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Saturday, June 11, 2011

弱い部分を見せる

Tiki, 復学おめでとうございます。

> じゃあ、陰の部分、弱い部分はこっちの優子ブログ。
> 偉そうな、強そうな、生意気な部分は表のブログ。
> という風に使い分けます。
> 表のブログにも、こっちにリンクを貼ろうと思ってるから、私のことをディープに
> 知りたいクライエントさんも、やがては知ると思うんですけどね。

この部分読んで思ったんだけど、優子ちゃんのブログってTikiにとって優子ちゃんなんだよね。だって、男性って弱い部分を奥さんにしか見せられないじゃない?外ではクールで強い部分を見せるように社会的に期待されちゃってるし。
でも、人間だれしも弱い部分を誰かものすごく信用できる人に見せて楽にならなくちゃやっていけないし。弱い部分ってTikiはいうけれど、弱い部分を見せられるTikiはやっぱり精神的にものすごくバランスの取れている人だ、っていつも感心して読んでいるし、自分もそれでいいんだ、と励まされています。

それにそんなに弱いこと書いているって言う印象は、私にはないんだけれど。むしろ、柔軟な考えができる芯がしっかりしている人が書いている印象があります。きっと私Tikiのこと少し知っているから、Tikiが弱いはずがない、と思って読んでいるのかもね。Tikiは自分で書いて自分で消化しているんだから偉いな、って思います。

だから、Tikiのブログって私にとって無料セラピーなのよ♪。

アンジョリーナ デラックス 

いやあ、このあたり種を明かせば良い意味での職業病でもあるんですよ。
精神科医になってから、自分の内面を見つめ、自分が思い込んでいる「弱さ」の部分を表出するトレーニングをスーパーバイザーとの一対一、あるいは数名のグループの中でさんざんやってきたんですよ。まず安全な場で自分を見せて楽になる体験をしたら、心理的便秘症で悩んでいるクライエントさんへの治療に応用しているわけ。
誰だって、ダメな部分&マトモな部分の両方を持ち合わせているんだけど、ダメな部分は辛いから隠して、自分はマトモなふりをします。でも、本当は違うんだウソなんだってわかっているから、かりそめのマトモさに何となく自信を持てず、不安を抱えつつ生きています。
アンジョリーナさんのおっしゃるように、自分でそう思っているだけで、人から見れば対して弱くもない普通のことなんですよ。あくまで自分の中での主観的な弱さ。しかしそのパラドックスは、それを思い切って表出できたら、弱さを見つめることができる強さに変換されちゃうんですね。
でも、こうやって言葉で説明してもぼんやりとしかわからないでしょ。このあたりが、私のセラピーにおける基本的な考え方なんです。実際に体験してみたら、ああ、Tikiはこのことを言っていたのね、と目からウロコになりますよ(笑)。
私も一番初めに体験した時は、「愚痴ばかりこぼして、ビービー泣いて、バカじゃねえの!?」なんて思いましたもんね。

でも、こう言うのもナンですが、日本の精神科医やカウンセラーで、ここまで掘り下げる人は少ないのかもしれません。いえ、日本人がダメというのではなく、日本の臨床トレーニングでは、こういうことをできる機会がとても限られているんですよ。私の受けてきたトレーニングの大部分は欧米なんです。Judeo-Christian系文化では、「神に対峙する個」という背景があって、教会で懺悔したり、教育分析で自己分析したり、自分を見つめ突き詰める習慣があるんですね。それがうまくいけば、「アメリカ人って個人主義が徹底していて、芯が強いわよね」ということになります。そういう習慣のない我々の間では、なんか感心されちゃうけど、欧米風の文化でマトモに生きていくために必要なことなんだと思います。

日本の集団性は崩壊し、集団の中で自分を守るイワシ的社会から、ひとりひとりがバラで生きていくサメ的社会に転換しつつあるように見えるけど、実はイワシがバラバラになっただけに過ぎないのかもしれません。傷ついたイワシを救うには、
集団に戻してやる⇒家族関係の復活、サポートネットワークの強化、保護された環境(病院とか)の整備
というのが、日本的な解決策だけど、私としては、
イワシ⇒サメに成長させる
というあたりも大切だと思うんです。それは、硬い鎧を着せ、外側から守るのではなく、身体の内部から骨や筋肉を強化する。そのためには多少きつい筋トレが必要になります。それが男のメンタル・トレーニングなんですよ。いや、女性でも良いけど(笑)。

なんか、比較文化にまで話が発展しちゃって、JASCやってるみたいですねえ(笑)。
つまり、僕にとって優子に向き合い、自分に向き合う作業は、悲しみが色あせても決して終わることのできない、自分にとって必要なことで、それを見てくれているアンジョリーナさんなんかに支えられているってことなんですよ。

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