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Saturday, December 5, 2009

濃い夫婦

学生からの質問:
子供ができてから夫婦関係は変わっていくものなのか聞きたいです。
結婚して、子どもができると、それまで全て自分に向いていた愛情が、自分と子どもに二分されちゃうのでしょうか?それとも、2分の1ずつに分散されるのではなく、2倍愛せるようになるのかな?

そうねえ。授業では「愛の質が変わるよ」とか答えたけど。もう少し突っ込めば、
恋夫婦濃い夫婦に変わるんですよ(オヤジギャグ)。

恋愛中とか結婚当初は、根拠ない情熱というか、そりゃあ、優しさとか、ルックスとか、お金とか、それなりの根拠はあるんだけど、今から振り返ればそんなもの大したことなく、とにかくラブラブ・ドキドキ的に向き合えちゃえるんですよ。お互い相手だけを見ているexclusiveな関係として。
そういう時期が過ぎて、子どもが生まれたりすると、日常の生活でたくさん2人が向き合うことになります。良い時はラブラブでいられるけど、たいへんなときはお互いすごくムカつくわけですよ。ムカつく理由なんていくらでもあるからね。

ストレス(危機)は両刃の剣。関係を破壊するか、強めるかのどちらか。

夫婦が海外赴任すると、離婚しちゃうか、より親密になるか、どっちかなんですよ。
でも、海外に行かなくたって、ストレスなんて日常たくさんあるからね。生活、仕事、子育て、いろんな人間関係とか。

質問)お互いに意見が合わず、ムカつくネタができたらどうするか?
  1. 避ける。壁を作る
  2. どちらか片一方が折れる。相補的(complementary)な関係。上下関係というか。下の人が折れて、上の意見が通るみたいな。
  3. それでも向き合って、ふたりが対等に(symmetrical)感情をぶつけ合う。

選択肢(3)葛藤を回避せず、ぶつけ合うとどうなるか?
  • お互いに言いたいことを伝える。相手はそれを受け取って、伝え返す。お互いに主張し合い、ますますムカつく。
  • でも、キレてはいけない。逃げもしない。
  • 言い合っているうちに、譲歩し、妥協する。でも、どちらか片一方がそうするわけじゃないんですよね。双方がお互いに譲歩し合うんです。折り合うというか。そうやって、お互いが納得できるmeeting pointを見つけるんです。
ことばで説明すれば簡単だけど、実際は難しいよ。なかなかうまくいかない時の方が多いでしょう。

それをうまく達成するためには柔軟性が必要です。
相手が折れれば、自分も折れることができる。ちょっとずつ折れ合うわけ。
どちらが先に折れるのはとても勇気がいるんです。冷戦時代の米ソ核軍縮会議みたいなもんで、譲歩したら相手に攻め込まれるリスクを伴います。それをするためには、相手に対する深い信頼が必要なんです。
あと、自分をちゃんと主張する勇気も必要ですね。
自分がバンと前に出て攻めちゃうと、相手が壊れる、もしくは関係が壊れるリスクを伴います。相手に配慮して、やさしく(相手のためなんだよという隠喩も含めつつ)、しかししっかりと伝えるわけ。
こういうのを濃い関係と言います。

こんなことするより、選択肢(1)適当に離れていた方が楽だと思いますよ。
取り繕うことができますから。
生活(経済)や子どものために必要な協力はするけど、あまりお互いに突っ込みすぎず、離れすぎず、適度な距離を保つわけ。近づきすぎるとお互いにストレスが高くなって疲れるし、イヤになるからね。
こういうのを薄い関係と言います。

濃いのと薄いの、どっちが良いとか悪いという問題でもないんですよ。
それぞれ夫婦の好みの問題かな。
優子と僕は濃い関係だったと思います。
ふたりとも子育てのこと、自分のやりたいこと、譲れなかった。でも譲るしかなかった。
選択肢(2)一方だけが割を食う上下関係もイヤだった。だから、戦うしかなかったんですね。

始めの頃は、僕の方が濃くて、優子は比較的薄かったよな。
(空の優子は反論するかもしれないけど、ほっておけ!)
いろんな夫婦見ると、こういうのは珍しいみたい。
女性が濃くて、男が薄いパターンをよく見かけます。
うちは、逆だったから良かったのかも。
結局、優子もだんだん濃くなってきて、濃い目の濃度で調整できた感じだった。
去年の年末は、ちゅけの受験をめぐり、寿司屋でバトルしたからね。お互いに譲れなかった。

なぜ、僕が濃いのが好きかって?
生まれながらのキャラもあるだろうし、両親の影響もあるかも。
子どもの頃、よく食卓でケンカしていた。山育ちの父親は海産物が嫌い。海育ちの母親は大好き。それを出しては、バトルしていた。子どもながらにどうでもいいことだったんだけど。
一見、母親が引きさがるようだったけど、懲りずにまた出してたから、母親なりにずいぶん主張していたんだと思う。そりゃ両親がバトルすれば子どもはびっくり、ドキドキしますよ。でも、大切なのは、その後、譲歩・和解するプロセスも子どもに見せていたことね。自己主張しても平気なんだ、それくらいやっても壊れないほど夫婦の絆はしっかりしているんだとわかれば、子どもは安心できる。

仕事にcommitして、家庭不在の父親が多いけど、僕はそれは避けたかった。
それも、僕のふたりの父親がモデルになったな。(後でもう少し説明する)
でも、優子から言わせれば、僕は十分不在だったんだよな>なあ、優子!?
それも、定番のバトルネタ。今となっては懐かしいよ。

もっと薄い夫婦だったら、優子がいなくなっても、多少は楽だったろうか?
濃い分、喪失の痛みも大きい。

そういう意味じゃあ、子どもたちとも濃い関係を僕は好む。
男の子たちはそれほどでもないけど、娘とは濃い。特に母親がいなくなり、唯一の親になり、濃縮してきた。

パパはそういうのが良いんだよ、祐馬ちゃん。濃い親子でいようね。
明日から、ふたりで札幌だ!

1 comment:

  1. パパ娘で札幌へお散歩ですか?いいですね♪

    先日、ご近所の手動の信号機をパパとお嬢さんとカイくんで仲良くお散歩中の後姿を車の中からお見かけしました。
    濃ゆいい時間をお過ごしだなぁ~と、こちらまでほのぼの。

    来月は、道中渋滞などに嵌らなければ、優子さんの会に長崎直送のカステラお届けできるかな?と画策中です。


    今年の保育園の冬の企画は、スキーのできない雪遊び中心の冬山が会場になる模様なので、OBスキー企画は別途かなぁと思ってます。しかし、Zが3月全国大会に行くことになり、2月は壮行会の開催&準備などでてんてこ舞いになりそう。都大会で準優勝だと春の全国大会、優勝すると夏の全国大会なので、来年はぜひとも夏の全国大会にしてもらって、OB企画スキーを実現させたいなぁ。。。と思ってます。

    パパと長男は、スキー&スノボーできなきゃ楽しくないじゃん(きっぱり!)なので、保育園企画には私と下二人で参加になりそうです。

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