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Sunday, December 11, 2011

ひとり温泉(まただな!)

ふう。落ち着くなあ。
松村屋の大風呂に入った瞬間、思わずため息が出た。
今日は日曜日。まる一日、仕事を終えて、新幹線の自由席に飛び乗った。東京駅で買った駅弁を食べたらもう高崎着。レンタカーで、通い慣れた道を2時間弱。9時過ぎに草津に着いた。
なんかな〜。
ここんとこ、よう気張りはりますなあ。
自分でもそう思うで!
今週は、
月曜に研修。
火曜、木曜、金曜に講演が入った。
そのまま福岡に飛び、土曜は福岡いのちの電話でまる一日研修。
今日も九時五時で相談員さんたちの感受性訓練。
みんな、疲れたでしょう〜!
体力を使うわけではない。
普段の大学でのお勉強みたいに知力を使うわけでもない。
感性を使うんですよ。ふだん使い慣れていないと、今はテンション上げているから感じなくても、おうちに帰ると、どっと疲れるよ。おつかれさま。自分にご褒美を上げてください。私は、これから温泉に行ってきます。

なあんだ、先生、研修終わって脱兎するって温泉だったんですね。
そうだよ。一番大切なことじゃん、自分の時間を確保するって。

先生、どなたといらっしゃるんですか?
なんか、かまかけてない? ひとり温泉って気持ちいいんですよ。
自分のご褒美は草津温泉です。

いろんなご褒美があるだろう。
大切なひとと一緒に過ごす。
美味しいものを食べる。
気に入った買い物。
ひとりで読書、映画。
明日はオフの日。家を奇麗にしてのんびり過ごすという手もあるだろうけど、僕には合わない。すぐに飛び出してしまう。放浪癖があるのかな。檀一雄でも読むかな。

四万温泉は父親の、そして僕の子ども時代のふるさと。
その隣の草津温泉は、我が家のふるさと。
子どもたちのふるさとを作るために、じんが生まれた年に別荘を買ったんだよね。
松村屋は、優子の友だちの有広くんのおばさんちだ。
兄の後を追ったけど東大に落ち、滑り止めの上智に行った優子は東大コンプレックスだった。
有広くんは、優子が出入りしていた東大国政研の仲間だ。我々のイギリス時代、彼はOxfordに留学して一緒にフランスにスキーに行ったり、20代後半、青春時代の延長戦を楽しんでいた。その彼に紹介してもらい、草津の家を買う前も、買った後も時々息抜きで、ここ松村屋にはよく来ていた。
その、有広くんも東大助教授時代、道なかばで他界した。
優子も他界した。
ふたりとも40代。ふざけんじゃあねえよ!!

でも、松村屋はいいねえ。落ち着くねえ〜。
大阪屋やホテル桜井や中沢ヴィレッジみたいな派手な高級旅館ではない。しっとりこじんまりと落ち着いた老舗の和風旅館。
24時間掛け流しの温泉は湯畑から直に引いている。こんなにふんだんにお湯を流して良いのかと思うくらい豊富だ。この匂いをかぐと、ホント落ち着くんだよねえ。
明日は月曜日。診療は休みだけど、夜からまたいのちの電話の研修なんだ。
でも、今日くらいしか時間が取れない。
こっちにおいてあるスキーを持ってくるという口実で、短い時間だけど、「ふるさと」にやってきた。
パパ、ずる〜い。
じゃあ、祐馬も来るか?
無理。
だよな。追い込みだからしっかり勉強しな。あとで小論文みてやるからね。
さて、もう一回、お風呂に行ってくるかな。空いてるよ。だれもいないみたい。
そして、コンビニで買ったナッツをかじって(おまえはリスか?)、ワインを飲んで、早く寝ちゃおう。
明日の朝、起きれたら、原稿書かなくちゃね。
今晩、優子と有広くんの亡霊が降りて来れば良いんだけど!

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