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Tuesday, April 3, 2012

ちゅけへのはなむけ:医学部

さっき、キップの有効期限は短くなったと言ったけど、未だに一生有効(と世間では思われている)分野があるんだ。それが医学部。そのことにこだわるのはちゅけではなくて、パパ自身の問題なんだ。
よく知っている人から、センセ、息子さんも先生と同じ学部に行くんですか?
とか、結構まわりはそういう目で見るんだ、世襲制みたいにね。まあ、昔はどの商売も世襲制だったんだけど。
世の中にはいろんな資格があるけど医者と弁護士の資格はやはり飛び抜けているよね。資格がないとやっちゃいけないし、高い技能が求められる。自分は知識がないから「先生」を信じてお任せするしかない。社会的な地位は高い。しかも独占仕事だからたくさんお金が入る仕組みが整っているし。
弁護士さんの狭き門は大学を出た後の司法試験だけど、医者のキップは医学部に入ることなんだ。大学でよっぽどおかしくならなければ、医師国家試験はまあだいたい受かるし、一旦免許を取得すればよっぽどのことがない限り一生通用する。とても守られた世界(保守的)なんだよ。だから「良い職業」であることには間違いないんだ。

それをパパは子どもたちに期待してるかってことなんだ。
そりゃ、子どもたちも医者になってくれたら嬉しいと思うよ。どうして?
パパ自身が自分の仕事を大切に思い、プライドを持っているからかな。
パパのアイデンティティ。パパは自分がお医者であることで自信を得て、自分を肯定して、幸せだと思っている。もちろんそれだけが幸せの源泉ではないよ。ママと結婚して、子どもたちがいて、友だちがいて、スキーやチャリをして、美味しいものを食べて。み~んな幸せにつながるんだけど、職業としての医師のステータスもやっぱ幸せの源泉なんだ。
子どもたちにも職業に誇りを持ってほしい。パパは医者と大学の先生しかやったことがないから、他の仕事がどうなんだかはよくわからない。ママは銀行員とか国連職員とか通訳とかやっていて、楽しそうにも大変そうにもしてたけど、ホントのところはどうなんだかわからない。

まあ、子どもたちに医学部に入ってほしいとしたら、それくらいのところかな。別に町医者じゃないから家業を継ぐ必要もないし、偏差値の高い大学や学部に入れて人に自慢したいわけでもないしね。いや、結構いるんだよ。親の七光りの逆バージョンの子の七光り。韓国では息子二人をソウル国立大学に入れた母親が本を書いて有名人になったんだって!
ちゅけは自分の好きな、自分の特性を生かせる分野に進みな!仕事を自分の生きがい・やりがい・楽しみにできるって素晴らしいこと。仕事して仲間がいるからってのは楽しいとしても、仕事の中身自体を楽しめるって結構少ないよ。辛くても、大変でも、やりがいがある、やってよかったと思えれば一番良いと思うんだ。

それに、ここだけの話だけど、お金持ちだけど不幸なお医者さんもたくさんいるんだ。たとえば、家族がうまくいかなくなりはじめると、偉そうにしていることが却って災いして不幸のスパイラルをくるくる落ちていく人もいるんだよ。外側からうまく隠して見えないだけで、実際かなり深刻なんだ。無理してグリーン車の指定席を得ようとすると、あとで辛い思いをする。大切なのはお金や地位じゃないんだ。かえって不幸になることだってある。一番大切なのは心と人だよ。

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