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Thursday, March 19, 2009

家族の喪の作業を支援する

優子

死別の悲しみを超えてという本を読んだよ(右側の文献リスト参照)。
子どもを失った人たちの会(自助グループ)をずっとやってる経験を書いた本なんだ。
参加するのはお母さんたちが中心で、お父さんは少なかったけど、最近増えてきたんだって。

この発想は良いかもしれない。
死を一緒に悼むという自助グループは以前からあって、最近さかんになってきた自殺予防活動の一環として自死遺族のグループだけ、なぜか結構盛んになりつつあるんだよ。
自殺(自死)により遺された家族というのが、最もtraumaticだと思うけど、そこまでいかなくても、家族を喪うというのはとてもきついからね。僕も、友だちや、ブログや、西魔女を利用してどうにか心の均衡を保とうとしているけど、心のケアに、良質なグループワークがとても効果があるというのは、僕も経験からよくわかっているんだ。
子どもを喪った母親たちのグループは比較的作りやすいだろうな。
配偶者を失ったグループはどうだろう?
僕は比較的若いけど、ふつう配偶者を失うのは、もっと高齢になってからだからね。高齢者の自助グループは別の意味で難しいね。
あと、男性の参加もちょっと難しいかな。パートナーであれ、子どもであれ、男がそういう場に参加するということ自体、ひいちゃうでしょ。
でも、パートナーを失ったグループみたいなのが、あるのかなあ?
ちょっと探してみよう。
アメリカあたりだったらありそうかもね。

自助グループ(self-help group)というのは、専門家は関わらず、同じ立場の人たちが相互ヨコの関係で助け合うということだけど、専門家が、この分野にもっと関わっても良いはずだよね。
専門家がリードするグループ療法とか。
西魔女みたいに、個人ベースでのグリーフ・カウンセリングとかね。
あるいは、僕の分野では、家族の喪の作業を支援する夫婦・家族カウンセリングとか。
こういうのを、日本でやってるひとは、ごくわずかだと思う。
この本にも書いてあったけど、子どもを亡くした夫婦が、いっしょにうまく喪の作業を進めるって、とても難しいんだって。そのはずだよね、喪の作業自体とても困難だし、そのやり方・ペースは個人差や男女差が大きいから、夫婦の足並みも当然乱れるでしょう。そのことが、きっかけになって夫婦関係が悪化したり、離婚しちゃうということも、当然起こりうるでしょう。
メンバーを失った家族へのfamily therapyね。
これは、新しい分野だ。日本中さがしても、僕しかできないぞ、きっと(笑)。
それに、日本じゃまだまだカウンセリングの敷居は高いけど、家族を失うというのは、カウンセリングを受ける動機づけとしては入りやすいんじゃないかってね。うつ病とか心の病とかは、まわりに隠すけど、家族の死は、自分たちも、周りの人からみても、大きなストレスが加わっているということは明らかでしょ。それに、自分のせいじゃないから。精神病は、自分の弱さ・失敗みたいな感覚を持つ人が多いから、それを乗り越えてカウンセリングの敷居をまたぐって、結構むずかしいと思うんだよ。それに比べれば、家族の死は、自分は全く悪くない(してあげられなかったと罪悪感を抱く場合も多いけど)はずなのに、明らかに心が痛いから、専門家の支援も求めやすいんじゃないかなってね。

このあたりも、臨床に生かせないか、すこし考えてみようかな。
優子を失った体験を、こうやって僕が生かせれば優子の供養になるし、それによって救われる人がいれば、嬉しいしね。
とりあえず、まだ具体的に動くには早すぎるから、喪の作業を進めるね。

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