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Saturday, March 19, 2011

山中温泉

1年半前、優子を失った年の夏に、保育園仲間エドヒさんの別荘へ子どもたちと行った。
その帰り道、伊東の駅前で、ばったり大学の同僚と出会った。彼は10年前に奥さんを亡くし、自分自身が喪失から回復していくプロセスを本にして出版した心理学者だ。私のこともずいぶん応援してくれた。

出くわした時、彼は女性の友だちを連れていた。紹介してくれたものの、恥ずかしそうにあまり言葉も交わさず、足早に過ぎ去っていった。

私はその時、とてもホッとして気持ちが安らいだことを覚えている。
当時、まだ悲しみの最中にいた私にとって、彼はそれを乗り越えた先輩格だ。
悲しみのトンネルの中から、出口の灯りが見えたような気がした。
でも、それはまだはるか遠い先の光の点でしかなかった。

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