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Sunday, June 27, 2010

岐阜への新幹線

今、新幹線の中。今日は岐阜で日帰りの仕事。
本当は、こだま号に乗ってゆっくり行きたかった。のぞみ号だと早すぎて、車内でゆっくりする時間が少なくなる。前泊すれば一番良いのだが、それでは子どもたちと過ごす時間が短くなる。

普段の生活は、十分に忙しい。
それはそれで良いのだが、心の底に降りてゆく時間がとれない。
先週、のりゆきと行ったイタリアレストランがこじんまりと良い雰囲気だったので、今週、子どもたちと一緒に行った。カウンター席のみの小さなお店。ひとりでやってるから時間がかかるんだよね。大人はワインとおしゃべりの時間を楽しむのだが、子どもたちはそういうわけにはいかない。祐馬は頭の中にあることをたくさんしゃべってくる。
ねえ、オーストラリア行きたいよう。
iPhone買ってよう。
海外留学したいよう。
たくさんの要求に太刀打ちするのが大変と思ってたけど、要するに祐馬は今現在、頭の中にある気持ちを言語化してるだけなんだよね。立ち向かおうとせず、おしゃべりを適当に楽しんでいればいいんだ。
息子たちは、娘みたいにはいかない。ちゅけは参考書を持ち込んで読んでいる。来週から期末だもんな。寸暇を惜しんで、、、というよりは、無駄な時間を過ごすよりはまだ勉強した方がマシくらいの気持ちなのかも。じんはいかにも暇そうにため息をついている。寝るか、ぐずるかしていた以前よりはだいぶ成長したね。
子どもたちも食事自体は楽しんだ。でも、ここは大人の雰囲気だね。近くの中華屋やタパス・タパスみたいに、料理がすぐに出てくる方が子ども向きだ。

昨日の土曜日、昼間はテニス。夕方は、先週のレストランの味を真似して、
バーニャカウダ(にんにくとアンチョビのディップにスティック野菜をたっぷり)
魚介類のサラダ
アーモンドのクリームパスタ
チキンのチーズ焼き
う~ん、ご馳走だねえ!
そうだよ。デザートだってついてるんだから。冷凍したパイナップルだ!
のりゆきにもらったポルトガルの緑ワインを一本飲み、ソファでうたた寝してると、
祐馬「パパ、ベッドで寝なさいよ!
食器洗いしないといけないんだ。祐馬やってよ!
ベッドで寝ないと、やってあげない!
わかった、わかった

今朝は早めに起きてカイの散歩を済ませ、今日の講演の準備に取り掛かる。
結局、ぎりぎりまでかかり、早めに出かけることはできなかった。
パパは食器洗うヒマないから、ちゅけ、やっておいてよ!
え~!
と言いつつ、やってくれるかな。だいぶ、楽になった。

心の底に降りていく時間をとれない。
それはそれで、うまい適応方法なのかもしれない。でも、何か違うんだ。
いくら表面的に忙しくしても、日常生活が満たされていても、本当の自分を隠していることになる。
アンソニー・ストーの「孤独」は本棚に置かれたまま、いまだ読み始める心のゆとり・静寂が得られない。
心と生活が乖離してしまっている。
ひとりきりになり、ゆっくり心の底に降りてゆく。そこで探索して見つけたものを、しっかり書きとめ、フィールドノートをつけることで、そのギャップが埋まるんじゃないかな。
新幹線の車内は、そんな貴重な時間。でも、早すぎるんだよな。もっとゆっくり時間をかけて運んでくれればいいのに!

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ここから、帰りの新幹線。
講演はうまくいった。
何度も繰り返している話だから、うまくいくもなにも、普段と変わらない。
しゃべった内容を本にして、多くの人に伝えて、、、
毎日の生活は充ち足りているんだ。何の問題もない。
でも、心の底は、決して充たされることはない。生活が充たされれば充たされるほど、心と乖離していく。
宗教を信じれば充たされるのかな?
でも、この歳で急に信じることはできない。
科学を信じるしかない。
充たされない部分を、こうして書き出し、人に伝えることで帳尻を合わせようとしている。それは、心理学の法則。
なぜ、新幹線はこんなに早いの?
どんどん先に連れて行かれてしまう。

充たされない人はたくさんいるんだよな。商売柄、よくわかっている。
喪失体験者にとってやりやすいのは、そのことが誰の目からも明らかこと。自分自身にも、相手にも隠す必要がない。その気になれば、いくらだって支援を求めることができる。
もっとヤバいのは、充たされていないことを自分自身が気づいていない場合。なぜ、心のブレーキがかかっているのか、どうやったら外せるのかさっぱり見当がつかないからね。

べつに、充たさなくてもいいんじゃない?
日常生活、何の不便もないでしょ!けっこう、楽しくやってるじゃない!
なぜ充たされないのかもちゃんとわかっているから、恐れることもないし。
そのSpiritual Painを創造性に昇華させれば、よい仕事ができるでしょ!?
すっかり充たされちゃって、凡庸な幸せに包まれて人生を終えるよりも、社会に多少とも貢献できるでしょ!?
いや、もう社会はどうでもいいよ。広い世界には関心はない。
では、自分と、自分を囲む小さな世界が充たされればいいの?
それが、一番楽なんだけど、、、

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