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Sunday, October 10, 2010

結婚記念日

京都へ向かう新幹線の中。
とても気持ちが落ち着くひと時だ。
ひとつの現実から、離れた場所の別の現実へタイムスリップする間のわずかなひと時。明日には、また元の現実に戻ってくる。どの現実からもかい離した空間で、ゆっくり自分の内面に向き合える。
ラミーの万年筆にバイオレットのインクを詰め替えたんだ。黒やblue blackとは違う、パステルカラーの優しい色。直接ノートPCかiPad/iPhoneに入力してもいいんだけど、いったんアナログに落とすと落ち着くんだ。
今回は荷物が少ないのでテルモスの保温ジャーを持ってきた。品川駅のスタバでカフェモカを入れたら、京都まで温かいままもつかな。普段の通勤電車では仕事の本を読むか原稿書きに追われている。普段は読めない(気持ちにその余裕がない)文庫本を3冊カバンに入れた。あと、いつもどおり書きかけの原稿も。どうせ手につかないだろうけど、念のため。

今日は23回目の(、、、そして、優子がいなくなって2回目の、、、)結婚記念日。
大丈夫だよ、オレは前に進んでいるから。ウジウジ優子の面影にしがみつくほど弱虫じゃあない。そう、京都に向かっているんだよ。(去年の今日も新幹線に乗っていたんだ。ブログをみたら)

でも、オレはどこに行くんだろう?
今みたいに迷っているのは、若い頃だった。
大学を出て、優子という伴侶を得て、留学・就職、そして三人の子どもたち、、、
選択肢をひとつずつ選びとり、歩む道は確定していた。安心して迷うことなく、家族というパーティーを組んで稜線を縦走していたんだよ。
そしたら、急に同行者が足を滑らせ谷に落ちて消えちゃった。

でも、大丈夫。オレは山岳部で鍛えていたんだ。
高校3年生、アメリカ留学から帰国した夏、後立山連峰の単独縦走だってこなしたんだぞ!それを区切りに、大学受験の勉強に向かったんだ。

今、霧はかかっていない。
道は自分で切り開ける。
たくさんの人々がまわりから支えてくれている。
かけがえのない三人の子どもたちもしっかり一緒に歩んでいる。
でも、同行者がいないんだ!

それがなんだ!
オマエ、山岳部なんだろ!?
単独行だってできるんだろ!
山麓から稜線までの樹林で覆われた辛い登りのアプローチは終わったんだ。すでに、樹林帯は超えている。見晴らしの良い3000m級の山々をめぐっているんだろ。
十分、ひとりで、子どもたちと歩んで行けるはずだぞ!

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