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Monday, January 18, 2016

父の終焉日記:1月17日

じいちゃんは、ゆっくり理性がはがれ落ちてきているって感じかな。
身体機能はまあまあ落ち着いてはいる。血圧が90代でちょっと低めだが、もともと血圧は低めの人だからまあ許容範囲かな。
むしろ、精神機能が下りてきている。
病院に入院していた方が合理的な看護・医療を受けられるけど、患者本人にとってはアウェーの感覚、緊張しなければならない。家庭にいればホームだからリラックスできるし、サポーターもたくさんいる。ホームにいれるじいちゃんにとっては良い環境なんだよ。
リラックスできるって、のんびり、本来の自分が出せる、いつわらない素の自分でいれる、緊張感を下げられるってことは、理性をあまり使わなくて良い状態なわけ。
特に夜間が緊張レベルが下がるんでしょうね、夜から朝にかけてがわけがわかんなくなっちゃう。
「おばあちゃん、お水ちょうだい。」
「もうオレ、外に出たいよ。中にいるのやだよ。」
「子どもの頃の自分が一番良かったから、、、」
昼間に、ヘルパーさんや外部の人が入ると、多少は理性を戻して普通に振る舞ったりするんだよ。特に看護師さんが若い女性ですごく元気がいい。訪問看護でこういう老人との関わりに慣れているんだろうね。わざとやってんのか、テンションを上げて接してくれるわけ。するとじいちゃんもばあちゃんもつられてテンションを上げられるというか、笑いも出たりして良いんですよ。
いずれにせよ、ホームに居られるじいちゃんには良い環境で、安心して降りて行けるんだ。

問題は、ばあちゃんなんだ。看護師、医師、ケアマネ、ヘルパー、リハビリマッサージ、訪問入浴、、、ホームにたくさんの外部の人がやってきて、ばあちゃんにとってはホームがアウェーになっちゃった。
通常の体力・聴力・理性・精神力があればその緊張にも対応できて、じいちゃんをひとりで看なくて良いから楽になる筈なんだけど、むしろばあちゃんにとっては、そういうたくさんの人たちに対応しなくちゃいけないということが過大なストレスになっている。ばあちゃんにもプライドがあるんだ。家に来る人はばあちゃんが主婦(ゲートキーパー)としてしっかり把握したいけど、一度にどっと押し寄せたもので、ばあちゃんのキャパを越えてしまったんだ。
でも、ばあちゃんはまだ適応力が残っているから、多少時間をかけて慣れてくれれば良いなと思っている。

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