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Thursday, January 22, 2009

愛着対象

優子、おはよう。
今朝は、優子が死んでから初めて6時までぐっすり眠っちゃったよ。
といっても、夜、ワイン1本空けちゃって。
今までは、優子とふたりで1本でちょうど良かった(あるいややや足りない気味だった)けど、このままじゃメタボ的にやばいかも。

昨日は、いろいろ良いこととイヤなことがあったよ。
職場では1勝1敗。家に帰ってきて2勝だから、まあ勝ち越してはいるのだけど。
職場で、相談員さんたちと2時間、じっくり、ゆっくり話し合えたんだ。みんなには、いち早く優子の悲報を伝え、お葬式にも来てくれた人たちで、僕が優子を失った悲しみや、みんながそれぞれ持っている過去の悲しみなどを共有することができた。中には、僕に何と言って接したらよいかわからない、私なんかお葬式に行ったり、悲しみをともにする資格なんかないんじゃないだろうかと苦しんでくれた人もいたんだよ。僕にとって、とても良い体験だったよ。

その後は、月1度の長い会議日。大学はタコつぼだから、教授同士、顔は知ってるけど、そんなに親しくはないんだ。超仕事モードで進む中で、最後に起立して、「妻の葬儀に際して、ご盛花をいただき、ありがとうございました。」と挨拶しないといけないんだ。中には、お葬式にも来て、優子を悼んでくれた先生もいるし、まったく優子の死なんて関心のない人もいる。だれが前者で、だれが後者なのかもわからない。そういう中で、たった10秒で終わるような一言なんだけど、すごくイヤだった。言いたくなかったよ。

帰りは遅くなったけど、子どもたちにはおばあちゃんが夕ごはんを作ってくれ、楽しく食べられたみたい。帰ったら、すでにじんは寝ていたよ。初めて寝ているところを見たけど、おじいちゃんにぴったりくっついて寝ているんだ。微笑ましいというか、ホントに安心したよ。優子が亡くなる前から、じんは母親から離れ、じじばばを移行対象としていたわけで、少なくともじんにとって、愛着対象は失われていない。それを確認できて、とても安心できた。
思えば、僕も幼い頃、妹が生まれてから、パパにひっついて寝ていたんだ。おじいちゃんは二世代つづけて愛着対象になってくれている。じじばばがいてくれて、本当に良かった。核家族から、拡大家族に変わったね、すっかり。

もうひとつ、とても良かったこと。これも子どものことなんだけど、みんなが読んでくれているここでは言えないや。とても嬉しかったんだ。でも、優子と一緒に喜べない。。。

6 comments:

  1. 昨年、親友が急逝しました。
    お葬式は身内だけでとことだったので、行けなかったんですよね。

    それまで、形式だけになってしまうなら、お葬式なんかなくていい、って思っていたけれど、そうじゃないんだなってしみじみと思いました。
    お葬式の場で、故人を失った寂しさを共有したり、
    故人ののこしてくれた縁をさらに繋いだり、故人のくれた思い出を語り合ったり。
    そういう場として、お葬式ってとっても大事ですね。

    後日、お花だけはあげにいって、そのあとさらに
    友人たちと偲ぶ会やったりすることで、徐々に彼女が
    いなくなったことを受け入れられました。

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  2. やっぱり、読者がいると書く内容にも取捨選択が必要で、思いっきり奥様へのメッセージが表現しずらかったりするんじゃないかな。。。と思いつつ、しかし、どうしていらっしゃるかな~と気になって来てしまいます。

    お父様との往復書簡を拝読して、家族って奥が深いんだなぁと改めて思いました。そして拡大家族。核家族ではのりしろのないギリギリのところが、構成員が多くなることによってうまれるゆとりのようなものがあるように感じます。

    うちは今日の学校公開はおじいちゃんが長男の様子を観察してきてくれ(感謝)、私はちょこっと覗いてから仕事場へ。
    父が現役時代には考えられなかった光景です。

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  3. みんな来てくれると、ホント嬉しいんですよ。読んでくれているんだなって感じて。

    おじいちゃん・おばあちゃんがいてくれると、とても助かるよね。のりしろがうまく重なれば大きなパワーになるけど、逆にうまくいかずに、ストレスの原因になるケースもよく見てるもので。
    家族って、魔物ですよ。あるいは、両刃の剣。

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  4. ほんとですね。両刃の剣。。。
    うまくのりしろを重ねるコツは「親しき仲にも礼儀あり」と「相手を変えようとしないこと」かな、と試行錯誤まっただ中ですが思っています。そうしていくと、依存体質から自律体質の心地よい方向に向くような気がしてます。

    保育園の仲間はみんな自律体質なので一緒に時間を共有することが心地いいんだと思います。

    専門的なことは全く素地がないので、感覚的なことしか分かりませんが、ちょっと腑に落とすために体系的に勉強してみたいなーと興味をもっています。

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  5. どのへんを勉強したいんですか?
    案外、僕の専門だったりして。

    ひとりひとりが(精神的・生活的・社会的に)自立していること。その上で交わされる人間関係はうまくいくけど、自立していないと、お互いに寄りかかって負担になっちゃうとか。そのあたりのこと?

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  6. や、やっぱり、そうですか?!
    来年度から聴講生志願しようかなぁ。。。

    心理学かなぁ~とか思って、友人に勧められた有斐閣からの書籍を図書館でいくつか借りましたが、なんだかちょっとイメージしてたものと違って。(研究手法が統計学がメインだなんて思ってもいなかった・・・)農林出身の私には今まで全て同じに見えていました。

    一番大きいのは精神的自律かなと。
    そのプロセスには、育ちや環境(成功体験など含む)がすごく大きく関与していて、子育てって実はすごくプロフェッショナルな感性(技術?)が必要だったりするのではないかな~と。

    昔は、おばあちゃんの知恵袋やご近所力で新米母さん達を家族や地域が自然にサポートしてた。新米母さん自体も兄弟などの世話で実は我が子育ての予行演習ができていた。

    しかし、そういう機会がどんどんなくなっている現代ではそれを補う何かが必要なのでは?そこが担保されないと、精神的自律のできた大人を世に送り出していくことが難しくなるのでは?(これって、日本の根幹を揺るがすレベルの重要なことなんではないかな~)

    うまくまとまりませんが、今の私には保育園関係のネットワークがいろんな場面で補ってくれています。必要にせまられての入園だったにも関わらず、今は子どもたちが導いてくれたんではないかなぁ~と感謝してます。

    動物の中でも生後の学習が大きく影響する人間の育ちの特性を勉強するには、心理学よりも脳科学や精神医学の分野が私の今の興味に近いのかもしれません。

    仕事の時は理性モードでずっと生きてきましたが、子ども産み育てる中で自分にも本能モードがあるんだと気づかされた時も目から鱗でした。本能モードと共感モードは近いもののように感じています。

    長くなって、しかもまとまらず、すいません~。まだまだこんな感じで非常にモヤッとしてる段階です。。。

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