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Monday, March 2, 2009

ロンドン時代(2)小さなフラット


子どもたち

ママとパパのロンドン時代のことを教えてあげるねと言いながら間があいちゃったけど、写真も出てきたので、いよいよ話してあげよう。

この写真は1990年だから、ロンドンも2年目、ママが27歳になった誕生日だよ。可愛いでしょ。初めはパパの研究所に近くて家賃も高いフラット(アパートのこと)に住んでいたけど、半年くらいして、Ealingというところに引っ越してきてね。1階に大家さんが住んでいて、3階の屋根裏部屋みたいなところで、寝室ひとつ、居間がひとつの小さなフラットだったよ。こんな小さなテーブルで、ふたり食事してね。お誕生日だから、ちょっとご馳走して、スパークリング・ワインを開けているところだね。食器はウェッジウッドの二級品だよ。ウェッジウッドは日本人が好きで結構高いのだけど、地元にいると年に1回セールとかやっていて、さらにお店の奥の方に行くと、図柄が微妙にずれていたりとか、いわゆる規格外品ということで、とても安く手に入ったんだ。そう言われてもほとんど素人には分からないくらいだから、全然かまわないんだけどね。

ママは結構エスニック料理が好きで、テーブルの上に赤いcook bookがあるでしょ。いろいろ試して、美味しい料理を作ってくれたよ。パパとママは貧乏だったから、ロンドンといってもそんなに高級なレストランとかは縁がなかったのだけど、よくふたりで、あるいは友だちと一緒に外食したよ。イギリス料理ってのは、フィッシュ&チップスか、せいぜいローストビーフくらいでたいしたことないんだ。(イギリスの家庭料理は美味しいらしいけど)。だから外で美味しいものを安く食べようとしたら、チャイニーズかインド料理だったんだ。ロンドンの中心部に行くと、Sohoというところに大きな中華街があってね。そこによく食べに行ったよ。インド料理屋はロンドン到る所にあってね。インドからの移民が多いから。中でも、うちの近くにMonty'sというネパール料理屋さんがあったんだ。ネパールといったって、パパ達にはインドと区別はつかなかったけど。パパとママの友だちに、マリコ&ロジャーという夫婦がいてね。マリコさんは、日本のけっこういいとこのお嬢さんなんだけど、イギリスに留学してロジャーにつかまっちゃって。ロジャーは、一見変わった風来坊というか、世界をずっと旅していてい、やっと落ち着いてマリコと結婚したという感じで、職場もヒースロー空港の旅客案内人なんだ(いつでも飛び立てるように?)。妙な組み合わせの夫婦なんだけど、結構ママとパパと意気投合してね。よく、Monty'sで4人で会食したよ。

時間があってゆっくり楽しみたい時は、食事の前にパブに行くんだ。イギリスのパブは良いよ。パブってどういう意味だか知ってる?Public Houseの略でパブ(Pub)というんだ。つまり、もともとは、近所の人たちが集まる公共の場所という意味なんだけど、今では居酒屋という意味みたいに使われているけどね。みんな、立ち飲みなんだよ。日本みたいにいろんなつまみとか料理があるわけでもなく、たいていママはハーフパイント(250ccくらい)のビールか、グラスワインだったかな。パパはパイント(500cc)のビールだったね。ビールと言っても3種類あって、日本と同じようなラガーと、エール、それに黒ビール(ギネス)だね。どれも美味しかったけど、ラガーにライムジュースを入れるやつとか、ギネスは最高だよ。ビールを片手にお話ししながら立ち飲みして、ほろ酔い加減になったら、場所を変えて食事をするという風だね。

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