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Monday, May 7, 2018

Empty Nest Syndromeなのかなぁ

新幹線の隣の席には、若い母親が赤ちゃんを膝に抱き、子どもに離乳食を与えている。
車内は混んでいて、若いお父さんは離れた席に。
「席を代わりましょうか?」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」と若い女性はにこやかに応える。

「私の子供たちは24-22-19歳なんですよ。
あなたたちの赤ちゃんを見ていると、その頃の子どもたちのイメージと重なってくるんですよ。20年も前のことなのに、全然違和感なく、まるで昨日の出来事のように思い出しますよ。
その頃は、我々も若かったんだろうね。大変だったんだけど、一生懸命だったし。苦労はそんなに苦痛ではなかった。苦労もしたけど、楽しかったよ。充実してた。
子ども達のいのちに責任を持ち、てんやわんやしながら成長していく姿をまじかに見れば、親として、人として生きている大きな価値を授けてくれた。
今は、そんなこと考えている余裕もないだろうけど、この歳になって、子ども達が自分の手から離れると、あの頃は本当にリア充だったよ。若い頃、多くの異性・同性の友人・仲間に囲まれていることが本当のリア充じゃないんだ。夫婦で喧嘩して、仲良くして、双方の親と確執して、子ども達の教育方針で言い争っていた頃の方が、深いリア充だったよ。夫婦を手放すと、そのことがよくわかるんだ。
私はきっとempty nestなんだね。あなた達が赤ちゃんと頑張っている姿を見ていると、その頃の私と家族のことがフラッシュバックするんですよ。あの頃は、一生懸命、なんの自信も余裕もなかったけど、充実してた良い時代だったと。」

と言いたかったけど、実際に言えたのは、降りる間際の、
「頑張ってくださいね。」
の一言だけだった。

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