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Sunday, November 21, 2010

ピアノの調律

そろそろピアノの調律を頼もうかねえ。
パパは最近あまり弾いていないけど、祐馬が時々弾いているし。
パパは、もう売っちゃおうかなとも思ったんだけどね。
大阪の高木ピアノさんに電話して、来てもらった。2時間くらいかけて、調律が済んだ。
かなり狂ってました?
はい、そうですねえ。
もう、2年以上、もしかしたら3年くらい調律していなかったからね。
このピアノは大阪でしか売っていないんですか?
いえ、東京でも取り扱っているお店はたくさんありますが、奥さまは私のところでいろいろ選んでいただきました。
僕はどうせ買うなら夜でもイヤホンつけて楽しめる電子ピアノでいいじゃんと行ったんだけど、妻は結構こだわっていたでしょ。
はい、このグロトリアンというピアノはドイツの100年以上続いている小さなメーカーで、人に言わせればアップライトピアノの中で世界一という人もいるくらいでして。奥さまは確か通訳をされていましたよね。私が「フランスのこういうメーカーもある」とご紹介すると、すぐにご自身でもネットで調べて、「この機種はどうでしょう」とお聞きになったりしてましたよ。
そんな違いを気にするほど上手でもないのに。
いえ、上手、下手は関係ないんです。
いや、僕なんかはそういう違いを気にするというか、違いが分かるほど繊細でもないんですけどねえ。
でも、確かに調律されたピアノを弾いてみると、見違えるように良い音がする(気がする)。

でも、調律屋さんが来るんで、部屋を片付けるのが大変だったよ。ピアノの周りには2年間
手つかずの優子の「お宝」類がごっちゃごちゃに積み重ねてあったんだ。子どもの頃の写真や日記帳、友だちや元彼からの手紙:かなりの量をひとつずつクリアファイルに入れて丁寧に保存してある。すごいね、優子が僕にくれた手紙はとっくに捨てちゃってるのに。去年の春、押入れの奥から発掘して、捨てる気になれず、かといってまた押入れに戻して永久に保存する気にもなれず、部屋の片隅にずっとほっておいたんだ。
1年過ぎ、ほこりにまみれ、そろそろ処分しないとな、もう捨てる気にもなってきたけど、なかなか手間をかける時間とincentiveが得られなかった。
調律屋が来る30分前にあわててごっそりリビングに持ってきて、調律している2時間の間にどうにか仕分け出来たよ。
とっておくもの⇒子どもの頃の通信簿、卒業証書、写真、日記帳(祐馬が捨てないでって)、結婚前に僕が出した手紙。
捨てるもの⇒友人と元彼からの手紙、同級生の名簿、仕事関係の書類、優子の心臓のレントゲン写真、イギリスの病院からの紹介状、優子の症例が記載された医学論文、年金手帳、電子手帳(ザウルス)、などなど。
これで、山積みだった品々が大きめの整理箱ひとつと、5つの大きなゴミ袋に仕分けできた。ここまで小さくなれば、押入れに戻してもいいかな。また何年か経ってから仕分けしなおそう。一遍にではなく、少しずつ段階的に小さくなっていく。大切だったものを捨てるのは、けっこう勇気がいるよな。
でも、そのおかげで、散らかっていた寝室がすっきりして、だいぶスペースが増えた。
優子の思い出を放したら、新しいスペースができた。
その一方で、優子が思い入れたピアノは甦った。

さあ、これで片付いたね。
息子たちの夕食はおばあちゃんに頼み、祐馬といっしょにDavidやKhawlaに会いに鎌倉へ行こう。

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