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Saturday, January 2, 2010

気持ちの受け止め合い

12月31日のブログ)
深い感情を表現し、それを信頼できる他者が受け止めてくれる。

これはセラピーに限らず、普通に学校の授業でも見受けられる現象です。教員が心の底から伝えようとすることは生徒も真摯に受け止めてくれますし、たとえ拙くても生徒が独力で考え、発言したり書いたりしたものにはクラスも賞賛を惜しみません。
うまくいっているご家庭ではこうした気持ちの受け止め合いを日々実践なさっていらっしゃるので、お子様もそうした感情の表現と受容が自然と身についているのでしょう。
突然優子さんを失った家族の皆さんは困難な状況と向き合い、乗り越えた分だけ、人生を一段と豊かにする術を身につけていらっしゃるのだと思います。

なるほど、そうですね。
これは、あらゆる人間関係の基本なんですよね。
カウンセラー=クライエント関係
教員=生徒関係
それに、家族関係もそうですよね。
それを応用したのが家族療法なんですよ。
子どもの問題とか、夫婦の問題とか、困難な状況を抱えて家族が支援を求めてきます。
カウンセラーは、まずクライエントとの信頼関係を築きます。
次に、家族間の信頼関係・協力関係を樹立できるよう、側面から支援します。

僕自身にとって、今まで幸せは意図せずとも当然のごとく与えられているものでした。
優子を失い、幸せは敢えて意図して作らなければならなくなりました。それは、僕ばかりでなく、子どもたちも同様でしょう。
反抗してくる祐馬はムカつくけど、その背後の感情を読み取ることができれば、キレつつも話し合いを続けること(negotiate)ができます。自己主張と譲歩をお互いに繰り返しながら、meeting pointを見つけていくんです。

困難な局面は両刃の剣。関係が崩壊する危機であると同時に、それを乗り越えるために家族の潜在力を賦活するチャンスでもあります。
家族はバラバラになるとすごい負担のお荷物だし、逆にひとつうまくいきかけると、すごい底力を発揮するんですよね。
「自然な感情の表現と受容」って、うまくできる人と、ぜんぜんうまくいかない人がいます。でも、それは能力じゃないんですよ。生活体験に裏付けられた習慣だと思うんです。そういう体験が乏しいと、どうやって家族を信頼していいかわからないし、一旦うまく体験できれば理屈抜きで自然にできるようになります。
家族療法では、まずカウンセラーとの関係で、そういうのを体験してもらい、次に、家族同志の間でも実践します。でも、これはかなり難しいんですよ。家族ストレスに直面すれば、どうしてもnegativeな方向に傾き、お互いキレちゃいますから。そこにカウンセラーが介在し、うまい方向に導くわけなんです。たとえばキレるにしても、破滅的なキレ方と、うまいキレ方がありますからね。
まあ、実際にはそう簡単ではありませんが、そこを工夫するのが職人技なんですよ。

1 comment:

  1. 突然メールしたのは、ブログを拝見し心動かされたからです。
    「気持ちの受け止め合い」について考えました。昨年、施設実習で重症心身障害児施設に実習に行きました。そこでは、言葉のやりとりはありませんでした。だけど、気持ちが通じるんです。私がやる気がない気持ちのときは、相手もそっけなくて、私の心(気持ち)が本当に心の底から相手に向いているときは、通じ合うことができるのです。言葉はなくても感情や意思を感じ合うことができるということを実感しました。このようなことが家族でもできればいいのですが、家族だと毎日の生活が先に来てしまって難しいですね。

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