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Tuesday, March 31, 2009

ピラミッド優子


優子を作ってきたよ。

今週は年度末の端境期で、わりと時間が自由になるんだ。
昨晩、ようやく原稿の一番大きなひとつを仕上げて、寝たのが明け方の4時。
6時に起きて、ちゅけと一緒に大阪に日帰りで飛んだんだ。
大宰府に続く、sentimental journeyの第二弾。割と最近のトレンドで、東京には作ってくれるところがないんだ。ちゅけと一緒に行ったよ。祐馬も行くはずだったんだけど、友だちとお泊り合宿に行っちゃった。じんも誘ったけど、興味ないって。ちゅけは、父への配慮というよりは、本当に興味があったみたい。ちゅけなりの喪の作業だったんだろう。もちろん僕にとっても。

昨夜、子どもたちと一緒に骨壷から優子の骨を拾い、タッパに入れたんだ。頭の骨と、背骨と、歯ぐきの骨と。ああ、これが優子だったんだなと思うと、涙が止まらなかった。今は、白いきれいな無機質になっちゃって。科学的にみれば、炭化どころか、炭素さえ抜けてしまったリン酸カルシウムの白い物体。でも、確かにこれは優子だったんだよな。それを素敵な石にしてくれるんだ。宅急便で送れば作ってくれるんだけど、それじゃあ意味がない。優子が変身するそばに一緒にいたいんだよ。

レイセキは小さな町工場風。社長さんが駅まで迎えに来てくれて、とても丁寧に対応してくれたよ。たくさん泣いちゃって、話せなくなった僕を、社長さんとちゅけはゆっくり見守ってくれた。ほんのちょっとした出来事だけど、どれほど心が安らいだことか。

まず、指先くらい、少量のお骨を乳鉢に入れ、きれいな白い粉にするんだ。それを、石の材料と混ぜ合わせ、1200℃の炉で真っ赤に溶かし、型に流し込みピラミッド形を作るんだ。これが結構難しくて、温度が下がるときに割れちゃうんだ。僕らが見ている前で一度割れちゃったよ。僕らが社長さんとおしゃべりしていたから、ちゃんとこっち見てよと優子が怒ったんだろうってね(笑)。温度が下がるとガラスになって、それをまた800℃くらいで何日も寝かせると、石になるんだって。

出来上がったら、居間の仏壇に置こう。これで、優子本体が三浦半島に行っちゃっても安心だ。あと、少し骨が残ったから、これもきれいな粉にしてもらってきたよ。草津に行ったとき、BBQのお庭に散骨しよう。そうしたら、どこに行っても優子と一緒だよ。
だって、風の優子は有機質・無機質を超越した存在なんだろ!?
僕のそばに居てくれよな。

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