祐馬が半年ぶりに帰国した。
ほんの2週間だけどね。
おばあちゃんと、ともみ君に会いたくて。
そうだね。
まあ、ばあちゃんは、まだすぐには死なないから大丈夫だけど。
祐馬が訪ねると、ばあちゃんは満面の笑み。
良い顔してるねぇ!
ばあちゃんは、トイレのしかたも、今朝なに食べたかも覚えてないけど、久しぶりの孫の事はちゃんと覚えているよ。というか、いつも家族のことしか気にしていないし。
僕は、ほぼ毎朝、ばあちゃんのところに顔を出している。家からチャリンコで3分の場所だからね。カイの散歩みたいなもんだ。
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ばあちゃん、元気?
わかんない。
もう死んでも良いんだ。
どうせ死ぬんだから。
そりゃ、そうだ!
よくわかってるじゃん!
ばあちゃんは、死んでも良いよ。
まだ死にたくないとか、死ぬのが怖いとか、生きているのがイヤだから死にたいなんて人がたくさんいる中で、ばあちゃんは人生でやるべきことちゃんとやったもんね。えらいよ!
ばあちゃんが死んだら困るとか、ばあちゃんなしでは生きるのが辛いとかいう人もいないよ。
そりゃあばあちゃんが死んだら子や孫たちは悲しいけど、ばあちゃんがいなくたってみんな幸せに生きていけるから問題ないし。
どう生きるかってのが大事とかいうけど、
どう死ぬかってのも、とても大事だよね。
優子みたいな死に方は一番悪い見本だな。
本人は良いかもしれないけど、てか、死んだら良いも悪いも考えないから良いだろうけど、周りに迷惑をかけすぎだ。子どもたちと夫に辛い思いをさせすぎだ。
ばあちゃんは良い見本だよ。
ばあちゃんが死んでも誰にも迷惑をかけないから、心置きなく、安らかに死ねば良いさ。
〜〜〜
祐馬は今日、メルボルンに帰るんだ。
父親として。そりゃあ、寂しいさ!
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