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Sunday, April 4, 2010

鎮魂の温泉旅行

愉しみの旅 vs.哀しみの旅、癒しの旅 vs.緊張の旅、自由の旅 vs.義務の旅、賑やかな旅 vs.孤高の旅。旅にもいろいろある。

上野から特急草津号で輪行。ひとり旅は集中してイメージを膨らませることができる至福の時間。二時間はあっという間だ。四時間くらいでもいい。集中力が途切れたら、車窓を眺めれば良い。飛行機や新幹線だとそういう訳にいかない。揺れがもうちょっと少なければもっと良いのだが。

中之条で下車、BD-1を組み立て、四万温泉まで15km、標高差約300m。バスで30分のところを1時間半かけて到着。鍾寿館は父親の実家だ。祖父母の眠る先祖代々の墓参りを済ませ、温泉に浸かりながら大学院時代の仲間たちの到着を待つ。

20代の後半、ちょうど恋愛⇒結婚の頃、夫婦一緒によく遊んだものだ。国内や国外、何度旅行に行ったことだろう。結婚式では司会を頼み、バイオリンも演奏してくれた。ハワイにも行ったし、ロンドン留学中はシマコが三度もやってきた。子育てが始まってからは集まることも少なくなった。

15ヶ月前、優子が亡くなり昼間の応援団が帰った夜、ひとりでは居られなくなりSOSの電話をしたのもヤマトだった。
なあ、オレたち普段、人の心をケアしているじゃん。でも、自分がそうなったらどうしたらいいかわからないよ!オレ、どうしたらいいんだよ!?
その後も、幾度となく声をかけてくれる。秋に新宿のゲイバーで飲んだ時、
「ねえ、また温泉行きましょうよ!」
そうだな、行こう!

四万温泉に連れてきたのは今回が3回目。2回目まではもちろん優子も一緒だった。今回は夫婦4組+私。子連れも含め、総勢11人の夕食は昔に戻って賑やかな宴。その後、ひと風呂あびて、また部屋に戻って宴会の続き。相当飲んでいだみたいで、気がついたら朝になっていた。
「センセ、夜は面白かったの?みんなを自分の部屋に呼んでおいて、すぐに寝ちゃったじゃない!?」
いや、最高に面白かったよ。これが良いんだ。優子のことが話題に出るわけじゃない。他愛のない話ばかりだけど、オマエらと居るだけで安心するんだ。
オレはよっぽど人と居るのが好きなタイプみたい。

幼い頃の原体験を想い出す。父親の兄弟は7人、いとこたちは20数名。毎年、夏になると祖父母を囲み、みんながここに集まった。

でも、ひとりで居ることもできるようになったぞ!
帰りの電車はまたひとり。
iPhoneで撮った写真を眺めていたら、優子の写真に目が移る。葬式の頃はまっていたラフマニノフのピアノ協奏曲2番を流せば、自然に涙がこぼれてくる。
だいぶ、悲しみの調節が上手くなってきたぞ。出したい時に、出せるんた。
ひとりで居るとかいっても、心の中の優子と居るだけだったりして。

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