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Tuesday, April 21, 2009

優子を整理する

Tiki

時々Tikiが苦しんでるような気がして。私を忘れたいけど、忘れたくないって。
Tikiが板ばさみで苦しんでいるのを感じるのが辛くって。
もしかしたら、忘れたいのは私を失った悲しみや心の空洞みたいなものであって、私自身を忘れたいのではないのではないかと思って。

Tikiが私を失った悲しみと本当にさよならしてくれるのを見るのは嬉しいわ。 時が来て、私が愛するTikiが、新しい愛を見つけたとしたら、心から祝福すると思う。でも同時に、その人との生活はその人とのもの、私との生活は私とだけのもの、としてTikiの心に残りたい・・・・な・・・
私は天国に引っ越したけど、20年以上の生活を通してTikiの人間性の一部になっているわけだから。


あっそうか。そうすればいいのか。
優子、頭いいなあ。
優子がいるときには、それが当たり前すぎて、優子の存在は空気みたいなもの、愛だの愛着だの考える必要もなかったけど。
突然いなくなっちゃったから、優子=失った悲しみ、みたいになっちゃったんだ。

僕はもう、優子のことを全部忘れるか、全部忘れないで覚えているか、そのあたりが混乱していて、よくわからなかった。
そうじゃなくて、優子を失った痛みだけ、忘れればいいんだ。優子が僕に存在していたということ自体は、ずっと覚えていてもいいんだね。ホッとしたよ。

でも、ちょっと待って。そんなことできるの?どうやればいいの、優子?

ちょっと違うかもしれないけど、親との愛着と対比してみようか。
僕は子ども時代、親に愛着していたよ。だれでもそうだけど。
成長し、自立する中で、自然とその愛着が薄れ、親から卒業していった。そして、優子と愛着関係を結んだんだよね。
ってことは、優子との愛着を卒業すればいいのか。優子を失い悲しんでいるってことは、存在が消えたのに、愛着だけが残っているということ。優子にひっついていた気持ちを徐々に薄めればいいのかもしれない。

新しいパートナーを見つければ、優子との愛着が自然に収まるというわけでもないよな。
だって、マザコン息子(娘もいるけど)とかみていると、親から卒業しないままに結婚するもんだから、嫁姑葛藤をコントロールできず、パートナーとの愛着関係をうまく結べなかったりするし。
だから、もし僕が次のパートナーを迎え入れるとしたら、その前に優子との愛着関係を整理して、ちゃんと片付けておきたいんだ。
まだ、優子の箪笥の衣類さえ整理できていないくらいだか、それにはもうちょっと時間と、切り捨てる勇気が必要だけど。

優子は、僕の心の中に残っていいよ。というか、残っていてほしい。ちゃんと整理した形でね。
そりゃそうだ、忘れられるわけないもの。
優子が、僕の人間性の一部になっているとしたら、それがどの部分なのか、どんな具合に僕の中に入っているのか、わかっていたいんだよね。わからないけど、何となく居る、、、ということじゃ困るんだ。新しいパートナーになってくれる人が困るでしょ。まるで、背後霊みたいだもの。その人も、当然僕の人間性の中に入ってきて、優子とはまた別の入り方をしてくると思うんだ。そのスペースを明けておかなくちゃ。未知のスペースの中に得体の知れない背後霊が潜んでいたら怖いでしょ。
僕の中の優子は背後霊じゃなく、ちゃんと見える形で僕の中に居てね。大英博物館のロゼッタストーンみたいに。現在の痛みではなく、過去の遺産。僕という人間の歴史を語る中で一番大切な遺産になってほしい。ちゃんと、立派なケースに入れてあげるから。

そのためには、優子の喪失を感情的に悲嘆するのではなく、もうちょっと僕の中の優子の存在を具体的に書き出す作業が残っているんだ。過去の資料は机に載っているのだけど、まだ日記帳はイギリス時代のページでストップしたまま、次に進められていない。
学芸員って辛いね、リカちゃん。

1 comment:

  1. という具合に寝る前、優子と会話したので、夢の中にたっぷり優子が出てきたよ。夢に浸っている中では、ホントわからなくなるんだよね、優子は死んでるんだっけ、生きているんだっけって。優子を忘れないけど悲しくないというのは、夢の中にはバッチリ出てきてもいいけど、それを見た後に辛くならないってことかな。まだ、辛いけど。

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