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Wednesday, January 14, 2009

感情的便秘症

優子。
今日はラッキーだったよ。
午後に特に仕事のアポが入っていなかったので、2時過ぎに帰って来ちゃった。こんなこと初めて。
それに、もうひとつラッキーなのは、今週末の仕事を免除してもらえたこと。例の、大切な仕事が入っていたのだけど、仲間たちが配慮してくれた。それを決める会議でもさ、僕は医者根性出しちゃって、
「今のところ、意欲低下、食欲不振、身体症状などは出ていないのですが、不眠、易疲労性、集中力・判断力低下、情緒不安定などの症状がありまして、、、」
とか、感情を抑え、さも他人事のように言っちゃったりしてね。でも、これでホント助かったよ。

今日は、電車で出勤。チャリで行けないこともなかったんだけどね。朝はすごく寒かったし。明日はクリニックだからチャリにしよう。歩きながら、ふと思い出した。忘れないうちに、伝えておかなくちゃ。年末のいつだったかな、僕がちょっと落ち込んでさ、寝る前にふたりで梅酒とか飲んでたじゃない。そのとき、ふと、優子が、「でも、Tikiと一緒にいれて、ホント良かったと思っているんだからね」とかなんとか言ったじゃない。びっくりしたよ、急にあんなこと言うなんて。その前のケンカの仲直りのつもりだったわけ?僕は、内心とてもうれしかったんだよ、めったにそんなこと言わないからね。でも、とっさで、何も言えず、「ふ~ん」とか返しただけだったでしょ。優子がそう言ってくれて、ホント嬉しかった。それを伝え忘れてたということを、ふと、出勤途中歩きながら思い出してね。涙がツーッとあふれてきたよ。

よく、そんなことあるんだ。帰り道でも、何を考えていたわけじゃないのだけど、涙が出てきてね。こりゃあ、感情的便秘症だと思ったね。気持ちを出せなくて詰まっちゃってるか、逆に慢性下痢症なのにトイレに行けない状況のような。感情モードを忘れ、仕事モードで活動してるとそう感じるんだよね。でも、ふとすれ違った同僚が、「ブログ見てますよ!」って声かけてくれたんだ。それだけなんだけどね、すごく嬉しくって。

ふと、思ったんだ。
喪の仕事量=(感情の表出量)×(受け止めてくれる人数)
みたいな法則があるんじゃないかって。
告別式で、たくさんの人の前で、泣けたじゃない。あれ、僕的にはすごく良かったように思うよ。

今晩は、夕食に里芋の煮っころがしを作るぞ。優子はカイカイが出るから食べれなかったじゃない。
いいだろう!?

2 comments:

  1. 暫く前、3年前に膠原病で亡くなった恩師(女性の図書館司書で3人のお子さんがいます)の話をしたかと思います。憶えておられますか?そのご主人とOさんと3人で先月大晦日(命日)が迫ったある日に飲んでいました。(ご主人とOさんは同じ職場にいたことがあるのです。)このブログを拝見しているとその時のご主人の話が思い出されます。

    楽しかった家族の時間、なぜ早くに行ってしまったのかひどいよなという恨み言、誰に向けたらよいかわからない嘆き、ご夫婦の間でしかありえない特別な思い出、などなど。
    そして、ふと、きれいな手だった、と呟かれまして、その言葉でわたしも突然思い出しました。些細なことで特別に語ったり思い出したりするようなことではないのです。とても細くて白い手をしていて本の頁をめくるしぐさがとても美しかった、ある光景がはっとするほど鮮やかに再生されたのです。こんなことを自分は憶えていたのかと驚くとともにこれをなんとお伝えしたらよいか困りつつ、そうでした、わたしも覚えています、こういう感じでしたね、こんなこともしていましたよね、と言葉にしてみたのですが、ほとんど突然再生されたビデオ映像体験でした。ご主人もその時に同じようなものを見たのかもしれません。

    職場のUさんと「バベットの晩餐会」という本について話していた時、クリスチャンの教えでもわからないものがある”復活”というものについてはまだわからない、何を指しているのか...という話がでたのですが、あれはこういうことかなぁとぼんやり思いました。思い出そうとしたわけでもなく憶えていることすら自分でも知らなかったことが、それはもうほとんどそこにあるようないるような存在感で蘇った感じでした。

    このブログで出会う奥様のご友人との対話の中などに、このようなものが密やかに紛れているかもしれませんね。

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  2. コメント、ありがとう。
    そう、突然、出てきちゃうんですよね、断片的なビデオ映像が。そういうのを、優子の知り合いの人と共有できると嬉しいな。

    優子、ロンドンにるみちゃんが訪ねたとき、大英博物館で「うちのは、歴史のこととか、ホント知らないんです。でもいいところがいっぱいあるの」なんて言ったんだって?るみちゃんがよく覚えていてくれてメールくれたぞ。
    3年間のロンドン生活、楽しかったよね、今から思えば。まだ子どももできる前の新婚時代だったし。
    子どもたちが手から離れたら、ふたりでイングランド郊外のマナーハウスとかのんびり行きたいね、なんて思ってたんだけどなあ。もう、できないだろ!!

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