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Wednesday, January 13, 2010

男性の喪の仕事

今日は、めずらしく日中なにも予定が入っていない(夜は仕事があるのだけど)。
職場に連絡して、自宅で仕事をすることにした。こんな日は、めったにないんだよなあ!
僕の二つの仕事は、本来の仕事と、喪の仕事。
本来の仕事モードでは、自分の感情は棚上げし、与えられた業務をこなす。
喪の仕事モードでは、自分の感情に焦点を当てる。
もっとも、カウンセリングはクライエントの感情の焦点を合わせるし、講演や授業で僕の喪の仕事を題材にしたりしてるから、僕の仕事の特殊性から、この両者はクロスオーバーしてる部分もあるんだけど。

喪の仕事っていうのはね、学生クンたち、悲しみという巨大な感情の塊を、言語・非言語いろんなやり方で表現して、誰かに受け止めてもらい、少しずつ崩しながら整理していく仕事なんですよ。来週来てくれる河辺貴子さんは絵日記という方法で、僕は割とストレートに言葉で表現してますけど。それ以外にも、音楽などの芸術やスポーツもあるかもしれないね。

自宅の書斎で、ひとり静かにPCに向かっている。
PCの横には、iPodに繋げたBOSEのスピーカーから静かなPat Methenyのギターが流れている。その上のdigital photo frameからは、1分ごとに切り替わる優子の写真が映されている。
ゆっくり自分の気持ちと向き合い、そしてそれをブログを通じて伝えることができる、大切な時間だ。

主人の母が優子さんと同じ歳で亡くなっていますが、同居の義父の気持ちを今まであまり考えたことがありませんでした。悲しみを語らない義父や主人も多くの事を乗り越えてきたのだと、ブログを読んで改めて気づかされました。

そうなんです。女性と比べても、男性って、感情を自分自身で感じたり、表現することがとても苦手だと思います。ふつうの状態ならそれでも問題はないのだけど、悲しみ・不安・恐れなど、大きな気持ちを抱えた時、困ったことになるんですよ。
男たちは、たいてい大きな感情の塊を心の内に秘め、漏らさないように、必死に抑え込みます。すると、生活するために必要な他の感情(=意欲)まで抑え込まれてしまい、うつ状態になっちゃうんですよ。それが、引っ込んだ場合。
その逆に、変な形で出てきちゃう場合もあります。男が激しいマイナスの感情(悲しみ・恐れ・不安など)をマトモに出せないとき、何故か攻撃性(怒りのエネルギー)、あるいは逸脱した性的エネルギーに転換して出てきちゃうんですよ。
今日も、大阪で離婚話のもつれから男が銃で人を殺し、自分も自殺する事件がありました。さぞ凶暴なオトコかと思いきや、職場ではマジメでおとなしい性格だったようです。
しばらく前に、子どもの学校の教師が電車の中で「迷惑防止条例」で摘発されて、仕事を辞めちゃったんですよ。こういうのはよく聴く話ですよね。
結果的に、彼らはどうしようもない迷惑オトコというレッテルが貼られ社会から疎外されていくんだけど、本来はどうしようもなく凶暴でスケベな異常性格というわけでもないんですよね。むしろナイーブで自分の気持ちと行動をコントロールできない、弱い男たちなんです。
男は強くなれ!弱ムシはダメだ(キモい、オタク)なんて言われるものだから、ますます自信なくしちゃうんですよ。
弱くて良いんですよね。そこに気づいて、そこからスタートすれば強くなれます。

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