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Friday, August 26, 2011

それぞれの草津♨


なんだかんだ言って、この夏もう3回目なんだよね。
今回は、おじいちゃんとちゅけとじんとカイを連れてきた。東京に残したおばあちゃんにもたまにはbreakがないとね。逆ショート・ステイみたいなもんだ。
車に一切を積んで、いつものお決まりのコース。
高坂SAのdog runでカイを散歩させ、
お城の湯(我々の通称。岩櫃城温泉のこと)でついでに夕ご飯も食べて、
大津のスーパーで明日の食材を買ってくる。

ちゅけは4年ぶりだよな!前回来たときは中2。ママもいたもんな!
懐かしいだろ!そう、ノスタルジーだよな!

じいちゃんは早々に床を延べている。
ちゅけ、湯畑に行きたいの?行こう、行こう!
でも、白旗の湯には入らないの?
じんとパパは熱い方の湯船に挑戦だ。
すっかり暖まったね。半ズボンじゃあちょっと寒いから、長ズボンに着替えたよ。
ナッツ&ビールしながらブログを書いている。
じいちゃんとカイはすでに寝て、子どもたちは6月に買い替えた地デジテレビを見ている。

ボクにとって、草津は非日常であり、日常の世界でもあるんだよな。
ここで優子も失った。そのことは日常なんだろうか、非日常なんだろうか?

益成屋はゴージャスだったなぁ!あれは、完全にハレの世界。
ハレとケの世界って、重ね合わせることできるの?

大森のハナマサでお肉の塊を買ってきたから、明日はBBQやろうね。
午後は、パパひとりで国際音楽フェスティヴァルに行って、チャイコフスキーを聴いてくるよ。そのあと大滝の湯に行こうね。じいちゃんはパスするかもしれないけど。

Tuesday, August 9, 2011

男の涙


暑さが燃えたぎる8月は、日本人にとって原爆投下の日・終戦記念日、そして死者の魂が戻ってくるお盆homecomingの時期だ。

先日、被災した陸前高田の夏祭りがテレビで紹介されていた。失った家族の魂を神輿に乗せ、練り歩く勇壮な兄ちゃんたちが海に向かって一斉に黙祷を捧げる。うつむいた顔から雫がポタポタ。汗かと思ったら大粒の涙じゃん!

これを見て、今まで体験した男の涙が蘇ってきた。

小学校1年生の時、おばあちゃんの亡骸を運ぶ父親はしかめっ面してたけど、ホントは泣いていたんだって。びっくりした。
子どもは弱虫だから泣く。
母親が朝のNHK連ドラで、お祖母ちゃんは夏の帰省から帰京するときいつも泣いていたから、女の人は泣くものだと思っていた。でも、大人の男の人は泣くものではないと思っていたから。

大学4年生のアメフト最終戦で宿敵を倒したとき流した涙は喜び・感動の涙だから、カウントしない。

40代。ローマの著名な家族療法家Maurizio Andorfiの元に15人ほどの家族療法家たちが集まり、2週間のグループ・セッションを行った。その最終日のclosing sessionで、当時離婚の危機にあったマウリッツォが突然泣き出した。
えっ、メンターが泣いちゃっていいの?
もしかして彼、壊れちゃったの?
びっくりして不安だったが、その後のパーティーでは普通に元気に振舞っている。そうか、あれは崩れ落ちる涙ではなく、意図した感情表出だっんだ。

アメリカの男性グループのメンターEd Burtonと男性に対するセラピーのビデオを見た。父親への怒りと憎しみが語りつくされた後に、彼が生まれたとき祝福していた父親の思い出にたどり着いたとき、Edも私も涙した。

優子が亡くなった時、子どもたちはパパの涙をどうみてたんだろう?
愛することの素晴らしさを伝えたかったんだよ。人を愛すれば、いつか別れが来る。こんなに突然やってくるとは思わなかったけど。心の中の圧倒的な感情の塊(悲しみ)の勢いで自分が壊れちゃいそうで怖いよね。
思わず溢れちゃいそうになる涙を必死に堪えるのが強いんだと思ってるかもしれないけど、ホントはそうじゃないんだよ。
溜め込んだ気持ちの塊のために卒倒したり、爆発する前に、うまい具合に悲しみのエネルギーを外部に逃してやるのは相当難しいんだ。女の子の祐馬は自然にできるけど、男の子のちゅけやじんはもうちょっと成長してからかもしれないね。
でも、そうやって悲しみを手放してしまうって、寂しいんだよね。その体験から決別することになるから。そう簡単には放したくないって思うんだろうね。

