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Wednesday, November 6, 2013

久しぶりに優子が出てきた。

来島海峡大橋はしまなみ海道で一番大きな橋だ。第一、第二、第三と3つの橋が連なり、全長4キロ、高さは65メートル。対岸は遠すぎて見えない。斜め前方は大海原。見下ろすと来島海峡の渦潮が見え、大きなタンカー船も行き来する。
渦潮を眺めていると海の広大さが広がる。ここを自転車で疾走していると、空を飛んでいる感覚になる。

この海は全地球に繋がっているんだ。連想がどんどん広がる。
沖縄の海にも、久米島のはての浜にも繋がっているんだ。
そこに4年前に撒いた優子の灰は、全世界の海に回っているのだろうな!

じんが出てきた。
冷たくなった優子の身体がスキー場から戻り、家の居間で寝ている。
おやすみ!
じん、ママにおやすみ言うか?
ふだん感情を表さない小4のじんが、冷たくなった優子の髪を愛しそうにそっと撫で、
おやすみだけを言うはずが、
「ねぇ、ママ〜、お願いだから生き返ってよう〜〜!」
泣き崩れたじんを私が抱きかかえようとしても、もがいて私の手をすり抜けようとする。
じんが泣いた姿を見せたのはこの時だけだった。私はしょっちゅう泣いていたけど。

ついで、葬式の場面が出てきた。
MKPの仲間とともに天の優子を引き摺り下ろし、優子に話しかけるシーン。
まず、私が見本を見せて、子どもたちとお義母さんにもやってもらった。
「ふざけるな!!」
空に向かって再び叫んでいた。
「優子が心臓悪いのは知っていたよ。でもこんなに早く逝くことないじゃないか!」
このシーンは知人に頼んでDVDに録画されているはずだ。未だそれを観ていない。永久保存版。消えて欲しくない、保存しておきたい。その思いから録画を頼んだ。まだ観る気はしない。観なくても、心の中にしっかり保存されているからその必要はない。
サングラスの下で涙が頬を伝う。

対岸に着き、橋を降りればもう出てこない。現実に戻る。
残りの5つの橋でも出てこなかった。他の橋は来島海峡大橋に比べれば短いんだよね。対岸が見える。空を飛ぶ感覚は消えてしまった。

後日談)「来島海峡大橋」をいろいろググっていたら、建設中の1998年に橋げたが落下して7名の工事関係者が犠牲になる事故があったのね。その後も自転車レースで歩行者の死者が出たり。
栄光の裏には影がある。このあたりの空には多くの魂が飛び交っているんだ!

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