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Saturday, August 15, 2009

白根火山と芳ケ平湿原


草津滞在も残すところあと1日、みんなで登山ハイキングを楽しんだ。

前日、炊き出したおにぎりと麦茶ペットボトルをナップサックに詰め、子どもたち7人と、その保護者たち5名が、まず標高2161m、白根山の湯釜に向かった。魚も住めない超酸性の火口湖を遠くから眺めた後、下り道の途中、観光ルートから外れた静かな場所を選んだ。上州の山々を見降ろす大パノラマ。眼下には万座プリンスホテルが見える。

みんな、あそこに白い大きなホテルが見えるでしょ。あの一帯が万座温泉スキー場。ママちゃんは、寒い冬にあそこで亡くなったんだよ。

ピラミッド優子を作るときに細かく砕いた優子の一部を小瓶に詰めて持ってきた。
さあ、みんなでママちゃんを、この広い空に放してあげよう。

祐馬は半分イヤな顔。
えー、パパまたそれやるわけ!まったくー。
どうぜ、また泣くんでしょ。

泣かないから大丈夫だよ。

祐馬とじん、それに見守ってくれる仲間たちに手には少量の優子の遺灰を置く。
祐馬はブツブツ言いながらも、ママを手のひらに載せてくれた。
さあ、いち、にの、さん!

空高く、優子が舞い上がった。
さあ、これでママちゃんは、いつもお空を自由に飛び回ってるからね。

その後は、ハイヒールとサンダル履きの観光客たちが群がるレストハウスを離れ、芳ヶ平湿原へ小一時間の静かなハイキング。草木も生えない硫黄臭が漂う白根火山の山裾を抜けると、草津と白根の山々に囲まれ広大な湿原が広がる。緑と水が豊かな湿原には尾瀬ケ原のような木道が整備され、子どもたちは先に走っていく。点在する池糖のほとりの木のベンチでお弁当を広げる。カルガモの親と赤ちゃんがどこからともなく現れ、我々を歓迎してくれた。

3 comments:

  1. これを書いて寝たら、万座プリンスの夢を見たよ。

    じんと二人でスキーに来ている。大学時代の仲間も一緒だ。なぜか旅館の仲居さんみたいなオバサンが部屋に来て、「スキーにしますか、スケートにしますか?」と尋ねるんだ。仲間は、「フィギュアスケート」なんて言ってるけど、じんは「スキー」と言う。ふたりで、スキーを楽しんでいる。
    なぜか、他の子どもたちや、優子はぜんぜん出て来なかったんだけど。

    今回の草津でも、スキーの話はちょっと出た。
    じんは、今まで好きだったんだけど、
    「僕は、スキーは嫌いだ。やりたくない。」
    というんだ。
    「ママがスキーで死んだから?」
    と尋ねると、何も言わずに、僕を叩いてきた。

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  2. 草津での楽しい休暇をありがとうございました!
    どこにもかしこにも優子さんの不在が凄い存在感で存在していたなぁ。でもそれを逆手に?!とって、別荘にも優子さんの写真があって、優子さんの話題はタブーじゃないんだよ、っていう無言の気持ちがあったから、辛い辛いという気持ちにはならなかった。それはtikiさんのやり方のおかげだと思いました。ある意味、強制的にだけど、思い出さないわけには行かない場所で、優子さんをあちこちに出現させるっていうかね。それは幼い子供たちにはちょこっと辛そうにも思うけど、でもそうやって不在をしっかり実感しながら、頭じゃなく体でそれを実感しながら、やっていくんだろうなぁ。
    優子さんの灰を撒かせてもらって、なんだかもったいないような、お空に返したくないような、そんな気持ちになりました。

    草津のおうちは子供たちが親になって、その子供たちをつれてくるようになると思います。
    私の基盤をつくっていることの多くが、夏休みと冬休みを家族で過ごした山小屋とともにありますから。そして、そこに小さな子供たちを連れて行くことができるのは、最高の贅沢だと思っています。

    祐馬、
    バトミントン、楽しかったね!
    テニスコートに寝転がって星をみることができなかったことが唯一の心残りだけど、でもまぁ、満天の星空は見れたもんね。
    足を怪我しちゃったせいで、一緒に湿原ハイキングができなくて残念だったな。
    来年は体力つけて、祐馬パパともう少しハードな山歩きができるかな。

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  3. 支えてくれて、ありがとう!
    小瓶に優子の遺灰はまだ残っているんですよ。
    これって、まだ、優子にしがみついていたい僕の気持ちを、少しずつ離していくための儀式なんです。これで、山の方はカバーできたから、残りは優子が好きだった海に放そうかな。

    優子の話題に触れてくれるって、難しいと思うんです。みんな、僕や子どもたちの気持ちにとても配慮してくれるから。僕としては、優子のことを何度も何度も話しながら、ゆっくり優子にさよならを告げたい。いつまでもさよならできない方が辛いから。でも、子どもたちはまだその準備ができていない、そうしたくないかもしれない。人それぞれ違うし、そこまで配慮しきれないじゃない、ふつう。

    だから、草津でゆっくり優子のことを話せて、とても嬉しかった。

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