいながら掘り進めると、ふとpositiveのかけらを見つけたりします。そこを頼りにもう少し掘り進めてゆくと、negativeだった基盤の部分自体を、そっくりpositiveに立て直すことができます。

Saturday, March 13, 2010

海外出張キャンセルして祐馬と病院

予定では、昨日から10日ほどブエノスアイレス(アルゼンチン)へ学会出張のはずだったけど、旅行をキャンセルした。昨年3月もこの学会(IFTA)に参加するはずだったけど、当時の心情ではとても家族を置いていくことはできなかった。1年たち、僕自身は10日間、家族と離れることはできるようになったけど、家族にとって、僕が10日間地球の裏側に行ってしまうのはまだ無理みたい。

というわけで、すっぽり予定が空いてしまった!
開ければ、すぐ怒涛のようにスケジュールは押し寄せてくるのだけど、それでも、まだ予定が全く入っていない日が1日だけある。溜まっている仕事(主に原稿書き)を片付け、家族とゆっくり過ごそう。
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昨日、祐馬と近所の整形外科に行ってきた。
4-5日前から、「ねぇ~、腰が痛いんだけど~」と訴え始めた。
それほど深刻な痛みではなさそうだ。
少し我慢してれば治るよ!
と突き放してもよかったのだけど、普段つっぱっている娘が弱気になってるのはチャンスかも。
どうだ?大丈夫か?
痛いよ~!もしガンだったらどうしよう?
さよなら!
、、、、!
じゃあ、医者に診てもらうか?

翌朝、中学に電話して、祐馬とふたりで整形外科に行く。
診察に付き添い、レントゲンを撮って、
医者「骨や関節には異常ありません。尾てい骨膜の炎症でしょう。特に治療は必要ありません。一応、湿布薬を出しておきましょう。」
と、湿布薬を山ほどもらった。
大田区は中学生まで医療費の自己負担なし。
これじゃあ患者はラッキーでも、税金と医療費が高騰し、医者が訳もなくもうかるわけだ。

学校に座布団持っていくこと、生徒手帳に書いて!
ついでに、体育見学もね。
はいはい。
でも、結局、体育はやってきたんだって。

病気の訴えと治療も、親子のコミュニケーションの一環だ。

Saturday, March 6, 2010

仕事休んで祐馬の保護者会

昨日は会議や授業などの予定が入っていない。午後から祐馬の保護者会だ。思い切って一日、年休を取った。夏以来だよな、こんなこと。
家族に伝えた。「一日、うちにいるよ。昼も夜もご飯つくるから。」
「あ~、よかった!」
一番喜んだのはおばあちゃん。
この一年、ずっと家事と3人の面倒をよくみてきてくれた。若ければふつうにこなすことでも、80歳近いお祖母ちゃんにとっては身体的にも心理的にもそうとうきついはずだ。
「今日は、一日、休める」
ゆっくり休んで下さい。
ちなみに子どもたちの反応は、
ちゅけ「おっす!」
今、期末試験中だから昼に帰ってくるんだよな。一緒に昼ごはん食べよう!
祐馬「ふーん!...リストラされたの?」
「あのねえ、、、君のために休むんだからね!!」

午前中は職場とネット・電話で連絡しつつ、家で仕事。原稿書きも少しはかどった。考えてみれば、仕事の半分は家でもできるんだよなあ。学生や相談員さんたちと会ったり、会議に出たりとかは職場に行かねばならないけど、本当にやりたい仕事(=研究や執筆活動)は、まわりに誰もいない家の方が集中できるんだ。これから、(量ではなく)質の高い仕事をこなすには、on the officeとoff the officeの時間を意図的にうまく使い分けたいものだ。

午後2時半から、祐馬の中学の保護者会。参加したのはクラスの半分以下の15名ほど。もちろん父親は僕ひとりで、母親ばかり。松下さん、やっぱ、こんな保護者会じゃあ無理して仕事を休んでまで行く意味ないね。
その後、歯医者に行く。特にむし歯があるわけじゃないのだけど、「半年ごとに定期的に来ましょう」という歯医者からのハガキが来たので行ってみた。半年じゃなくて1年ぶりなんだよね。前回来たのは去年の1月7日。歯痛と悲嘆がどう関係するのかわからないけど、優子が亡くなった後、急に歯が痛くなった。お葬式までの一番辛かった一週間にできたことは、弔問客の対応と、ブログ書きと、歯医者に通うことだけだった。歯医者は大嫌いだけど、心の痛みより歯の治療の痛みの方がまだよかった。
それ以来の歯医者だから、当時のことがflash backされるかなと思ったけど、大丈夫だった。歯科衛生士さん、お願いだから、口あけて何もしゃべれないのわかってるのに、世間話もちかけないでくれる?
帰りにハナマサでお肉を大量に買う。手羽先15個入りを2パック、黒酢煮にしたら、子どもたち全部食べちゃった!

Off the office workの課題は集中力・テンションを如何に保てるか。夜の時間、仕事に集中したかったんだけど、眠くなって早く寝ちゃったよ。まあ、満腹になれば眠くなるよね。
おかげで(?)、優子の夢を久しぶりにたっぷりみれたよ。
旅行中みたいだった。新幹線かなんかに2人並んで腰かけて。
飾ってある優子は旅行先の写真が多いからね。

今日(土曜日)もまる一日オフなんだ。何の予定も入っていない。
なんとか原稿を仕上げちゃおう!

Thursday, March 4, 2010

14ヶ月目

なんか最近、優子が出て来ないんだよなあ。
居間にも、職場と自宅の書斎にも優子の写真はたくさん置いてるし、iPhoneの待ち受け画像も優子だから、いつも見てるんだけど。3日を忘れちゃったらまずいから、iPhoneの毎月の予定表に優子の月命日を入れておいたよ。今まではこんなことしなくたって忘れない自信があったのだけど...

ツイッターを始めたからかな?!
それまでは電車やチャリ通など、不意に優子が出てきたら携帯ノートにメモして、後でブログに転記していたのだけど、今は即iPhoneでツイッターに入れちゃうからブログに書く必要なくなった。

今が僕の花粉症の最盛期みたい。頭痛がして、昨晩は早く寝た。朝、弁当を用意して、子どもを送りだしてから出勤するまでの30分。ようやく優子と向き合う時間と心の余裕ができた。来週予定していたアルゼンチン出張は取りやめたんだけど、なんか忙しいなあ。それはそれでやりがいはあるし、楽しいのだけど、もう少しゆっくり考える時間がほしいよ。

---
ふふふふ・・・Tikiったら、苦しいときは、
「優子、肝心なところで出てきて、僕の人生邪魔しないでよ」
なんて言ってたのに、ちょっと私が留守しだすと、
「出てこないよ・・・」

なんて不安になったりして。
大丈夫、忘れてなんかいないわ。悲しみがゆっくりと時間をかけて癒えていくだけ。
癒しは忘却ではないと思うわ。
月命日iPhoneに入れてくれてありがとう。そうやって持ち歩いてくれるだけで、私はとっても幸せなの。

優子



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はははは、、、
天国からは、すべてお見通しだね。
もっと僕の前に出てきても良いよ。
優子は昔から控えめだったからなあ。もっと自己主張したら?
今のところ、優子が出てきたらまずいような場面はまだないから。


もっとも、優子は僕らとは関係ない優子自身の世界があるんだよな。こっちに来るヒマがない状態でいいよ。こっちはこっちで、適当にやってるから。


Tiki.