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Tuesday, August 9, 2011

男の涙


暑さが燃えたぎる8月は、日本人にとって原爆投下の日・終戦記念日、そして死者の魂が戻ってくるお盆homecomingの時期だ。

先日、被災した陸前高田の夏祭りがテレビで紹介されていた。失った家族の魂を神輿に乗せ、練り歩く勇壮な兄ちゃんたちが海に向かって一斉に黙祷を捧げる。うつむいた顔から雫がポタポタ。汗かと思ったら大粒の涙じゃん!

これを見て、今まで体験した男の涙が蘇ってきた。

小学校1年生の時、おばあちゃんの亡骸を運ぶ父親はしかめっ面してたけど、ホントは泣いていたんだって。びっくりした。
子どもは弱虫だから泣く。
母親が朝のNHK連ドラで、お祖母ちゃんは夏の帰省から帰京するときいつも泣いていたから、女の人は泣くものだと思っていた。でも、大人の男の人は泣くものではないと思っていたから。

大学4年生のアメフト最終戦で宿敵を倒したとき流した涙は喜び・感動の涙だから、カウントしない。

40代。ローマの著名な家族療法家Maurizio Andorfiの元に15人ほどの家族療法家たちが集まり、2週間のグループ・セッションを行った。その最終日のclosing sessionで、当時離婚の危機にあったマウリッツォが突然泣き出した。
えっ、メンターが泣いちゃっていいの?
もしかして彼、壊れちゃったの?
びっくりして不安だったが、その後のパーティーでは普通に元気に振舞っている。そうか、あれは崩れ落ちる涙ではなく、意図した感情表出だっんだ。

アメリカの男性グループのメンターEd Burtonと男性に対するセラピーのビデオを見た。父親への怒りと憎しみが語りつくされた後に、彼が生まれたとき祝福していた父親の思い出にたどり着いたとき、Edも私も涙した。

優子が亡くなった時、子どもたちはパパの涙をどうみてたんだろう?
愛することの素晴らしさを伝えたかったんだよ。人を愛すれば、いつか別れが来る。こんなに突然やってくるとは思わなかったけど。心の中の圧倒的な感情の塊(悲しみ)の勢いで自分が壊れちゃいそうで怖いよね。
思わず溢れちゃいそうになる涙を必死に堪えるのが強いんだと思ってるかもしれないけど、ホントはそうじゃないんだよ。
溜め込んだ気持ちの塊のために卒倒したり、爆発する前に、うまい具合に悲しみのエネルギーを外部に逃してやるのは相当難しいんだ。女の子の祐馬は自然にできるけど、男の子のちゅけやじんはもうちょっと成長してからかもしれないね。
でも、そうやって悲しみを手放してしまうって、寂しいんだよね。その体験から決別することになるから。そう簡単には放したくないって思うんだろうね。

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