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Sunday, March 13, 2011

卒業生のお祝い会

昨日は、震災後の落ち着かないときだったのに集まってくれてありがとう。
いろんな送別会とかしてくれるんだけど、これが一番楽しみにしていたよ。
大学に赴任したのは19年前。まだ私が35歳だったんだ。一番初めのゼミ生の卒論発表会が、長男の出産予定日と重なって。もし陣痛が始まったら君たちの発表はほったらかして病院に行くからと宣言したけど大丈夫だったことを思い出す。そのちゅけもこの春から高校3年生になる。
実は前々から、臨床に戻りたいとは思っていたんだ。どうも、大学の授業とか会議には最後まで適応できなくてね。
私は人と交わることでエネルギーというか生きがいをもらえるみたい。
患者さんとの一対一の対話。
家族との対話。
でも、授業はダメなんだ。
ゼミは例外だよ。みんなとの卒論・修論指導の個人的な対話は、とても面白かった。何年たってもこうやって親しみを感じることができるからね。
みんなは卒業して、生活も仕事も別になり、普段は年賀状くらいで普段は音沙汰ないけど、僕が辞めるとなると、結構みんなにとってショックだよね。みんなにとっては、大学に行けばタム研がある、自分の古巣がそこにあるんだということが安心感につながるでしょ。別に、普段は古巣に戻る必要なんてない。でも、何か困ったことが出来たり、気弱になると、ふと古巣のことを考えたり、ちょっと戻ってみたりするんだよね。でも、大丈夫。タム研は不滅なんだ。
前々から、開業したいなという思いは持っていたんだ。教育よりは臨床の方が性に合っている。
教育は、教える人と教わる人の年齢が近い方がよいと思う。赴任し始めた30代の頃は、よくカラオケにも一緒に行ったし、教え子のことを、マナミ、ソーコ、とか、友達ため口で呼んで、となりの教授から「センセ、そういう言い方はあまりよくないですよ」と注意されたりしてね。でも、最近はそう呼ばなくなったし、カラオケにも行かなくなったし、もうみんなのお父さんの年だから、距離を感じるよね。
一方、精神科医は年の功で結構うまくいったりする。外科は手が震えてくるからダメだけど、精神科医は年をとるほど味が出てきたりする。ボケさえ起こらなければね。
だから、年をとってもずっとやっていきたい。よく80歳、90歳を過ぎても現役の医者でいる人がいるじゃない。ああなりたいな。新しく開業するなら65歳の定年退職を待たずに、まだ元気のある50代に切り替えたいと思っていたんだ。
でも、積極的に切り替えるだけの動機付けもなかった。
そこで、妻が亡くなったでしょ。みんなも、草津のゼミ合宿や、卒業後に家に呼んだときなんか、妻にもあったよね。
僕にとっては、人生のリセットをかける必要ができたんだ。父親役はリセットできないけど、仕事ではリセットをかけることにしたんだ。妻を亡くしてすぐそう思っていたけど、大きなショックの後には大きな判断はしてはいけないという原則があるんだ。時々お疲れモードになると、ああいよいよ僕にもうつがやってくるのかなあと感じたりして。でも、もう一晩寝ると治るから、週末に遊び過ぎただけということがわかったりする。
2年経って、うつにもならないことと自分の判断にも自信を持てるようになり、こうやって大転換することにしたんだ。

それで、新しいクリニックの屋号を考えていて、○○クリニックは何となくいやかな。病気を治療するということではなく、カウンセリングや診療もやるけど、もっと講座とかセミナーとか、スーパービジョン、コンサルテーションなんかもやろうと思っているんだ。どいうことは、今やっている仕事と似ているというか、その発想は20年間大学でやってきたことだったりする。そんなわけで、新しい屋号は「○○○研究室」としたんだ。大学のタム研はなくなるけど、広尾に引っ越すだけで、タム研は今後も存続するよ。自由診療だから高いんだけど、教え子割引も作ろうかな。というか診療じゃなくて、遊びにおいでよ。

先生はいつでもお変わりなく、笑顔がステキで安心します。新しいタム研楽しみですね。

先生にお会いするだけで本当に安心し、不安が自信になることが多く感謝しています。

大学にたむけんがなくなってしまうのはとてもさみしいですが、新しいたむけんも楽しみです。

人生の転機を迎えたとき何故か先生に会いたくなって話がしたくなってメールをしたりたむ研におじゃましたりしました。

この歳になってようやく先生の話すことの一つ一つが胸にスッと吸収されます。

アウトドアが好きで、いつも穏やかな先生はどこか父親と似ていて安心します(笑)。

先生の指導の中で自分と向き合うことで、何を大切に生活しているか、ということを自分の中に明確に持つことができるようになりました。
先生の別荘で食べる食事は格別で本当においしかったです。
家族のことを大切にしながら新しい道を歩んでいく先生のことを応援しています。

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