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Monday, July 16, 2012

草津の家にて

妻を亡くした男性のカウンセリングがかなり進んでいる。
私自身が歩んで来た道だからお手のもの。
別に自分の気持ちを投影しているわけじゃない。
でもそのプロセスはよくわかるし、自分自身のプロセスを反芻する良い機会だ。
彼との会話で見えて来たのは「三つの蛇口」説。
第一の蛇口が身体・行動のレベル。心理的な打撃のために突拍子もない行動にでるのが怖い。蛇口を閉めると行動できなくなり(うつ)、身体症状が出現する。それをどうにか動かそうという医学的治療のレベル。幸い私はそこはどうにか自力で切り抜けた。
第二の蛇口が感情のレベル。喪失の悲しみ(それ以外にも自責、怒り、後悔など)が溢れ出し収拾がつかなくなる。それを避けるために蛇口を閉めると気持ちが出てこなくなる(失感情症)。蛇口を安全に開けて、どう気持ちをうまく流していくか難しい。私もそれはずっとやってきた。
第三の蛇口が実存のレベル。自分の生活の一部、自分の身体の一部、自分の存在の根拠が失われ、自分の実存(生きている意味)をどう再構築するか。これはかなり深いレベルだから時間がかかるね。私もそこまで来ているかどうかは自分でもよくわからない。少なくともそれを意識はしているけど。彼がその蛇口までたどり着いたのは、それまで封印していた妻の写真を解き、妻と築いてきた世界を再訪できたからだ。

今、草津の家にいる。子どもたちはまだ寝ている。
My quality time。ゆっくり瞑想に耽ることができる。
ホントは原稿を書いてたのだが、イマジネーションがこっちに来てしまった。こんなことだから原稿が進まないんだよ。
草津に家には優子の写真パネルをたくさん張り付けてある。
東京の現実から離れ、優子と幼かった子どもたちと過ごした家、優子が旅立つ前日に泊まった家に戻り、優子の世界に入る。
でも、だいぶ乾いてきたかな。今回はJenniferちゃんもいる。人に見られたって良い。
今まで、優子を語る呼称は「優子」でなければならなかった。
でもJenifferはそれではわからないでしょ。「21年間、私の妻だった人」でも良いじゃない、もうこれからは。

さて、子どもたちも起き出して来た。
瞑想の時間は終わり。朝食の支度でもするか。

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