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Tuesday, November 15, 2011

死んだ人のことは思い出してあげないといけない

「死んだ人のことは思い出してあげないといけない」と言われた。
普段は思い起こすことなどしない。
死んだ人のことを語っても意味ないじゃないか。
そんなことをしても生き返らないし。半身が千切れたような痛みが消える訳じゃない。
「死んだ子の年を数える」という諺だってあるじゃないか…。
だから、どうして先生はあんなにも亡くした人を饒舌に語るんだろうと不思議だった。
まるでそこに居るかのように会話をして、月命日を数えたり、もういない人の誕生日を祝ったり。いつも居ないことを実感するだけの悲しい作業ではないのかと思うけれど違うのかな。



違うよ。だから、これが心のマッサージなんですよ。
痛みは一生消えません。というか、消えては絶対いけない。自分のidentityだから。
触れただけで「半身が千切れるような痛み」から、「あっ、そこそこ凝ってるの。痛~いけど、気持ちいい!!痛み」に変わっていくんですよ。
安全な場所で、信頼できるマッサージ屋さんにゆっくり揉みほぐしてもらうわけ。自分でセルフマッサージやってもいいよ。筋肉に蓄積された乳酸の痛みを、血流に流して代謝して無毒化します。


確かに、普通とは逆のことをやってるよね。普通、それほど語らずに封印して隠します。
治療には二種類あるんですよ。急性期の救急治療と、それが落ち着いてからの根治治療と。
急性期には救命が先決です。患部に包帯を巻き、倒れて死にそうになる痛みを感じないよう麻酔します。それが落ち着いて、生命に異常がないことを確認してから、ゆっくり包帯をほどいて痛みの膿を出します。私の場合、救命処置が優先されるべき急性期から、膿を開いちゃったからね。かなり危ない治療だった。周りの人が「おいおい、やりすぎだよ」とびっくりするのも無理はない。


先生はそれができて良いですね~!


そりゃ、痛みに向き合うガッツはあるよ。でも、なぜガッツがあるかって、それは私が強い人間とか家族に恵まれてるとかじゃない。安全な環境さえあれば誰でもできることをやってるだけなんだ。確かに、この方面の専門知識を持ち、多くの人を治療してきた経験を自分自身に当てはめているという点では得をしているのかもしれない。


それに、なぜこんなに必死かと言うと、自分のidentityを再構成してるんですよ。親と過ごした子ども時代(第Ⅰ期)⇒優子と過ごした第Ⅱ期から、次の第Ⅲ期に向かわねばならないんです。優子はもういないから第Ⅱ期はcloseしなければならない。そのためには、前の期を捨てるとか、蓋をかぶせるとかじゃなくて、しっかり整理して卒業しなければならない。そうしないと砂上の楼閣の上には新しい建物は建てられないんです。無理して進んでも、結局地震によって地盤が液状化し、上の建物が崩れてしまうから。前の期の未解決の感情体験が、次の新しい期にも持ちこされてしまって、思わぬ時にひょこひょこ顔を出してきます。そんなんじゃあ、落ち着いて新しいidentityは獲得できないでしょ。


p/s 別にあなたにサービスしてるわけじゃなく、自分のために書いてるだけなんですけど(笑)。

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