Sunday, August 7, 2011

酷暑の中の墓参り

優子、久しぶり。
前回、いつ来たっけ?、、、お正月だったか春休みだったか、忘れちゃったよ。
今回は子どもたちに加えてお義母さんもお義兄さんも来てくれたぞ。
いや~、暑いね。でも、その後みんなで三浦漁港の美味しいマグロを食べたよ。

子どもたちもママのところに来て満足したみたい。
上のふたりは、それぞれ未来に続く道を何となく見据えてがんばってるよ。祐馬は塾の夏期講座の中休みで明日から久米島ダイビングだ。ちゅけは草津に誘っても、もう来ないよ。
親子の愛情が深いほど、そこから抜け出すのに苦労してる思春期の子どもたちをよく診てるけど、その点うちの子どもたちは大丈夫だな。ママがいきなり消えちゃったのはかなり辛かったけど、ママに近づくためには天に向かって伸びるしかないからね。特に祐馬は英語を使って国際的に活躍していたママを目指しているみたいだよ。

でも、足元が不安定のまま背伸びすると倒れちゃうからね。そのあたり根元を支えるのは地上に残されたボクがやるしかないってのは、優子に言われなくてもわかってるよ。ふだん、おばあちゃんに「いない、いない」と言われても、子どもたちの気持ちはしっかり支えているから大丈夫。

先日来てくれたきみえちゃんとはgirl's talk堪能したか?
亡くなる2週間前きみえちゃんに会った時も「Tikiと一緒になれてホントに良かった」なんて言ったんだって?なぜ?
日常の一コマとして過ぎ去るはずだった一言が、応えられないままずっと残っちゃったじゃないか!

Wednesday, August 3, 2011

2年7ヶ月

優子の居場所、なくなったよ。
子ども部屋と勉強部屋に設計士さんと大工さんを入れて、大幅リフォームしたんだ。
子ども部屋にあった机と二段ベッドを全部処分し、新しく作り付けのベッドを作った。祐馬は女の子だからパーティションも入れて。
そして、子どもたちの机は思い切って僕らの寝室に移動したんだ。優子と二人で過ごした大きなベッドを処分して、僕ひとりの寝室を大幅に縮小した。そのスペースを子どもたちとボクと4人のための広い勉強部屋を作ったんだ。すごく使い良くなったよ。

子どもたちは前に進んでいる。
上の二人は受験の夏だ。
ちゅけはいくつかオープンキャンパスを回り、気に入った大学を見つけたようだ。毎日、高校の補習に通い、僕の広尾のオフィスを勉強部屋として使っている。あそこなら、ひとりで集中できるよな。
祐馬は張り切って進学塾の夏期講座を申し込んだものの、すごくハードでびっくりしたよね。初日は「もう、辞める!」とか泣いてたけど、前半の2週間をなんとか乗り切り、がんばったじゃないか!すごい適応力だね。お盆過ぎから後半の2週間また絞られるから、その間、久米島で思いっきり楽しんできな。どっさり出た塾の宿題も大変だね。パパからは何も言わないから、自分のペースで進めなさい。
じん、パパとふたりでカイを連れて草津に行こうか?兄と姉は忙しくて来るヒマなさそうだから、じんと二人で楽しもう。英語の勉強したいんだよね。パパが良い問題集みつくろってやるから、パパと勉強しよう。

オレも前に進んでるぞ。
出版社と、次の本の話が進んでいるんだ。このあたりで、今まで積んできた経験をしっかりまとめたい。新しいクリニックはまだそれほど忙しくないので執筆の時間も確保できるし、本を出して顧客を確保しなくちゃというincentiveも得られるから、ちょうど良いチャンスだ。
夏の休暇はしっかり確保して、思いっきり楽しむぞ。新たな旅立ちだ!

そういえばしばらく優子のところには行ってないな。先日、きみえちゃんが来てくれたんだってね。
お義母さんともご無沙汰だから、夏に一度は行くから、そうすねるなよ。
別に優子のことは忘れてはいないけど、子どもたちも僕も、2年7か月前の定点に優子を残し、ずいぶん成長しちゃったんだよ。残念ながら。