Send your message to lettertoyuko@gmail.com


Sunday, February 8, 2009

パンドラの箱


優子

二日もブログを開けたの、初めてだね。
読んでくれている友だちが心配してメールくれたりして。ありがたいよ。

忙しかった一週間を、昨日の午前中、無事に終えられたんだ。
世界からの研究者仲間5人(後半は10人)との集中的なディスカッション。まるで、JASCだね。夜も、彼らの各国料理屋に行ったりして。優子のことなんか忘れるくらい集中できたよ。すごいでしょ!
今度はこれをネタに論文を書くんだ。久しぶりに国際誌に投稿するぞ!本を出そうという仲間もいたくらいだから、今後も発展できそうだ。

そんで、昨日はお昼過ぎに連中と別れ、子どもたちと過ごした。今は、子どもたちとの生活が何より大切な気がする。
まだ、お葬式のビデオは見れないけど、優子との結婚式のビデオを探していたら、押し入れからパンドラの箱が出てきたよ。大きめの収納ケースは優子のお宝で、僕は絶対見ちゃいけなかったんだよね。
見ちゃったよ、全部。
子どものころからの日記や、通信簿や、写真や、手紙類など。失敗しただろ、そっちに行く前に処分してなくて。もう、遅いよ。
ずいぶん、マメに取っておいたんだね、元カレの手紙までちゃんとファイルして。僕なんかほとんど捨てちゃっているのに。結構、優子も恋をたくさんしていたんだねえ。多感な少女というか。僕の前ではウブな乙女を演じていたけど、安心したよ。僕だけじゃなくて。
僕も知っているユカ・リカ・タミヤンたちからの手紙もあって、30年前と今が僕の中でも微妙にクロスオーバーしている。
正に、パンドラの箱。何が出てくるかドキドキしているんだ。今まで、一生懸命、僕の記憶の中の優子をかき出してきたけど、これを見ていると、僕の知らない新しい優子が見えてくる。優子のイメージを再構成しないといけないので、ちょっと戸惑っているけど。でも、これはラッキーだぞ。優子がいなくても、優子との関係を発展させられるからね。一方的にだけど。
箱を押し入れから引っぱり出して手元に置いて、寂しくなったらちょくちょく眺めてるからね。

でも、これは小さい頃から結婚するまでの箱なんだ。
結婚以降の箱はどこかにないの?そしたら、面白いのになあ。もうちょっと家探しをしてみよう。

----
シカゴのチャックが久しぶりに奥さんの里帰りで帰ってくるんだって。彼へ送ったe-mailだよ。

I am now in the biggest sadness and pain in my life since the beginning of this year. I am sure this is the biggest even compared to any kind of experiences I may go through in the rest of my life.

I suddenly lost my beloved Yuko by heart attack on Jan 3rd. She had a long standing heart disease and had by-pass operation 20 years ago. She was recovered, and doing fine until the very last moment. She and I were enjoying snow ski with children in our favorite mountain near Kusatsu, when she suddenly fell down, and lost both consciousness and heart beat at once.

Since then, I do not know how I have survived. I had a funeral, went back to work after a week, looking after the three kids, etc. But I am doing OK. So many people helped me. Our Tokyo brothers were certainly of great help since right after her death, during the funeral, and even now.

I can go on talking like this, but I stop here. That's why I want to be with children as much as I can. But I also want to share my feeling with you, so let's see and arrange how we may be able to meet. 


Tiki.

4 comments:

  1. Tiki、優子です。

    私はこちらで元気でやってるわよ。
    たみやんにも会えたわ。
    ふたりでTikiのうわさ話してたのよ。
    Tiki先生にはお世話になりましただって。
    でも、診察室では壁に向かって話しているみたいだったと言っていたわ。そのあたり、あなた、もうちょっと工夫した方が良いんじゃない。まあ、だいぶ昔のことだから、今は改善していると思うけど。

    あの箱、見たのね。
    別に見られて困るようなものはないし、Tikiだったら理解してくれると信じているから、いいのだけど。

    でも、やっぱりちょっと抵抗あるわ。
    私もTikiと同じように、結婚する前に付き合っていた人はいたわ。私なりにずいぶん悩んで、気持ちを整理してから、Tikiと結婚して、一生人生を共にしてゆこうと決心したのよ。その途中には失敗したり恥ずかしいこともあるのだから、そこまでTikiが知らなくてもいいんじゃないの。Tikiは強いから大丈夫だとは思うけど、もしかしたら傷ついたり、私のことでがっかりしないかと思うと心配だわ。

    それに、手紙を出した人はまだそっちで生きているのよ。その人たちのことも気遣ってあげてよ。

    こちらにきてまで、いろいろ言いたくないけど。
    でも、これも、Tikiのことを心から愛しているから言うのよ。あなたと一緒に過ごした21年間、細かいことではいろいろあったけど、幸せだったわ。本当に、Tiki、感謝しているからね。そのことだけは疑わないでね。

    ReplyDelete
  2. そんなパンドラの箱がでてきたんですね。
    でも、この箱をわざわざ見てはいけないと、いうなんて、やっぱりTikiさんのことを信じていたのですね。
    (私なら、まずいなと思うものは、処分してしまうし、箱の存在は絶対かくすな)
    それでも、もと彼への手紙を目にしたら、やはり、感情的には、もう完全に終わったまったく昔の出来事でも、ちょっと妬いてしまったり?とかありませんでしたか。
     最近は、優子ちゃんのことを考えると、今までは、ほとんど思い起こすことのなかった大学時代のことを、思い出すことがあります。でも、20年以上たったんだな、あっというまに過ぎてしまったなと。
     特に、子育て真っ盛りの間は、大変でしたが、今振り返るととても短期間に過ぎてしまったような気がします。
     私の夢の中にも優子ちゃんがでてきてくれて、大学時代の思い出を少し話したいなと思います。
     今なら、少し余裕があるから、昔の馬鹿話でもできるのにな。
     

    ReplyDelete
  3. 「往復書簡」を読んで、色々考えさせられました。

    私も、押入の奥や、パソコンにパスワードを書けてしまって
    あるドキュメントを、処分すべきかどうか、時々考える
    ことがあります。

    まぁ、まだ早いから良いか、と思ってそのままにしてありますが。

    「書いた相手方の人はまだ生きているのだし、配慮して」という優子さん
    のコメントはその通りですね。

    亡くなっても、奥様との関係を再構築していくというのは
    生き生きとした関係を保つためにも、生産的かつ前向きで
    すばらしいことだと思います。

    まだまだ応援しています♪

    ReplyDelete
  4. Mikiさん、そのドキュメントを思い切って奥さんに見せたらどう反応するでしょうかね?信頼してくれる?

    元カレに「ちょっと妬いてしまったり」ということでは、いろいろエピソードがあるんですよ。次はそれを紹介しますね。(こんなに書いちゃって良いんだろうか??)

    ReplyDelete