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Thursday, March 19, 2009

本当は自信なかったの

Tikiさん。

私、本当は自信なかったの。
Tikiがプロポーズしてくれたのは嬉しかったのだけど、本当にこの人でいいのかなって。
いえ、Tikiがどうのこうのということではなく、自分自身の判断に自信がなかったの。
実は、Tikiの他にも私のことを愛してくれて、結婚してと言ってくれた人がいたのよ。Tikiにもその人のことはちょっと話したけど、ちゃんとは話せなかったわ。
スコットランド旅行も、その人と回ったことがあったの。だから、この写真撮った時も、内心はいろいろ悩んでいたわ。Tikiにもそこまで言えなかったの。

Tikiみたいに楽天的で、前向きな人には、私の本当の気持ちはわからないだろうと思っていたわ。ママとの関係にも悩んでいたし。でも、Tikiが、それは私だけでなく、よくあることだと言ってくれたから、少し安心はしたけれど。
やっぱり、私はしっかりした自分を持てなかったと思うわ。どうしても、まわりの人たちの意向に左右されてしまい、人の思惑に振り回されていたと思う。未熟だったのかしら。そんなことを言う歳でもないのだけど。

でも、Tikiは、そんな私でも、心の底から認めてくれたわね。
身体に自信なかったけど、子どもを3人産み育てることができたのも、
子育てしながら仕事を続けられたのも、
Tikiが認めてくれたからなのよ。
若いころからの夢だった通訳の仕事も、Tikiが応援してくれたから成就できたわ。
英語は好きだったし、唯一、自分でもある程度は自信を持てる部分だったのかもしれない。
でも、通訳の先輩や仲間たちを見ていると、私なんかまだまだ未熟なんだっていうこと、思い知らされたわ。
確かに、やりがいを持てる仕事だったけど、こんなに苦労してまで追求するほどの仕事なのかなって、ずっと悩んでいたのよ。
家庭や子どものことだって。Tikiは協力するとか口では言っておきながら、帰りは遅いし。週末は、ゴルフとか出張とか、私のことはお構いなしに、すぐ出かけちゃうし。本当は、あまり家族のことは考えていないんだなって。


でも、こうやって、天に昇って振り返ってみれば、私も実は欲しいものをちゃんと持てたのかもしれないって思えてきたの。
子どもがひとりからふたり、そして三人と増えるたびに、物理的にはめまぐるしく大変なんだけど、苦労感は少しずつ減っていったように感じるの。子どもたちの存在が自分を認めてくれるというか...
いろんなハプニングがあっても少々のことでは動揺しなくなり、ありのままの自分で行くしかないかなって、腹をくくり、開き直れるようになったわ。
この写真の頃の私に比べれば、だんだんとTikiや仕事の仲間たちに振り回されることも少なくなってきたのかもしれない。私も、ずいぶん成長したのね。
子どもたちが大きくなり、しっかりしてくる結果が目に見えるし、保育園の子育て仲間の層が厚くなり、ずいぶん助けられたわ。Tikiは私を失ったことで、今頃やっと気づいたようね。

愛しい3人の子どもたち。成長していく姿は私の生きがいだったわ。
私を育ててくれた家族。わがままで不満ばかりの私を支えてくれたわ。
やりがいのある仕事。難しいし、ストレスが大きいけど、私の個性を生かせることができたわ。
私を支えてくれた仲間たち。職場の仲間、学生時代の仲間、保育園や学校の仲間。あんなにたくさん私を見送りに来てくれて、ああ、私のことを思ってくれる仲間がこんなにいたんだなって。実は、ここまで言えるのも、保育園仲間のnamiさんが天国の私にささやいてくれたからなの。
そして、Tiki。こんなに悲しんでくれてありがとう。Tikiと結婚できて、本当によかったわ。もう一度、生まれてきたら、またTikiのパートナーにしてね。でも、Tikiにはきっと他にもっと素敵な人がいるから、私のことは選んでくれないかもしれないわね。

45年というのは、私としてもちょっと短かったのだけど、こうふりかえれば、欲しいものをちゃんと持てたのね。

10個さん、ちょっとがんばりすぎてない?
あなたも実は欲しいものをちゃんと持っているのだから!!


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