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Wednesday, December 7, 2011

Soul Mate 友人の痛み

久々に心のバランスが崩れた。
仕事帰りの電車の中で涙が止まらなかった。
と思ったら、3時間後には、もう立ち直ってしまった。
そんなんで良いのか?
なんか、立ち直ってしまうことが悔しい。

友人、というか先輩格の医者仲間からメールが来た。
突然ですが、癌で入院しました。化学療法と放射線療法で2ヶ月ほどの入院になります。

U先生は何度もこのブログにも登場している。
22年前のロンドン留学時代で知って以来、家族ぐるみの付き合いをさせてもらっている。
新婚1年後、優子をおいてひとりロンドンに乗り込み、右も左もわからず戸惑っていたときに出会ったU先生は、3年か4年の留学を終える間際だった。Sohoのパブで紹介され、お宅に招いてくれたり、一緒にテニスしたり、心細い異国の生活のスタートを救ってくれた。小児科・児童精神科だから僕とかぶっている。ロンドンの情報をたくさんくれて、どんなに助かったことか。
3ヶ月後に優子を呼び寄せてからほんの2-3ヶ月後だっただろうか、U一家は留学を終え帰国した。だから、一緒にいたのはほんのわずかな時間だったのに、我々も帰国してから付き合いがずっと続いていた。家族でほぼ1年おきくらいに札幌を訪ね、新築した素敵なお宅に泊めてもらい、北海道のグルメを楽しんだり、スキーに出かけたり。子どもたちが歩きはじめる前から連れて行き、奥さんに子守をお願いして、優子とU先生と、スキーしたことも2度や3度ではない。新婚だった我々の夫婦や3人の子どもたちの成長をずっと見守ってくれた。多分、U先生と私は専門分野だけでなく、趣味や性格がかなり似ているんですよ。スポーツ好きで外向的。人と付き合うことがエネルギーの源となるタイプ。先に開業していたU先生から、開業についてもたくさんのアドバイスをもらった。
奥さんは優子より10近く上なんだよな。でも意気投合して、上京されたときには一緒にお茶したりオペラを見に行ったり。季節ごとに北海道のグルメの品を送ってもらったり。

優子の葬儀には、札幌からご夫婦で駆けつけてきてくれた。
無言で抱き合い、泣いてくれたことを昨日のことのように思い出す。
その1年後、お礼を兼ねて祐馬と一緒に訪札し、祐麻とU先生の娘さんはミスチルのコンサートへ、大人たちはグルメのお店で乾杯した。
年に1度会えれば良いくらいの頻度しか直接の交流はない。そういう付き合いが20年以上続いた。

Stage IVの進行癌。それがどういう意味か、臨床医であるU先生ご自身がよく知っている。強い治療が始まる前だから病院の個室に持ち込んだPCからメールしてきたけど、今後、副作用がどれほどになるかはわからない。「必ず無事生還しますので、どうぞご心配なく」という言葉を信じるしかない。さっそく返事が来て、お見舞いOKとのこと。日帰りでも、一泊でも、とにかく行ってこよう。


そんな詰まる思いも、帰宅してから明るい奥さんと電話で話し、子どもたちと話しているうちに和らいでしまう。そんなことで良いの?Stage IVはStage IVなんだよ!!厳しい現実は変わらないんだ。それなのに、気持ちが変わってしまうのは許せない。
妻の死は3年。
友人の病は一晩。
そんな区切りがあって良いわけ?
区切りはないでしょ!

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