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Friday, August 7, 2009

ふるさと

The first day of my L・O・N・G V・A・C・A・T・I・O・N

今年は、10日間確保できた。
研究室の秘書が「先生、このところ若ナビで忙しかったから、ゆっくり休んでください!」
ありがとう!そう。この春、ひとつ新たなプロジェクトを立ち上げたんだよね。みんなの力を合わせて。だから、今はのんびり身体と心を休めてもいいんだ!羽根尾ではねをのばそう!

I want/need to relax and be in touch with myself.
初日は、野尻湖に子どもたちと行き、西魔女に会ってきた。午前中は僕も一緒にカヌー遊び。インストラクターに教えてもらい、湖の風と水が気持よかった。
午後も子どもたちはカヌーを続け、僕は西魔女の家へ。彼女は親の代から日本に居るんだ。父親が60年前に建てた湖畔の家が彼女のsummer house。彼女にとって、ここはふるさとなんだ。

Be in touch with the Mother Nature.
長野は僕にとってもふるさとだ。高校時代の山岳部。たった3年間だけど南・北アルプス、八ヶ岳、奥秩父あたり、新宿23:55発の夜行列車でずいぶん来たもんだ。立山から槍ヶ岳至る裏銀座、扇沢から白馬岳への後立山連峰、北八ヶ岳から赤岳へ、甲斐駒・仙丈・北岳、、、どれも懐かしい夏の勇壮な稜線の縦走。野尻湖にも30年前、父の外国からの友人を訪ねて、湖畔をチャリで一周した(そういえば、昔からチャリやってたんだ)。だから、普段の東京真ん中ではなく、敢えてここで会うのは、彼女にとっても、僕にとっても懐かしいhomecoming。

Be in touch with my ふるさと。
群馬も僕のふるさと。生まれ育った東京も好きだけど、本当に好きなのは山の中かも。群馬の山奥、平家の落ち武者部落(観光ブームの今は、常に全国温泉ランキングの上位にいる温泉宿場)に父親は生まれ、子ども時代は家族でよく行ったもんだ。先祖代々のお墓があるんだよな。そこから山一つ隔てた草津を10年前に買った。優子と僕にとってのくつろぎの場。子どもたちにとってのふるさとになった。

Be in touch with my children.
じんが起きてきて、僕の前に座っている。
「夏休みの自由研究どうしようかなあ・・・」
「そうだね、お家のまわりに、たくさん素材があるよ!」
「弓矢みたいなの、作ろうかなあ・・・」
さっそく、のこぎりとナイフで木材を切っている。
ふだんの生活では子どもたちと一緒に居たくても、こま切れの短い時間しか確保できない。今日から10日間、ずっと祐馬じんと一緒に居れる。
「毎日、午前中は静かに勉強しようね。夏休みの宿題、済ませちゃいなさい。パパもひとりでやりたいことがあるから。そして、午後は一緒に思いっきり楽しもう。」
でも、ちゅけは夏休みも毎日班活があるから、草津に来れない。
「ああ、僕も草津に行きたいなあ!」
そう、去年の夏は、パパとふたりでたくさんテニスしたよね。まだ、僕の方が強かった。来年あたりはちゅけの方が強くなるかなと思ってたけど、ちゅけは高校に入り、バレー部に転向し、家族より班活の仲間を選んだ。僕もそうだったもんなあ。高校では夏合宿山行でふるさとには帰れなかったよ。
ふるさとは、子ども時代の10年間にできあがる。

Be in touch with my friends.
祐馬は文鳥2羽とカイくんを連れてきた。
ママはいないけど、カイがいるからね、さみしくないよ。それに、友だちもたくさん来てくれる。一緒にBBQやって、ハイキングしよう!
MONTBLANCの万年筆と便箋を持ってきた。このペンを握ると、中学時代の親友の中にいる優子と、アメリカでhome stayしていた高校時代の僕に出会える。電子メールではなく、このペンを使って手紙を書こう。優子を亡くした1ヵ月間、たくさんの人からメールや手紙のメッセージをもらった。まだ、何人かの人には返事しきれていないんだ。僕の教え子もそのひとり。彼女自身、流産で子どもを失ったことも書いてきてくれた。ゆっくり返事を書こう。

Be in touch with my sadness.
1月3日、優子はここから30分のスキー場に出かけたまま帰らず天に昇っちゃった。この空に漂っているんだよな。
夏の草津音楽フェスティバルにもよく行ったよね。BBQが焼きあがる間、優子はよくこの家でフルートを吹いていた。その音色も天に吸い込まれたまま戻ってくることはない。優子を失い、子どもたちも遠からず家から巣立ってゆく。この家も使わなくなるな。そうなったら売却しよう、、、と考えていたのだけど、西魔女と話して考えが変ったよ。子どもたにとって、ここはふるさとなんだ。子どもたちは、成長した後もどって来れるように残してあげないと。この場所に優子の灰を鎮めよう。

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